ハイスクールD×D――転生者は傍観を望んだ―― 作:赤山大和
さて、堕天使達がこの町に集まっているという情報を得たのだが思いの外、平穏な日々が続いている。
イッセーの監視をしている三奈からは天野夕麻がイッセーに接触したとの報告があったが俺の方は変わらずにリリス達との研究や鍛練をしつつ休日を迎え、今は陽菜、葵、翡翠との買い物を楽しんでいる。
「やはり、平和が一番だよね」
いやー訓練とか研究で結構危険な目に遭うからこういう休日はありがたい。
まぁ、陽菜達美少女の中に男が一人のせいか周りからの視線が強いけど。
陽菜は腰まで届く長い黒髪に抜群のスタイル。凛とした雰囲気からお姉さまと慕われるような迫力のある美人だし。
葵は同じ黒髪でも髪は短く落ち着いた雰囲気で外見状は陽菜とは違う淑やかなタイプだ。実際には戦車の駒に相応しい超パワータイプなんだけどね。
翡翠はこの中で一番小さく、小学生とまでは言わないがとても高校生には見えない。長い綺麗な金髪のせいで少し目立っている。色々と苦労したせいか常に冷静で在ろうとしている。実際に葵と一緒にメンバーの暴走を止める役割になることが多い。
「リリス様と行っている研究は平和とは程遠いものですからね」
「同感です。あれは危険。」
研究対象が俺の神器から出てくるモンスターの為に日常的に戦闘してるからな。5つ星以上のモンスターには中級の悪魔よりも強いのが多いし何より光り属性のモンスターと俺達悪魔は相性が悪い。光りは毒だという事がよくわかる。
蒼い目の白竜さんや星屑のドラゴンさんは命がけで従えたよ。
「ふむ。私としては日常的にモンスターとの戦闘を行う研究や鍛練を楽しんでいるのだがな。」
陽菜はちょっと戦闘狂の気が。………ヴァーリに突撃とかしないよね?
「まぁ、鍛練が大切というのは分かります。私達もリリス達のお役に立てるように強くなりたいですから」
「それは私も同じです。強くなりたいですから」
「まずは自分の持ってる神器と人工神器をちゃんと扱えるようにならないとな。指環の方は問題なく使えるようになったみたいだけど神器の方はまだ禁手には至ってない分けだし。」
「いやいや、それが普通だからね禁手なんてなれるほうが珍しいわけだし。」
間違った認識してないかなこの子達。禁手に至れる人なんてめったにいなからね。それに、至りかけてはいるわけだし。
「それよりも今はせっかくの休日なんだし楽しもうよ。」
「そうですね」
「だな」
「とりあえず、何処に行きますか?」
「まずは映画って話だ。確か翡翠が見たいと言っていた映画があったろ?」
「はい。この『劇場番ビルドファイターズ。―スーパーロボット対リアルロボット―魔神参戦―』です」
翡翠が顔を上気させて話す。この子は普段は冷静に澄ましな顔をさせているが何気にロボットに対しては熱いものを持っている。
見たいと言っている映画も有名なロボットもの。特殊な空間の中でプラモデルのロボットに乗り込み戦うバトル物だ。
「ふむ。確かリアルロボットのプラモデルだけの世界に、スーパーロボットというプラモデルのファイターが侵略をするんだったかな?」
後半の方ではただのプラモデルが本物の世界に影響を与えて町とか破壊していたよな。プラモデルの戦士に変身するヒーロー物になってた気がする。
「はい。アニメでは『皇』と呼ばれるスーパーロボットを主人公達がレジスタンスのスーパーロボット達と倒すのですが、今度の劇場番では『魔神』と呼ばれるスーパーロボットが機神と呼ばれるロボット達を率いて侵略をするのです」
「私はスーパーロボットの『武神』が好きだったな。あれが仲間になる展開は熱かった。正直、『大紅蓮』との戦いで相撃ちとなったのは素晴らしい」
巨大な大剣と螺旋を描くドリルの衝突。大剣が海を割り、ドリルが天地を抉る戦い。あれは素晴らしいものだった。
「俺は『黒百合』かな。仲間を守る為に一人で敵の『冥王』に戦いを挑み、最後には冥王を道連れに自爆した時とか」
結局、冥王は倒せなかったけどな。それに、後で冥王の力を取り込んで新たな機体となって復活したけどスーパーロボット側になって主人公達と敵対したんだよな。
「あ、映画館が見えて着たぞ」
「ほんとだ。翡翠が言っている映画の他にも色々あるな」
「………何々、『劇場番スライムボール――伝説スーパーはぐれメタル――』『みつめてナイト―忍び寄るストーカー―』『アスラン戦記――キラとシンに愛されて――』変わったのばっかだな。」
「まぁ、予定通りビルドを見るのが無難かな?」
「そうだな。早速入ろう」
四人で映画を見た後はのんびりと食事をしながら映画の感想を言い合い、ゲームセンターに行ったり、陽菜達の服を買ったりと町を歩きながら久々に
充実した休みを過ごせている。
「あのアニメはリリス様や茜も好きでしたね。まぁ、ロボットを造ろうとした時は焦りましたけど。」
「実際に造ったしな。」
「ん。私の愛馬は狂暴。」
のんびりとくだらないことを話しながら街中を歩き回る。本当に平穏だ。皆と居られる時間はやはり楽しい。ただ、この楽しさに水を指すようにとても見たくないものを見つけてしまった。
それに最初に気付いたのは陽菜だった。続いて俺が気付き、結果的に全員が気付くことになった。一人の悪魔と堕天使の気配。
俺達の視線の先には悪魔である三奈がいる。そして、その視線の先には楽しげに笑う『兵藤一誠』と『天野夕麻』がいた。
今回、茜はリリスと一緒にリアスやソーナに堕天使やはぐれ悪魔のことを報告に行っている為に不在でした。