現代の戦女神   作:A:suna

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お久しぶりです。
活動報告の方にこれからの更新について載せておくので気が向いたら見ておいてください。

今回は短め、地の文多め、後半急にシリアスっぽくなります。


行く末

この世には『正義』と呼ばれるものと、それと対をなす『悪』と呼ばれるものがある。一般的には世のため人のためになる行為を正義と呼び、その逆は悪と称される。

だが実際に『悪』が悪いかと言われればそれは否であろう。悪側に属する人達も訳あって『悪』と呼ばれる行動をとっている。好き好んで行うやつもいるのだろうが人は基本的に何をするにも理由を求める傾向がある。逆に『正義』と呼ばれる側に属する人達は本当に『正義』であるのだろうか。人は一概に他人の本性を見抜くことなどできない。表では皆に評される行いをしていても裏では様々な汚れた事に手を出したりしているかもしれない。また、人によっては『悪』と呼ばれる人達を人として見ておらず、人外として扱っている奴もいる。これではどちらが本当の『悪』なのかがわからない。ただ一つ決定的に違うのは『正義』と『悪』の割合である。民主主義と言う奴だろうか、多数存在する方がより多くの人からの肯定を受けることとなりそれが『正義』とやらに繋がる。例え『悪』と呼ばれる人達が『正義』と呼ばれる人達よりも正しい行動をしていてもだ。

長々とスケールの大きい説明してきたが結論を言わせてもらうと"本当の意味での『正義』"など存在しないと思っている。この世に正しい事など存在しないのだ。

つまり何がいいたいのかというと、

 

「私は悪くないです!」

 

という事だ。

入学式をサボったのは悪いと思っているがそれにはちゃんとした訳がある。

だがこれを認めないのが『正義』と呼ばれる人達、この場合は生徒会だろう。

 

「でも入学式サボったのよね?サボったんでしょう?そうなんでしょう?」

 

悪い事を行えばどんな理由があろうと許されない。それが他人に危害を与えなくてもだ。今の有無も言わせまいという真由美がそれを体現してくれている。

世の中というのはなんと理不尽なものか。

 

 

軽い尋問のようなものを真由美から受け、結局ただのサボりと言う形で処理された。

 

その後、今度は風紀委員会からの事情聴衆があった。騒動を嗅ぎつけてやってきたのだからこちらが本題だろう。

真由美に怒られている間も話が進んでおり、話題は葵へと向いていた。これから、というところで真由美達がかけつけてきたために結果的に被害はゼロでありその場を収集させたのは葵ということになっていた。こちらは問題ではない、いや実際には一人の男子生徒に向かって魔法を行使しようとしていたため問題はあるのだが、本命は葵が使った魔法である。

 

「一科生達の魔法を受けても全くの無傷であったそうだが葵さんは何をしたんだ?」

 

一科生といえば個人の中身はどうであれ魔法科高校のエリート側に属する人達だ。それなりに魔法の扱いにも長けている。

 

「他人の魔法に関して聞くのはタブーなんじゃないの?」

 

葵しては此処で話す気はなかった。むやみやたらに手の内をさらけ出すものではない。

能ある鷹は爪を隠す、と言うやつだろうか。

 

「それはそうなのだが…いや、すまない」

 

それからは特に問題があったわけでは無いのでスムーズに話が進んだ。

結果的に言えば、今回の騒動の発端となった一科生の数名には何らかの処罰が下るそうだ。くだらない事でお先真っ暗なんてなってしまえば本当に馬鹿馬鹿しい。

 

「…以上だな。それでは今日は解散とする。今後このようなことが無いようにしろ。次はないぞ」

 

摩利のその一言により帰路につくこととなる。はずだったのだが真由美に捕まってしまった。

 

「聞いた話だと今日学校に来ていなかったみたいね」

 

傍から見ればとても良い笑顔で見るものを魅了するだろう。しかしこの至近距離は恐怖を覚える他ない。何しろ目が笑っていないのだ。葵にはそれが鬼面にしか見えなかった。きっとこれが"余罪が判明した"というものなのだろう。

 

****

 

「酷い目にあった…」

 

「自業自得だと思うがな」

 

他の生徒が帰ったあとからの説教のため今残っているのは葵、真由美、摩利の三人しかいない。摩利がいるのはただ付き合いでいてくれていたからだ。

 

「元気なのに初日から休む方がおかしいのよ」

 

正義、生徒会の長である真由美はこう言う。

 

(…ただ少し怯える葵さんが可愛かったからやり過ぎた気がしないでも無いけど)

 

正義があれば当然その逆も然り、悪を持ち合わせている。

清廉潔白、この言葉は存在する意味があるのだろうか。これは人の夢物語にのみ使うことができる言葉なのだろうか。

少なくとも邪な気持ちを持っていた真由美はそうではないだろう。

そんなことは葵と摩利が知るよしもないのだが。

 

「それで葵さん、やっぱり葵さんが使う魔法が気になるのだが…」

 

摩利はまだ諦めきれないようで、そわそわしている。

ついさっきも言ったことだがむやみやたらに見せるものでもない。

それに時が来れば嫌でも葵の魔法を見ることとなり、それだけではなくいつもの柊葵という仮の姿ではない本当の姿、神威を見ることになるだろう。

 

「そんなに急がなくても大丈夫だよ」

 

葵は沈みゆく夕日の方を向きながらも、どこか遠いものを見ているかのような目をしながら言った。

 

「そのうち見せてあげるから。さ、もういい時間だし帰ろうよ」

 

 

時が止まることは絶対にありえないし、ありえてはならないのだ。世界とは成長し、進化していく一種の生き物のようなものなのだから。

その過程で生物同士の意見のすれ違いなどから争いが生まれ、それが発展していくと戦争というたんなる殺戮行為までに至ってしまう。

自分達がやっている行為は醜いものだと理解するためにも世は回り続けなければいけないのだ。

 

(いつか争いが止む日は来るのかな)

 

いつの世も争いが止むことはない。だが争いの結末が如何に悲惨なものなのか理解している葵そうなる日が来ることを、心の中で願った。

 

―――来るといいな




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