ハイスクールD×D――転生者は傍観を望んだ――   作:赤山大和

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8話

駒王学園生徒会。

この学園の『表』の生活を支配するシトリー家の次期当主とその眷属の集まりであり、平和な学園生活を送るため日中動き回っている人達。

 

敵ではないし寧ろ友好的な関係を築いている相手であり、俺達リリスの眷属はリアス達よりも高い評価している。

 

その彼女達の拠点である生徒会室に、リリスと一緒にその護衛役である俺と茜はお邪魔している。

 

 

「忙しい所、悪いなソーナ。」

 

 

リリスの座る椅子の対面にはソーナ先輩が座り、その後ろには副会長の真羅先輩が控えている。今回は『王』同士の会談。俺と茜は従者として控えている。

 

「いえ。貴女が人払いをして会って欲しいなどと言うからにはそれなりの用があるということでしょう。」

 

 

ソーナ先輩はリリスをキツい目で見ている。厄介事の気配を感じているのかも知れない。

 

この学園を愛し、この学園の平和を守ろうとしているソーナ先輩に対して俺達の要件はよろしくないモノだしな。

 

 

「いや、実際にはソーナの眷属達には隠す必要性は無いかった。人払いを頼んだのは2つの話しを聞いた眷属達が騒ぐのを避けたかったんだ。」

 

 

「2つですか」

 

 

「ああ。1つはこれだ。」

 

 

リリスが鞄から箱を取りだして、受け取ったソーナ先輩が箱を開くと7つの指環が入っている。

 

 

「これは……。以前頂いた魔道具ですか?」

 

 

 

「以前渡した物の改良版。前のよりも出力も強度も向上している。」

 

 

リリスがソーナ先輩に渡した物は魔力と意志を炎へと変換。その炎によってそれぞれが特殊な力を発するという魔道具。ぶっちゃけ『ボンゴレリング』。

 

 

「………良いのですか?以前の物もそうでしたが少なくも下位の神器に匹敵する力がありますよ。」

 

 

 

「ああ構わない。此方としても自分達が創った魔道具のモニターをして貰っているしな。それにソーナには面倒な仕事や私達の仕事を押し付けているからな。……まぁ、これからも迷惑をかける予定なのでその迷惑両だと思ってくれ」

 

 

 

「わかりました。ありがたくいただいておきます。」

 

 

実際にこれは自分達の為なんだよな。ソーナ達が強くなればそれだけ此方の負担が軽くなるし。

 

それに元々この指環は陽菜の持っている物の劣化コピー。俺の魔法カードやリリスの能力を使用して神器の複製実験を行った過程でできた棄てても惜しくない品の1つだし。

 

 

「しかし、貴女は何故これをリアスに渡さないのですか?これがあればリアスの眷属達も強くなると思うのですが?」

 

 

いやいや、これはリアス先輩達には渡せないから。下手にリアス先輩達の強化するつもりはないんですよソーナ先輩。

 

 

「はっきり言って、今の姉とその眷属には渡せないな。これを使う前に先ずは自分の本来の力を使いこなせるようになってもらいたい。特に朱乃と子猫はな。この力を使えるようになって自分の本来の力を使う必要がないとでも思われたら最悪だ。」

 

 

先ずは堕天使の力と猫又の力を使えるようになること。リリスが人工神器の作成をしていることはリアス先輩も知っているし、興味も持っていたがこれを理由に渡す事ははっきりと拒絶した。

 

ソーナ先輩はその辺の事は知らなくても朱乃や子猫の事は知っているせいか渋い顔をしている。

 

 

「厳しいわね。」

 

 

「私が厳しいと言うより姉が甘いだけだ。」

 

 

ため息が出ている。リアス先輩と姉妹として生きて色々と思うことがあるのだろう。既に陣営を整え始めているソーナと陣営ががらがらなリアス陣営。リアスとソーナはライバルの関係なのに差がついてしまっている。

 

 

「それより、ソーナ。」

 

 

「何ですか?」

 

 

「気付いていると思うが兵藤一誠が悪魔になった。」

 

 

「………成る程。それがもう1つの用件ですか。確かに学園内に悪魔が増えたことは気付いていました。貴女かリアスの新しく眷属なのかと思っていましたが。」

 

 

「兵藤一誠は姉の新しい眷属だ。堕天使に殺された兵藤一誠を悪魔に転生させたらしい。」

 

 

堕天使に殺されたと聞いてソーナの顔が引き締まる。学園の生徒が殺された訳だしな。

 

 

原作で『学園の平和を乱す者は人間であろうと悪魔であろうと許しません。』と言っていたし、ソーナからすれば学園の平和を堕天使が乱したととれる。

 

 

「それは本当ですか?」

 

 

「本当だ。どうやら兵藤一誠は神器を持っているらしくてな、それを危険視した堕天使が兵藤を殺害した。それを姉が悪魔に転生させた。」

 

 

「詳しい教えて貰えますか?」

 

 

「私自身、彼の妹である三奈から報告を受けただけだからそこまで詳しい訳ではないな。分かっているのは兵藤を悪魔に転生させる為に複数の悪魔の駒が使用されたということや本人にはまだ悪魔になった自覚がないということだな。後は堕天使達が何らかの目的を持ってこの街に集まって来ているということくらいだな。」

 

 

「………今回の件。貴女はどうするつもりですか?」

 

 

「私達は傍観させて貰うつもりだ。堕天使が殺した兵藤一誠は姉の眷属となった。そして兵藤一誠は堕天使達に復讐する権利がある。出来るならソーナも傍観して欲しい。堕天使と戦うかどうかの判断は姉に任せたい。」

 

 

ソーナ先輩が難しい顔で黙り込む。自分の眷属を殺した相手に対し『王』としてどう行動するのか?

 

 

殺された時に眷属だったのなら間違いなく報復する。一誠は眷属ではなかった訳だが、自分の眷属を堕天使は一度殺している訳だ。眷属が堕天使に殺されていましたなんて気分の良いものではない。

 

 

今回は学園の外での出来事だし、ソーナもリアスに任せるだろうが抑えて置きたい。

 

 

原作では動かなかったがソーナの眷属に学園の生徒が堕天使に殺されたと教えたら何らかの動いをする可能性が高い。というか原作ではよく動かなかったよ。『堕天使に学園の生徒が殺された。』なんてソーナ達に喧嘩売ってるようなものだし。

 

 

堕天使陣営との争いを避ける意味では喧嘩を買うわけにはいかないだろうが。

 

 

「解りました。今回の件、私達シトリーはリアスに任せるわ。」

 

 

「感謝する。善かったら今度、小西屋で奢らせてくれ。」

 

 

「あら、なら私だけではなくて眷属の子も一緒に奢って貰おうかしら。」

 

 

「それくらいなら喜んで。なんならトッピングを全部つけたうどんでも構わないぞ。」

 

 

「それは私も試した事がなかったわ。お言葉に甘えさせて貰おうかしら。楽しみにさせてもらうわ。」

 

 

面倒な話しが終わった後は和やかに雑談をして生徒会室を後にした。無事に終わってなにより。

 

 

次のイベントはアーシアかなぁ。その前にドーナシークの襲撃が会ったか。細かい部分の記憶が大分曖昧になってるな~。

 

 

 

まぁ頑張れよ主人公。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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