旅団狩りRPG   作:GGアライグマ

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グリードアイランドに行くアリ達

 メルエムの脅しが効いたからか、キメラアントの動きは思ったよりずっと大人しかった。

 何度か見回りに行ったが、サソリのキメラアントが流星街に来た痕跡は無かったし、他の地域でも大した事件は起こっていなかった。

 さらに師団長クラスの、それなりに賢いキメラアントまで来ると、極端に世に出回っている情報は少なくなっていた。おそらく暴れてもバレないように気を付けているのだろう。テレビなどに写れば、メルエムに見つかってしまう可能性が高いからだ。

 もちろん人体実験を秘匿したい裏の金持ち達が情報操作している可能性もあるが。

 

 ともかく、大した情報も無く時間だけが過ぎて行った。

 

「なあ、俺って言うほどバラで死ぬか?」

 

 と、しびれを切らしたメルエムが何やら危なげなことを言い始めた。

 

「そりゃあ死ぬだろ。力なんて関係ねえ。生物を問答無用で殺す毒だぜ。ありゃあよ」

 

 答えるのはカメレオン。

 

「いや、だけどさ。当たらなければ問題ないじゃん」

「そうだけどさ。何その急な発言は」

「もう面倒だからさ、円で一気にバアッと調べようかなって思ってね」

 

 ちなみに、メルエムが魔人だったころにクラピカを見つけたのはこの方法だった。

 

「それにさ、もしバラを食らったにしてもさ、バラが遺伝子ごと破壊する兵器だったとしてもさ、遺伝子をどっかにバックアップ的に残して置けば、復活できる気がしないか? そもそも遺伝子ってそういうもんじゃん。二重螺旋構造で、片一方が壊れた場合はもう一方の情報を元にして復元されるでしょ」

「復元できるような技術が手に入るのは何年先になるか分からねえよ」

「念を使えば?」

「さあね。分からねえ」

「いいや、俺は絶対的な念の修復能力を知っている」

 

 それからメルエムはグリードアイランドについて語り始めた。そして、そこにある大天使の息吹というカードを使えば、バラ毒だろうとすぐに治るということを話した。

 

「俺はバラの爆発で即死することはないから、毒さえ大丈夫なら問題ないんだ。身体なら誰かを食べればすぐに元に戻るしね。だから、そのカードさえ手に入れば、円でさーっと調査するのも問題無いんじゃないか? このカードについては、バックアップの話は関係なくなるんだけどさ」

「そのカードを手に入れるにはどのくらい時間が必要なんだ?」

「分からないが、おそらく1週間くらい。俺達の実力ならね」

 

 メルエムの考えでは、大天使の息吹での回復を確保するのにグリードアイランドを攻略する必要は無い。

 ゲーム内で大天使の息吹を確保しておいて、バラを食らったらゲームに飛んで、そこで治療すればいいのだ。

 それなら1週間くらいでなんとかなるだろうというのがメルエムの目測だ。

 

「おいおい、さっさと言えよな。そういうことは」

「全然大丈夫そうじゃねえか」

「の前にまず私はそのゲームで遊びたいよ」

 

 話を聞いたキメラアント達も乗って来た。

 

「確かに、そんなものがあるのなら、確保しておくべきですね。円の話抜きにしても」

「僕もそう思うにゃ。協力するにゃ」

 

 護衛団も乗り気だ。

 

「よし。では皆でグリードアイランドを入手しよう。おそらくバッテラの別荘にいくらか空きがあるはずだ。それを使わせてもらおう」

「盗むのか?」

 

 軽々しくバッテラのを使わせてもらうと言ったが、確かに、盗むような形になるかもしれない、とメルエムは思った。

 

 

「ある程度強引に使わせてもらって、グリードアイランド内で脱出できずに困っている人を助けて、その人に助ける礼としてグリードアイランドのカセットをもらおう。それが、今取れる一番いい方法だ」

「捨てるのか? ポリシーを」

「しょうがない。安全に、迅速に旅団を捕えるには、この方法が一番いい。今もやつらに苦しめられている人がいると思うと、安いプライドなんて捨てられるさ」

「意外と柔軟なんだな」

「ふっ、気まぐれとも言えるがな」

 

 

 というわけで、メルエム達はプフの鱗粉を使って多少強引にバッテラを説得し、グリードアイランドを使わせてもらった。来たメンバーはヒナとピトーとプフとメルエム。他のメンバーは残ってお留守番である。

 

 

 

 ゲームの島に着くと、まずメルエムが他の人をかついで町へ移動した。プフよりメルエムの方が大分速いのでプフもメルエムがかついだ。

 町につくと、プフの大量の分身を使ってすぐさま情報を集めた。そしてその情報を基にカードやお金を荒稼ぎした。

 大天使の息吹を手に入れるにはスペルカードを全種集めるか、人から奪うかが必要だ(スペルカードを全て集めてもカード化限度枚数によっては手に入らないこともある。)。

 どちらもできないことはないが、無駄に敵を増やすのも億劫なので、メルエムは地道にスペルカードを集めることにした。地道と言っても次元の違う力で一気にお金を増やし、スペルカードを買って行くのだが。

 

 その最中、やはり現実世界(と言ってもグリードアイランドも現実だが)に戻りたくても戻れない人間がいたので、予定通り彼らを現実に戻し、代わりにグリードアイランドのカセットをもらった。

 3つ手に入った。どうせだからとタコとトンボを除いたメンバー全員がグリードアイランドに登録した。それでも人数的に1つはいらないので売ることにした。ユピーの稼ぎがしょぼく思えるような大金になるはずだ。

 しかし、こんなぼろ儲けの手段があったのに、なぜツェズゲラはしなかったのか。メルエムも疑問である。自分も今の今まで気付かなかったとは言えだ。

 

 そうして、予想より少し遅れて、10日で大天使の息吹は手に入った。

 プリズンを使ってのスペルからの防御も万全だ。

 

 準備万端。もうバラの毒を受けても大丈夫だ(と言っても大天使の息吹は一人に一度だけしか使えないが)。

 メルエム達はグリードアイランドにユピーとヒナを残し、現実世界に帰還した。そして、円を使っての一斉調査を始めることにした。

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