休みが終わってしまった。土曜日午前がクッキー作りに費やされたしまったから実質俺の休みは一日半。睡眠に丸一日使ったせいで、勉強とアニメを徹夜で消化しなけらばならなかった。そのせいで今ものすごく眠い。
授業は既に主要科目は終わり、残すところ家庭科とLHRのみ。もう昼食を食べることすら面倒だ。ベストプレイスに移るのも億劫だし、もう今日は寝よう。
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「・・・谷君」
何か高い声がする。ただ俺に人が、ましてや女が話しかけてくることはまずない。つまりこれは夢だ。
「・・・企谷君!」
声が一段と大きくなる。はあ、未だに俺はこんな希望を持ってんのか。溜息をつきたくなるな。
「・・・比企谷くん!」
グラリと体が揺れる。それと同時に甘い香りが鼻腔をくすぐる。なにこれ超いい匂い。妄想が具現化するとは俺の妄想力もここまで来たか・・・。
パチリと目を開くとそこには二つの大きな目があった。ジャージ姿のそいつには若干の既視感があるが、思い出せない。
「・・・誰?」
「と、戸塚彩加です。一応同じクラスなんだけどな、あはは・・・」
まあ妄想の具現化なんてありえねえわな。それでなんだ、かわいらしい顔で俺を陥れようってか? 高校じゃあなくそうと努力してきたんだがな。いやまだだ。まだ防げる。
「なんか用かよ」
可能な限り戸塚を敵視するような視線を向ける。睡眠不足も相まってさぞかし怖かろう。
「あ、起こしちゃってごめんね。同じ班になったことを伝えとこうと思って」
比企谷八幡のにらみつける! しかし戸塚彩加には効果が無かった。どんだけ俺弱者に見られてんだよ。初代のファイヤーじゃあるまいし・・・。
「何の班?」
「遠足。もう一週間後だよ」
ああ、そうだった。親睦を深めようとかでこの時期にやるんだったな。俺に不要すぎる。まあ休むわけにもいかないし、適当にこいつの班の後を着いていけばいいだろう。いつもやっていることだ。今更御託を並べる必要もない。
「それと平塚先生が職員室に来いって。もう帰りのST終わって時間たってるから早く行った方がいんじゃない?」
そういや今日班決めだったからあの人いたのか・・・。いつも通り自習のつもりだったのが失敗した。くっ、あの人が担任なことが悔やまれるぜ。他の奴なら軽くいなす自信があるが、平塚先生は一筋縄じゃあいかねんだよな。さすがAランクだぜ・・・。なに、平塚先生アイドルなの? 違うな。ファンは多そうだが。
「わかった。態々どうも」
まあ感謝くらいはしとかないとな。俺みたいなの班に入れられて、起こすことまで頼まれてそうっぽいし。それよりさっさと行かないとあとで面倒そうだ。
あ、どっかで見たことあったと思えば、テニスコートで昼休み中素振りしてるやつか。
由比ヶ浜の一人称は”あたし”らしいので直してきました。ですが、これからも間違えそうなので、注視していただけるとありがたいです。