食戟のソーマ(アニメ放送中) 夜神月っぽいモブ(アニメ2話)の下剋上 作:夏ノ雪
需要有るか分かりませんが、アニメのモブキャラが面白かったので書きました。
アニメが面白いので視聴をおすすめします。
話は、アニメの2話(編入試験から)から始まります。
遠月学園、編入試験会場。
ザワザワ
多数の学生が、お付の者と共に集まっている。
高級車が何台も行き来する。
そんな場所で俺は、お付のやす爺にいれてもらった紅茶を飲む。
やす爺の紅茶はいつも美味しい。
ガタッ
イスが揺れる。
ふと、左側を見ると、目の前に少年の姿。
学生服を着た赤髪の少年。
どこか他の少年と違い、オーラのようなものを感じる。
「あ、ごめん」
少年が謝る。
どうやら先程の振動は彼がイスを蹴ったせいらしい。
「気にしないで、君も編入志望なんだね、座りなよ。僕は二階堂義明、家はフランス料理店をやっている」
「奇遇だな~俺の実家を料理店をやっている」
「そうでもないよ、ここにいる奴は大抵料理屋の息子だよ」
「ふ~ん」
「君の店はなんて名前?」
「ゆきひらって名前だ」
「ははっ。料亭さんかな」
「そんな大したものじゃないよ、下街の定食屋だ」
あん?
下街?
ただの定食屋?
そいつが俺に話しかけている・・・
ブチッ
俺の頭の中で何かが切れる。
「おりゃあああ」
ドカッ
その田舎者を蹴り飛ばす。
「低俗な庶民が、このぼくと並んで座るなあああああーーーーーいいかよく聞け、ここは庶民が来ていい場所じゃない。食の上流階級にいる者のみが学べる事を許される場所。お前のような低俗な庶民は書類審査で落ちるだろう・・・ets」
そう、俺は選ばれた民。
決して庶民じゃない。
絶対に違う。
才能ある料理人になるんだ。
俺は。
◆◇◆◇◆◇
遠月学園編入試験。
ついさっきのそんな一幕を思い出す。
自身満々で行った俺。
だが、あの天才、薙切えりなが審査員だと知って俺は逃げ出した。
あいつは別格だ。
それにこれまで一人も合格者を出していないと聞いている。
俺も才能あると思うが、あいつと比べるとゴミくずだ。
途中、ずうずうしい田舎物庶民定食屋、ソーマとかいう奴に出あった。
最後に振り返った時、あいつは試験会場に進んでいた。
あいつはどうなったのだろう?
どうせ落ちたな。
だが、そんなことはせんなきこと。
俺は有名洋食店の長男。
といっても、長男だからといって家を継げるわけじゃない。
俺の下には化け物みたいな兄弟姉妹がいる。
そんな奴らに一矢むくいるために向かったのがこの学園の編入試験。
だが・・・
終わった。
俺は終わった。
戦わずして終わった。
これで一生下積み人生だ・・・
ふと、周りを見ると、森の中にいた。
学園から逃げるようにずっと走ってきて。
それで今。
ここはどこだ?
キョロキョロ
誰もいない。
やみくもに走っていたため、お付のやす爺も置いてきてしまった。
は~。
あいつは俺を探してるだろうな。
やす爺だけはいつも俺についてきれくれた。
ふと、目の前の壊れた石像が目に入る。
緑の苔が像を侵食している。
ん?
なんだこれ?
地面に赤い宝石のような物が落ちている。
俺はそれを拾う。
その宝石を覗き込むと、中で何やら蠢いているのが分かる。
ジーン
冷たい冷気が体を通り過ぎる。
なんともいえない恐怖感に襲われる。
それに見入ると一生出てこれなくなるのではと・・・
良く見ると、壊れた石像の額には、宝石をちょうどはめこむ事が出来そうな窪み。
いれてみるか。
何故かそんな考えが浮かぶ。
カチッ
石をはめると、何やら音がする。
そして、石像を中心に風が吹き荒れる。
ブォーン
「うぉっ」
吹き飛ばされそうになる俺。
地面の岩を掴んでなんとか体勢を維持する。
「なんじ・・・何を求める」
ん。
どこからか声がする。
一点から聞こえるのではなく、空間に響く声。
荒々しい風音に対してクリアに聞こえる。
「何を求める。食神の我に何を求める」
食神・・・
どこかで聞いた事がある名前。
俺の願い。
俺の望み。
ふと、ついさっきの記憶がよみがえる。
薙切えりなから逃げ出した俺の姿。
逃げる群衆に交じって走る俺。
違う。
俺は違う。
なるんだ、最強の料理人に。
今度は逃げ出さない。
絶対に最強の料理人になる。
心は決まり、口が自然と動く。
風が吹き荒れる中、俺は叫ぶ。
「俺は比類なき料理人になりたい。あの薙切えりなを超えるような」
一瞬の間。
時が止まったような無音空間。
「なんじの願い、しかと受け取った」
その瞬間、石像が光だす。
それと同時にこれまでとは比べ物にならない衝撃派が放たれる。
衝撃波は形を持ち、それは生き物のように天を舞う。
そして、俺に直進してくる。
まるで伝説の生物のような姿で・・・
そう、まるでドラゴンのように。
ドゴン
鈍い音と共に、俺は体中に衝撃を受ける。
体中の骨が砕ける程の痛み。
なんだこれ?
体が、心がバラバラになるような感覚。
表面的な痛みだけではない。
俺の深層に入ってくる何か。
それが俺を侵食していく。
視覚、触覚と徐々に失っていく。
それとは逆に、心が何かで満たされていく。
失われていく景色の中で、何やら人影のようなものが見える。
だが、それを確認する前に、俺は気を失った。
最後に見えたのは何だろう?
◆◇◆◇◆◇
同時刻。
遠月学園総帥室。
和服を着た老人が畳の部屋で座禅を組んでいる。
和服の袖には、「薙切仙左衛門」名の刺繍。
「はっ!」
突如老人の和服がはだけ、上半身が露わになる。
鍛え抜かれた肉体。
その鋼の肉体には、いくえもの経験が凝縮されている。
「今のはなんじゃ・・・」
額から汗を流し、老人が呟く。
立ち上がると、ズボン、いや、ふんどしまでスラリと脱げる。
全裸になる老人。
「まさか・・・ふんどしまで。この食圧・・・どこかで感じたような・・・」
全裸のまま畳を歩き、とある壁の前で立ち止まる。
そこには、竜と虎が交わる掛け軸。
とある戦争を舞台にした、食戟の図。
それはただの食戟ではなく、国の形を変えた食戟。
「まさか・・・奴が・・・蘇ったとでも・・・」
老人は掛け軸をじっと見つめる。
トントン
「入れ」
条件反射で呟く老人。
「失礼します」
ソーン
襖が開き。見目麗しい、制服姿の金髪長髪の少女が入ってくる。
「おじい様が私をおよびだと・・・・・・・きゃああああああああああ」
悲鳴を上げて部屋から出ていく少女。
ふと振り返る老人。
「えりなか・・・」
ふと自分の姿を見る老人。
「おや、全裸だったか・・・えりなも年頃の娘、これきしで悲鳴をあげるとは。大きくなったのは体だけじゃな」
そう言い、再び掛け軸を見返す老人。
掛け軸の絵の中では、虎と竜が互いに噛みついている。
その掛け軸の一端が黒くにじんでいる。
「おや、こんな所に染みが・・・」
老人はその掛け軸を見ながら、立ち尽くす。
そうして時は流れていく。
◆◇◆◇◆◇
「ぼっちゃま、ぼっちゃま」
「ん、なんだ?」
俺は目を開ける。
目の前には付き人のやす爺。
「お目覚めになりましたか」
「ああ、ここはどこだ?」
いつのまにかベッドで寝ている。
確か、森の中にいたはず。
「私めが発見した時、ぼっちゃまは森の中でお倒れになっていましたので、ベッドに運ばせて頂きました」
「そうか・・・」
たしか・・・
俺は直前の記憶を思い出そうとする。
学園から走り去り、森の中で壊れた石像に出会った。
それで・・・声が聞こえて・・・。
あの時の光景がよみがえる。
「近くに石像はなかったか?赤い宝石が額にはめ込んである」
「いえ、そんなものはありませんでした」
「・・・」
俺は起き上がろうとする。
「ぐわぁああ」
痛みで声が出る。
その反動で、ベッド脇の机の上にあるコップが床に落ちる。
ガシャン
「ぼっちゃま」
やす爺が俺に近づく。
「大丈夫だ。ただちょっと体が痛むだけだ。動かなければ問題ない」
「さようですか・・・」
やす爺は、落ちたコップを拾い、床をタオルで拭く。
「それで俺はこれからどうなる?本家になにか聞いてるか?」
「はい・・・」
言葉が重いやす爺。
言いにくい事があるのだろう。
「だいたい予想はついている。何でもいっていい。これまでやす爺はよくしてくれた。これで終わりの関係でも俺は感謝している」
「では、試験には不合格になりました。それを本家に報告した所、勘当されました。一時的な事かとは思いますが。これからの事は不明です」
「そうか。だいたい思った通りだな。我が一族にとって、俺はつまはじきものだからな」
「めっそうもございません。坊ちゃまこそ、本家の長男、次期当主でございます」
やす爺は、本気で言っているように見える。
小さな頃から俺はやす爺に育てられた。
料理の才能はからきしだったため、俺はそうそうに両親から見捨てられた。
そんな中、俺は精一杯努力したが、それは報われなかった。
才能。
その壁を乗り越える事が出来なかった。
偶々同い年に薙切えりながいたためか、初めて出た料理コンクールでその差を知った。
「うっ」
薙切の顔を思い浮かべると、胸が痛む。
「ぼっちゃま、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。少し胸やけがしただけだ」
「おさわりないように」
「あぁ、少し寝る」
そうして眠りについた。
◆◇◆◇◆◇
数日後。
俺の体調は回復した。
ベッドで寝ていると、やす爺が入ってきて告げる。
「何!あの田舎者が編入試験に受かっただと!」
「さようでございます。学園にて確認しました」
「あいつが・・・あの庶民定食屋が」
「その上、入学試験でてっぺんをとるとおっしゃったそうです」
「あの馬鹿・・・」
「ですがぼっちゃま。これは私たちにとっても朗報です」
「どういうことだ?」
俺はやす爺を見る。
そういえば最近やす爺は忙しくしていた。
俺の看病をしている時以外は何かをやっていたようだ。
「私、気になって学園の事を少し調べました。すると、どうも幸平様は薙切様の試験で合格になったわけではなく、他の方法にて編入合格を果たしたようです。それで見つけました、年度当初の編入試験でなくとも学園に入る方法を」
「なんだと!」
「はい。学園にある一般的なシステムのようです。編入に使われることは稀ですが、前例がないわけでもないようです」
やす爺。
さすが。
頼りになる。
「で、その方法は?」
「はい。食戟なる学園独自の料理バトルシステムで学園生に勝つことです。学園公認の審査員、両者の勝負の合意が必要とのことです」
「ほう・・・料理勝負か。雑魚そうな奴に勝負を挑めば楽勝か・・・」
「少々問題があります。この勝負ですが、双方同価値の何かをかけなければなりません。学園の入学と同価値となると、かなりの物になります。弱き者が勝負を受けるかどうかは未知数です」
「そこは考えよう・・・・だが面白い」
俺は思考の海に沈んでいった。
◆◇◆◇◆◇
その夜。
俺はムラムラしていた。
ベッドの上で体を動かせずにずっと寝ていたのだ。
そりゃ溜まる。
俺はオナニーをする。
勿論イメージは薙切えりなだ。
あの傲慢きちな体を凌辱するのが最高の娯楽だ。
すぐに快感が湧き上がる。
股間にエネルギーが集中する。
いく。
いく。
ドビュシュ
ザーメンが飛びちる。
やばい、ちょっと飛びすぎた。
俺はティッシュでふきとる。
徐に机の上のクッキーを食べる。
ん?
めちゃくちゃ美味い。
なんだこれ。
これまで食べた中で一番美味い。
どうなってる?
皿の上のクッキーを見る。
わずかに白い液体が付着している。
これは・・・俺のザーメン?
うげ!
胸をかきむしり、吐き出そうとする。
が、待てよ。
この味、あのクッキーの美味さの秘密。
俺は箱の中に入っている新しいクッキーを食べる。
バリバリ
普通だ。
普通の市販のクッキー。
これまで食べたものと同じ。
白い液体付きのクッキーを手に取る。
食欲をそそる絵ではない。
思い込むんだ、これは砂糖水。
そう砂糖水だ。
俺はクッキーを口の中にいれる。
美味い。
まるで全裸の美女天使に包まれるかのような快楽。
そう、オナニーで得られるような快楽に似たものがそこにある。
俺はバクバクとたべまくる。
バクバク
気づくと机の上のクッキーは全てなくなっていた。
俺はふと冷静になって空の皿を見る。
美味いクッキー。
俺のザーメン。
ニヤリ
ふいに頬が緩む。
来た。
俺の時代が来た。
ついに来た。
俺こそが天上一の料理人。
それになってやる。
待ってろよ、薙切えりな。
俺がお前を倒す。
次話は、明日の正午頃(12時)に投稿予定