ハイスクールD×D――転生者は傍観を望んだ――   作:赤山大和

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7話

「さて、報告を聞こうか。」

 

 

三奈によるレイナーレ顔面殴打事件のあった翌日。俺はリリスに部室に出頭を命じられた。

 

 

「え~と、レイナーレがイッセーを殺害。召喚陣よりリアス先輩が出現してイッセーは無事にリアス先輩の眷属になりました。」

 

 

「それで?」

 

 

「………不本意ながら堕天使レイナーレと三奈が戦闘になりました。俺達は三奈を援護してレイナーレを撃退。レイナーレは重症を負い、教会へと帰還。俺達は深追いを避けて家に帰りました。」

 

 

「………ふむ。私の聞いた話では三奈がレイナーレを半殺しにした後、お前達が必死になってレイナーレを治療。生き残ったレイナーレを教会に捨てて逃げたと言うものなんだがな。」

 

一応、治療はできたんだよね。意識が戻らなかったけど。復活できるかはアーシアに期待。

 

 

「………見解の相違と言うやつです。それぞれの主観から見た事実が多少違ったのです。」

 

 

 

「ほう?主観の違いか」

 

 

「はい。」

 

 

「そうか。因みにお前と陽菜以外は素直に三奈がレイナーレを殴り倒した事を認めたぞ。」

 

 

だよね~。葵達はリリスに隠したりしないし。嘘とかつかないよね。わかってたさ。てか他の皆からは話を聞いた後かよ。

 

 

「はぁ~。まぁ三奈がレイナーレを殴り倒したのは確かですけどだったらなんで三奈に監視させたんですか?今回は死ななかったですけど三奈がレイナーレを殺す可能性だってあった訳ですし。」

 

 

それに誠二のことも放置していたし。あっちに対しては監視すらしていない。………何処まで原作通りに進行させるつもりがあるんだ?

 

 

自分達の存在は勿論、ソーナ会長や生徒会の人達に提供している物を考えるとな。俺はあんまり関わるつもりはないが三奈は望んでイッセー達と関わるだろうし。

 

 

「ん、三奈を監視に付けた理由か?それなら単純に監視が容易なのとレイナーレの生死がどうでも良かったからからだな。レイナーレが死のうが兵藤一誠がリアスの眷属になるのなら問題ないと判断した。少なくもレイナーレが兵藤一誠を殺すことを止めるとは思わないからな。」

 

 

「…………ついでに聞いときますけど何で誠二のことを放置しているんですか?あれは原作に介入する気ですしレイナーレに手を出していたら面倒なことになったと思いますよ?」

 

 

「あれがレイナーレ達と戦ったとして勝てると思うか?レイナーレ1人なら倒せないこともないだろうが、他の堕天使達が手を出せば返り討ちに会うだけだろうな。」

 

 

誠二の評価は低いからな~。能力的には木場よりも少し上だと思うが経験が不足している。四人の堕天使をまとめて相手に出来る実力はないな。

 

 

「確かにそうですね。単純な戦闘能力ならともかく精神的には脆いですし。光の槍なんて食らったらそれだけで戦闘不能になるでしょうし。」

 

 

軽い怪我で泣き叫ぶ姿が簡単に思い浮かぶ。原作でイッセーは光の槍に両足を貫かれた後も戦い続けたが誠二にはできない。戦う力はあると思うけど戦える力はないんだけどねあれは。

 

 

「あれは痛みに対する耐性がないといっていい。仮にも戦いを知る堕天使が、能力が高いだけの意志も無ければ覚悟もない存在に殺られはせんだろう。」

 

 

原作のイッセー達なら多少切られたり焼かれたりしても戦い続けられるけどあれはそうじゃないならな。

 

 

俺達は訓練や実戦で傷を負いながら戦う事があるから多少の怪我をしても戦い続けられるし、リリスの創った薬を飲めば痛みを無視して戦う事が出来るから問題にならないけど。

 

 

「ま、そうなるでしょうね。誠二が眷属になった当初はリアス陣営のパワーアップを喜んだんですけどね。」

 

 

リアス達に強い仲間が出来て自分が戦いに巻き込まれるリスクが低くなるなら多少は原作と異なる流れでも良いとすら思っていた。

 

 

コカビエルとか旧魔王派とか禍の団との戦いは、リアスやソーナ達を中心に対処して貰って、自分達は最低限の自衛で済ますというのが俺の理想だし。

 

 

 

「私もだ。戦いに備えてはいるが少しでも楽に戦いたいからな。陣営の強化は望ましい。だが、あれではな。ある程度は原作通りに進めて兵藤一誠を中心にリアス達を強化する方針にすべきだと考えを改めた。」

 

チートな転生者が無双してそれを傍観しているという方向が良かったんだけど。

 

 

「ですね。そして、イッセーを強化する以上、現状ではリアス陣営は弱いほうが望ましい。だからソーナ陣営の強化をしてもリアス先輩達は強化していない訳ですし。」

 

 

誠二の加入で多少は強くなったとは思うがそれでもライザーとのゲームで勝てる程ではないし。イッセーもライザー戦で強くなるはずだ。

 

 

「実際にリアス陣営の実力は誠二のことを除けば原作通りだろうな。まず間違いなくライザーには勝てない。コカビエル戦辺りまでは流れに大きな狂いは出ないだろう。出たとしてもある程度は修正出来るだろう。」

 

 

修正か、レイナーレを殺していた場合でも出来たのか?

 

 

「因みに、レイナーレが死んでいた場合はどうしたんですか?」

 

 

「お前に『ダーク・ヴァルキリア』辺りを召喚させて代役にしたな。姿形は幻術でレイナーレと誤認させれば良い。本人よりも弱くなるがそれは装備魔法等で調整出来るだろう」

 

 

ん~まぁ可能だね。でも一芝居打つのが面倒臭そうだし死なくて良かったと思うね。

 

 

「それで戦ったとして『赤龍帝の籠手』が出てきますかね?」

 

 

「出てこないなら出てくるまで戦わせればいい。モンスターに何度も襲撃されれば目覚めるだろう。」

 

 

その襲撃って俺のモンスターが殺るんですよね。うわーめんどくさ。イッセー頑張れよ。レイナーレ戦でしっかりと目覚めてくれ。

 

 

「まぁそちらのことはもう良いだろう。とりあえず次の仕事だ。私は今日の放課後に今回の件でソーナ達の元へ行く。お前は私の護衛の一人として同行しろ。」

 

あ、怒られないのか良かった。

 

 

「わかりました。では放課後に」

 

 

 

「予定では4時頃に生徒会室に向かうつもりだ。あまり遅れるなよ。」

 

 

「はい」

 

 

 

 

 

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