旅団狩りRPG   作:GGアライグマ

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新たな挑戦

 キルアとカルトは無事にゾルディック家の敷地から離れることができた。

 それから、メルエム達のいる場所を目指した。

 カルトの能力で場所は分かるため、はぐれる心配は無かった。

 

 しばらくして、メルエム達がいるらしい場所の近くに来たキルア達は、望みの相手の姿を見る前に、待望の妹(カルトにとっては姉)の声を聞いた。

 

「この人達私の服をはぎ取ったのよー! 痴漢よ痴漢! それに、こんな拉致みたいに……」

 

 定食屋の前で叫ぶアルカは大いに目立っていた。

 

「おいおい、何やってんだあいつらは」

「急ぎましょう。兄さん」

 

 キルアとカルトは呆れながら、急いでアルカの下に向かった。

 

 

「アルカ! そいつらは痴漢じゃないぞ! 俺の仲間で、お前の味方だ!」

 

 キルアが大声で言うと、アルカはパッと声の方に視線を向けた。

 

「あ、お兄ちゃんいいところに。実はこの人達が」

 

 しかし、興奮しているアルカはキルアの言葉の意味を理解していなかったようだ。

 

「感動の再開的な反応はしてくれないのか?」

 

 が、キルアが気になったのはそこでは無かった。

 さびしそうにアルカに尋ねる。

 

「ああ、本当だ。久しぶりだねお兄ちゃん。カルトも久しぶり。会えてうれしいよ」

「おおアルカ。久しぶり。俺も会えてうれしいよ。これからはずっと一緒だからな」

 

 キルアはアルカの反応に満足したようで、うれしそうに両手を広げアルカの前に立った。

 飛び込んで来い、とでも言いたげな感じだ。

 

「あのねお兄ちゃん。この人達が私の服を」

「またそれか……」

 

 が、アルカにはその意図が伝わらなかったようだ。

 カルトは一歩下がって何か言いたげな顔でそんな2人の様子を見ていた。

 

 

 

 しばらくして、ユピーとも合流したメルエム達は、今後の予定を考えることにした。

 

「一先ず、アルカの行きたいところを回るか」

「俺はそれでいい」

 

 と、ここでメルエムが相槌を打つと、キルアとゴンは意外そうな顔をする。

 

「トガーシもついてくるの?」

「あれ? 違うのか?」

 

 メルエムもこの辺りは適当に考えていた。

 てっきりついて行くものとばかり考えていた。

 

「いやだって、あんたにはあんたのやりたいことがあるだろう?」

 

 しかし、キルアのこの言葉通り、やりたいことはある。

 キルア達に付いて行くのが最善と言うわけではなかった。

 

「そういやそういうのもあったな」

「なんだあんた。そんな適当な人だったのか」

 

 呆れるキルアに、メルエムも自嘲気味に笑った。

 

 

 メルエムはいろいろと考えた結果、一旦ここで別れることにした。

 

「まあとりあえず、俺のことは秘密にしといてくれよ。もしネテロ会長とかにバレたとしても、いいやつだって言っておいてくれ」

 

 これが別れの言葉だ。

 言ってメルエムがカルトを見ると、カルトはやや緊張した面持ちでこくりとうなずいた。

 おそらく彼らから身元がバレることはないだろう。メルエムはカルトの表情を見てそう思った。

 まだ大丈夫だ。ゾルディックに仮の姿と力の一角はバレたが、それだけだ。それに、あそこは無暗に情報をバラまくようなことはしないだろうから、きっとまだ安全は保障されているはずだ。と、メルエムは考えている。ユピーの天空闘技場については諦める必要があるだろうと思っているが。

 

「ああっと、そうだ。困った時は頼ってくれてかまわないぜ。美少女を助ける依頼なんかだとタダで手伝ってやるから」

 

 別れると思われたその時、メルエムは再び余計なひと言を追加した。

 かっこつけるのが嫌いならしい。

 

「出来る限りあんたには頼まないように気を付けるよ」

「ははは」

 

 と、キルアは苦々しげに答え、ゴンは苦笑した。

 

 

 

 

 ゴン達と離れたメルエムは、仲間のキメラアント達のいる場所へ移動した。

 と言ってもすぐ近くに待機していたのだが。今回彼らが応援に駆け付けたのも、メルエムからの指示があったからである。

 

「ふー、ひやひやしたぜ。ああいうのはもうしばらくはゴメンだな。ちょっとは楽しめたけどね」

 

 ククルーマウンテンであったことを思い出しながら、興奮気味に語るのはカメレオン。

 

「俺は初めて活躍できてただただうれしかったよ。しかし、このリッパー・サイクロトロン。俺とお前が組んだら無敵だな。腕を回した回数に応じて威力が高まる一撃必殺だからな」

 

 自信ありげにそう語るのは、旅団員を操っているタコ。

 

「いいや、無敵じゃあねえわな。それ、お前のオーラを溜めているだけだから、お前の潜在オーラ量を超える顕在オーラは出せねえじゃん。マックスでもメルエムの普通の一撃より弱えよ」

 

 冷めた声で返すのはカメレオン。

 

「いや、分かってるけどさ。夢見たっていいじゃないか。だいたい、俺は最近になってようやく外に出られるようになったんだぞ。やっと死体が手に入ったから」

 

 死体を操る能力、リビングデッドドールズで旅団員に寄生したタコは外の世界を満喫していた。

 正直な話、さっさとそこらのクズ野郎の死体を用意してあげてもよかったのだが、なんとなく面倒なのでやらなかった。

 ちなみにだが、戸籍の無い旅団員の死体とは言え、顔は整形している。ヨークシンの事件で顔写真がネットで出回ったこともあって、素の顔で出歩くのは危険だからだ。

 

 そんな感じで一しきり、先にあった攻防の感想を話し合った。

 

「で、これからどうする?」

 

 そして、話が落ち着いて来たところで別の話題へと移る。ちなみに、このセリフはカメレオンのものである。

 

「金を集めるのと、仲間を集めるのとだな。一先ずは」

 

 答えるのはメルエム。

 

「どうやって?」

「金は、とりあえずグリードアイランドのカセットを一つ、高値で売ろう。他にもあの島の中でくれそうな人がいないか探してみよう。それから、ゲームクリアして、高く売れそうなカードを手に入れて売ろう」

 

 正直な話、グリードアイランド関連は平気で100億単位の金が動くため、メルエムは他の方法で金を集める気になれなかった。

 

「会社起こすとかビル立てるとかは?」

「そういうことについてはいい考えがある」

 

 にやりと笑うメルエム。

 

「おお! 言ってみてくれよ!」

 

 メルエムのこの顔はきっとおもしろいことがあるのだろう。そう思ったカメレオンは乗り気で尋ねる。

 

「格闘技の、道場を建てる」

 

 その発想は無かった。と、カメレオンは思った。しばらく固まっていた。

 そして動き出すと共に、うれしそうな顔になった。

 

「あれか。門下生を増やして行って、念能力者の仲間を一気に増やすわけか」

 

 楽しそうに尋ねるカメレオン。メルエムは正解だと示すように笑ってみせる。

 

「くぅ~、おもしろい。おもしろそうだ。早くやってみてえな。そりゃあよ」

 

 カメレオンは興奮を抑えきれないようだった。

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