不良八幡の学校生活   作:雨雪 東吾

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ポケモン楽しすぎか!?


夏の球技大会 12

 どうあがいても勝ち目のない勝負かもしれない。それでも戦う意味はあるのだろうか?

 

 物語の主人公というものは常にギリギリの戦いを強いられるものだ。そうじゃないと面白くないからな。最近のラノベはその限りではないが・・・まあ、結局主人公は勝つのだ。勝ってしまうのだ。作者の意図通りの道筋を描いて。

 

 さて、夏の熱気に参ってはいたのだが、さらには神庭とテニスなんてものをしたばかりに俺の体は既に満身創痍。にもかかわらず時間というものは止まるということを知らずに刻一刻と針を進めるものだ。俺に体力を回復させる余裕を与える間もなく。そんな俺に勝利を得ることはできるのだろうか。否、何かの主人公でも無い限りは不可能だろう。そして俺は無駄な戦いをする意味はないと思う。よって最後の手段を行使しよう。そう対戦相手の弁当に下剤を・・・

 

「あ、おい! あいつなんとかしてくれ! 同じ部活だろ!?」

 

 なんてことを考えていると慌てた佐伯が前方に現れる。顔を真っ青にし、冷や汗を出している姿を見ると、いつぞやの自分を見ているようで懐かしさと涙がこみ上げてくる。

 

 こいつは何故こんなにも慌てているのだろうか。その由は彼の後方を見ずともわかっていた。俺と同じ奇特な部に籍を置く物など二人しかおらず、ましてやこいつが俺以上に恐れる人間などこの世に一人しか居ない。

 

「あら、どうして逃げるのかしら。あなたのためを思って私は行動しているのだけれど」

 

 そういえば依頼としては奉仕部で受けたんだった・・・。当然こいつや由比ヶ浜も佐伯を助けようと動くことは言うに及ぶまい。しかし何でこいつは怯えて・・・おい待てその手に持っているものは。

 

「早くこの下剤を飲みなさい。夏風邪とでも言っておけば本気を出せない理由としては上々でしょう?」

 

 同じ発想かよ! 俺と雪ノ下が違うところは対象と合意の上で飲ませるか飲ませないかではあるが。

 

「いややめてやれよ。学校でなんてものを・・・。下手してトイレから出られなくなったらあだ名が酷いことになっちまうぞ」

 

「その小学生的発想を瞬時に思いつくあたり、経験がありそうね」

 

 流石雪ノ下。他の人なら気づかないし、気づいても気を遣って言わないことも平気で言ってくれるぜ! さっきこらえた涙が出てきそうになるから止めて欲しい。

 

「流石に下剤は止めてやれよ」

 

「それでも休みたいと依頼したのは彼なのよ? 私たちにはそれを遂行する責務があるんじゃないかしら?」

 

「・・・お前は一つ勘違いしていないか? 依頼者の意向を蔑ろにしてまで果たすことじゃないだろ?」

 

「・・・じゃああなたは何か方法があるっていうの?」

 

「一応、な」

 

「ならその手腕、見せてもらおうかしら」

 

 危機を脱した佐伯ではあるが、おそるおそるこちらを見る。落ち着くとやっぱ俺の人相は怖いらしい。

 

「俺の試合、見に来いよ」

 

 あれほどの啖呵を切ったんだ、これで解決できなかったら雪ノ下になんて言われるか・・・、でもできるはずだ、多分、できればいいなあ。

 




ニコニコの方で色々やっていたらポケモン再燃してこんなに遅れてしまいました。

ポケモンのモチベ高すぎてデレステ投げ捨てるレベルです。

さらに学校の課題もしなければならないのです誰か助けて。

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