現代の戦女神   作:A:suna

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これからは週一更新で行けたらなと思います。


疑問

「達也くんって四葉とどういう関係?」

 

 

ふっと立ち上がろうとした時にかけられた言葉、四葉と言う言葉に達也は驚きを隠せない。

いや、表面上では平静を保っているが内心は焦りや疑問ばかりだった。

なぜ突然に四葉の名前がててくるのか、なぜをそれを聞いてくるのか。

葵に対しての警戒心が強まる。

自分が四葉深夜の実の息子で妹に至っては次期当主候補の一人、そんなことを知っているのは四葉に関係するもの、その中でも限られているはずだ。

四葉が情報を漏らすなんてことはないだろうし葵が関係者とは思えない。

考えるに考えたが答えは出ない。

 

「……なぜ俺が四葉と関係があると決めつける?」

 

思いつきで四葉と関係があるのかなどと聞いてくるやつはいない。

何かしらの確信があって聞いていているのだろう。

達也は先ずその確信を聞こうとした。

 

「んー、質問に質問で返すのは関心しないなあ」

 

でもそっかー、とため息混じりにそう続けて言うと葵は立ち上がった。

 

「女の子の秘密を知ろうとするのはタブーだよ」

 

「それに達也くんも答える気ないよね?」

 

どこか優しい笑をうかべるとそろそろ時間だね、と言い入学式が行われる講堂へと歩き出した。

 

(柊葵…。どこまで知っている…?)

 

 

達也もそれに続いて講堂の方へと足を向ける。

はじめに声をかけられたときといい、葵への警戒が強まるばかりだ。

 

 

 

 

講堂へ入ると葵を見失った。

達也も態々警戒している相手と近くに座ろうなどとは考えていないため探すことはしなかった。

 

(もっとも差別意識を持っているのは差別されている側、か)

 

講堂内は一本の通路を隔ててステージの近くと遠く、つまりは前と後ろできれいに別れていた。

それは席だけではなく生徒も含めて。

明らかに前側には一科生、後ろ側には二科生となっていた。

この空気を壊して目立ちたくはない。

達也は後ろの方に空いていた席を見つけ腰を下ろした。

 

 

****

 

 

(やっぱ答えてくれないかー)

 

その頃の葵といえば再び生徒会室に来ていた。

達也の言っていた妹が気になっていたのだが講堂に入り最前列に座っていたら一科生の男子生徒にからまれた。

相当自分の力に溺れているのか、はたまた私が二科生だからなのか、とにかく見下したように話しかけてきた。

それだけならどうでもいいのだが兎に角煩くしつこかった。

おまけに下心もまる見えだったために徐々に怒りのボルテージが上がっていき、入学式が始まる前に限界が来てつい講堂から抜け出してしまったのだ。

手を出さなかっただけ良心的だと思って欲しい。

 

(深夜本人に聞けばいいんだろうけど絶対真夜もくるよなー)

 

(…あとで上田に聞いてみるか)

 

それにしても暇である。

まだ入学式が始まったばかりで終わるまで時間はかかるだろう。

真由美が入学式が終わってからと言っていた為まだ帰るわけには行かない。

 

(…寝よう)

 

葵はテーブルに伏してそっと目を閉じた。

 

 

****

 

 

どれくらい経っただろうか。

しばらくして葵が目を覚まし、眠気眼でいると目の前に誰かがいた。

 

「…だれ…?」

 

「それはこちらのセリフだ。新入生だろ?なぜここにいる」

 

「…生徒会長に呼ばれて…眠いからもう一眠り…」

 

「おい、寝るな!」

 

無視して葵が二度寝をしようとするとベルがなった。

 

『はんぞーくん私よ。開けてもらえないかしら』

 

この声に聞き覚えがあるが瞼が重く意識もはっきりしていないため誰か把握出来ないでいると目の前にいた声的に男であろう人がドアを開けた。

はんぞーくんと言うらしい。

 

「会長、この人を呼びましたか?」

 

ドアを開け真由美を見るとはんぞーくんとやらは葵を指してそう言った。

 

「え?ああ、呼んだわよ」

 

「なぜですか?」

 

はんぞーくんは不満げに真由美に問いかけていた。

 

「いろいろと聞きたいことがあってね。来てくれるとは思わなかったけれど」

 

「真由美入らないのか?」

 

入口で話していたためにつっかえていたようだ。

後ろから声が聞こえる。

 

「そうね、ごめんなさい摩利」

 

「摩利…?」

 

聞きなれた名前に葵は目を完全に覚ました。

 

「葵さん!はやいですね」

 

「…ちょっとね」

 

生徒会長と風紀委員長の前で入学式を抜け出したなどとは言えない。

 

「けどどこから入ったの?」

 

真由美が当然の質問をしてきた。

朝は摩利が入れてくれたために難なく入れたが生徒会に入っていない葵がどうやって入ったのか。

普通なら入れない。

 

「やだなあ会長さん。そこのドア以外に入口あります?」

 

それはそうなのだが誰でも入れるような部屋ではない。

生徒会室とは学校において重要な書類なども管理しているため関係者以外は入れないようになっている。

 

「じゃあはんぞーくんが入れてあげたの?」

 

となればもう一人部屋にいた関係者が入れたのかと思う。

 

「いえ、私が部屋に来たときにはもうすでにいました」

 

「じゃあどうやって…?」

 

こうも簡単に生徒会室に入られては真由美も焦りが出てくる。

真由美は柊葵という人物をまだ良く知らない。

生徒会室で何かされてはたまったものじゃない。

それを察したのか摩利が真由美に声をかけた。

 

「何も心配することはないぞ。葵さんの物欲は皆無に等しい。それに世の中知らないほうがいいこともあるぞ」

 

意味深な言葉に引っ掛かりはしたが摩利が言うのならば一先ずは大丈夫なのだろう。

だがこの言葉に別のところから声が上がった。

 

「物欲があまりないのは認めますけどその言い方だとまるで私が悪者みたいですね」

 

「事実そうだろう。勝手に入っている時点でダメだ」

 

摩利が焦って弁解しようとしているとはんぞーくんが私に言ってきた。

 

「お、おい服部!」

 

服部か。

はんぞーくんじゃなくて服部だね。

 

「それに一年生、それもウィードの分際で生意気だぞ!」

 

服部は私の胸の部分に一科生である証のエンブレムがない事を指し言った。

ウィードの分際で、か。

ああ、この人も二科生を見下しているのか。

 

「…うぅ…服部先輩酷いです…。確かに私は二科生ですけどそこまで言わなくてもいいじゃないですか…」

 

しばらく間をあけ、啜るような音と共にかすれ声を出しながら葵はかがんで俯いた。

 

「…え?」

 

「葵さん!?」

 

様子がおかしいため摩利が駆け寄り顔を覗いてみると葵は泣いていた。

 

「お、おい!謝れ服部!」

 

「あ、あのごめんな?別に泣かすために言ったわけじゃないんだ」

 

摩利に言われて慌てて服部は頭を下げた。

 

「大丈夫です…。私が二科生なのがいけないんですよね…」

 

のだが葵は更にネガティブになっていった。

これにはたまらず摩利も服部に加勢し葵を慰めようとする。

 

「葵さんのことはちゃんとわかってますから!葵さんの凄さはちゃんとわかってますから!」

 

「…ほんとう?」

 

葵の方が背は高いのだが今はかがんでいるため葵の顔が下にある。

葵は顔をあげ摩利の方を上目遣いで見た。

潤った目も合わさって普段見ない女の子らしい可愛らしさが出ていた。

それを摩利の後ろから見ていた服部は顔を赤らめながらそっぽを向き、間近で見た摩利は顔を紅潮させ咄嗟に葵の顔を胸にうめる形で抱きしめた。

 

「本当ですから!」

 

「…ありがとう」

 

葵も摩利の背中に手を回し抱きつくようにしていた。

 

だが参戦していなかった真由美は見てしまった。

摩利の胸に溺れる顔の口元、口角が上がっているのを。

 

(この子…)

 

 

 

 

 

(やるわね)

 

変な方向で感心していた。

 

 

閑話休題

 

 

「それで会長は私に何のようがあるんですか?」

 

皆人呼吸をおき、それぞれの椅子に座った。

葵は摩利の隣の空いている席に座っているのだが先程までのやりとりが嘘だったかのように平然としていた。

実際嘘泣きだったわけなのだが。

 

「柊さんについていろいろ聞きたくて来てもらったの」

 

「そうですか。答えられる範囲ならお答えしますよ」

 

さっきのやりとりの真相を知っている真由美はあっさりと許可されたことに少し驚いた。

いや、答えたとしても本当のことを話すとは限らないか。

 

「それじゃあさっそくだけれど質問させてもらうわね」

 

「まずは一つ目。摩利に剣を教えていたって本当?」

 

この質問に一番反応したのは服部だ。

服部も三巨頭に続く実力の持ち主と言われており、風紀委員長である摩利のことは近くで見てきているためその強さも知っている。

その人の師だと言われた人が一年生、しかも二科生などと言われては黙っていられない。

のだが先ほど年下の女の子を泣かせてしまったという罪悪感から口出しはしない。

無論、泣かせてしまったと信じて疑わないためがための罪悪感なのだが。

 

「本当ですよ。二年前に一ヶ月ほど千葉一門にお世話になりましてね。そこで摩利ともう一人、二人の師として暮らしていました」

 

真由美が摩利の方を向くと摩利は頷いた。

どうやら本当のことのようだ。

 

「それじゃあ二つ目。朝はちゃんと聞けなかったのだけど摩利にどの分野の模擬戦でも負けたことがないって本当?」

 

これも一番反応したのは服部。

剣のみならず武器を使わない組み手、更には魔法を使った模擬戦でも摩利が劣っているとなると相当の実力の持ち主である。

繰り返すが服部は何も言わない。

罪悪感がまだあるから。

 

「あれ?そうでしたっけ摩利先輩」

 

どうやらこれは当人が覚えていないみたいだ。

 

「そうですよ葵さん。というよりもあなた道場でも一度も負けたことが無かったじゃないですか」

 

「摩利先輩、敬語敬語」

 

摩利がまた恥ずかしそうに顔を赤らめた。

葵が覚えていないのならばここは摩利のことを信じておく。

だがその後の一度も負けたことが無いというのは気になった。

あの"剣の魔法師"の二つ名を持っている百家本流の千葉家にも劣らずにいられるというのはもう達人なのではないだろうか。

だがこれを聞いては頭を痛くする気がするから触れないでおいた。

 

「それじゃあ最後の質問ね。これが一番大事なのだけど…」

 

真由美はそこまで言うと息を継ぎ、間を空けて口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたはどうやってこの学校に入学したの?」

 




ぶれてきてますねー。

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