誰が為に征く   作:駆華野 志想之介

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お久しぶり……です?
今回は長くなってしまったので話を二つに分けております。
また、今までは原作片手に書いていたのを、今回は完全オリジナルとなっており、至らぬ点のオンパレードです。
そこのところご了承ください。

くりっく?
くらっく!


立ちはだかる者

 

side––––レイ

 

カウントダウンが終わり、宙空に《DUEL》の文字が表示されると同時に、わたしはミトに向かって一気に距離を詰める。

中段上構えからの足下への突き。半歩下がって避けるミト、槍を振り上げて追撃するも太刀で左にいなされる。勢いを殺すことなく石突きでの右殴り、斜め上に逸らされ、ミトが急接近してくる。

袈裟懸けに振るわれる太刀を后段でなんとか防ぐ。お互いの顔が近づき、わたしたちは笑みを浮かべた。

ああ、久しぶりだなあ。

今まで、ミトと模擬戦を行う機会をことごとく逃していた。それが二十五層になってようやく、ようやくだ。

つい先日二十四層のボスが討伐され、ここに至ってミトとの模擬戦に漕ぎ着けた。

現実で稽古に付き合ってもらったのはかなり前のことになるし、まずミトとがわたしの稽古中にいてくれることが稀だった。

できれば終わってほしくないと思いつつも、ミトの攻撃は次第にわたしを捉え始めている。

元来ミトの戦い方は攻めが主体だ。手元に入り込まれないように息つく間もなく放たれる連撃は、確実にわたしの防御を揺るがしていく。そして遂に防御が緩むといったところでわたしは攻勢に出ようとする。

放たれる突きを右にいなし、下からの切り上げを繰り出す。

しかしそれよりも早く、わたしの首元に刃が突き付けられる形で寸止めされていた。

対するわたしの槍の穂先は、ミトへと向かうはずだったが、前進したことによって躱され、空を切っていた。

 

「はぁ……楽しかった! リザイン!!」

 

途端に、わあぁ!!!!と歓声と拍手が巻き起こる。

ボス戦終わりにミトに声をかけていたので、その場にいた攻略メンバーはもちろん、アルゴさんなんかが下層プレイヤーたちにも情報を回していたみたいで、決闘場所となった二十五層主街区の広場には人が大勢集まっていた。

口笛や拍手が響く中で、太刀を鞘に収めるミトが呆れたように口を開いた。

 

「俺らの決闘なんざ見るのに、何でこんなに集まるかね」

「仕方ないよ、ミトの動きから少しでも学ぼうって人がたくさんいるから」

 

言っていなかったけど、ミトは様々な武器を使いこなすことができる。

《剣技》こそ使わないけど、高いレベルで繰り出されるミトの武器の扱いを見ようと、決闘を見にくる人は多い。

決闘指導、とでも言えばいいのかな。それを始めたときに来ていたクラインさんは、今ではエクストラスキルの《カタナ》をアインクラッドで所有するプレイヤーの二人目となっている。

そしてなんと二十層の時点で、パーティメンバー五人とともに前線から少し下の層まで登ってきていた。この分なら近いうちに前線組に入ることも夢じゃないだろうね。

 

「動きはだいぶ良くなった。あとはより早く動けるように、攻撃の流れを仕上げろ。……一つ一つの動きは良かったぞ」

 

最後に、以上だ。と告げると、ミトは見学していたロアを連れて昼食を食べに行くらしい。

 

「ありがとうございました!!」

 

そうお礼をして、わたしもご飯を食べようと思ったところで視界端にメッセージを知らせる音ともにアイコンが表示された。

どうやら前線組に向けての一斉送信らしく、目の前のミトとロアもメッセージを見るそぶりをしている。

内容はシンプルだった。

 

『本日午後五時を予定していた二十五層ボス攻略会議を、間も無く正午に行う』

 

まだ全容が把握できてないので何も言えないが、ひとまずは会議場所である広場へと向かうことにした。

 

 

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side––––キリト

 

「……偵察隊が、四人も!?」

 

俺の隣で驚きを隠せない様子で、アスナは口元に手をやっていた。

二十五層ボス攻略会議の会場である広場には、急ながらも危機を感じ取っていた攻略集団が全員集まっていた。

そんな中でリンドが壇上に立ち、重々しく口を開いた。

話によるとキバオウ率いる《ALS》はボス部屋を発見後、リンドたちの《DKB》と話し合い、少数の偵察隊を結成。

二十五層ボスの方偵察を行なった。

結果は先ほどのアスナの言葉通り。十二人いた偵察隊のうち四名が死亡。この事実がこの場にいるプレイヤーたちを驚愕させていた。

今までの攻略では、第一層でのディアベルの死からは誰一人として死亡したものは出ていない。

それがここにきて、しかも偵察で死者が出てしまった。

皆、自然と顔が険しくなり、これからどうするのかという視線を、壇上のリンドとキバオウに注いでいる。

 

やがて今回のレイドリーダーであるキバオウが立ち上がる。

 

「今回わいら《ALS》は全戦力を挙げてボス戦に挑む。……ようやくや、ようやくこの城も四分の一まで来た。死んでしもうた仲間の無念は、ウチらが晴らさなあかん」

 

キバオウはゆっくりと拳を突き上げ、それに呼応するかのように、集団の最前列にいた《ALS》のメンバーが拳を振り上げる。

 

「ボスを、絶対に倒すでえ!!」

 

湧き上がる歓声、響く雄叫びの中で俺は一人壇上の男を見つめていた。

容姿も声も、性格すらも違うが、俺にはこの時、キバオウの中にあの青い騎士を見た。

 

 

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side––––キリト

 

ボス部屋にレイドメンバー全員が突入を完了させるのに遅れ、重厚な扉が閉まる音が静かな室内に響いた。

それと同時に円形の壁に沿うように地面に火が走り、さながら闘技場のようだ。

燃え盛るの炎が円を結んだ箇所で大きく火が上がり、その空間が歪む。初めは一つの黒いキューブのようなものが空中に現れ、それが次第に増えていき、巨大な人形を象った。

完成とともにキューブが砕け飛び、中から現れたのは、全身を黒と白の鎧に身を包んだ騎士のようなモンスターだった。

《The Threshold Guardian》頭上にそう名前が表示されたボスは、手に持つ巨大な両手斧をフロアの床に突き刺すと、その名の通りに二十六層へと続く階段を守るように立ち塞がっていた。

逃げ帰った偵察隊が言うには、《シュレスホールド・ガーディアン》は最初、得物である両手斧を使うことはなく肉弾戦を仕掛けてくる。

その証拠にやつは今身を屈めて、さながらスタートダッシュの体勢をとっていた。それを見たキバオウがすぐさま全体に指示を出す。

 

「情報通りの突進やで。A隊、防御陣形や!! 初手は必ず防ぐで!」

「「「うおおおお!」」」

 

野太い雄叫びを挙げ、屈んだ体を隠すほど巨大な盾を持ったプレイヤー(名前は確か、バックス)を筆頭に、《ALS》の壁隊が最前列で防御の構えを取る。

その時すでに走り出していたボスは、右肩を突き出して、タックルをするかのようにこちらに突っ込んでくる。

壁隊の後ろにいては危険だと感じたA隊以外のレイドメンバーは急いでその場を離れる。

そしてついにボスの初撃のタックルが壁隊の盾と激突した。

甲冑と盾のぶつかる音が響き、同時に火花が大きく散る。攻撃の威力は凄まじいようで、壁隊のリーダーであるバックスを大きく押し込んだところでゆっくりと止まった。

それを見て俺たちは驚きを隠せないでいた。ボスが壁役プレイヤーを押し込んだこともそうだが、それを防いで見せたバックスのHPが二割程削られていた。完全防備である壁役プレイヤーのHPを、だ。

恐らく防御の低い俺やアスナ等が喰らえばひとたまりもない。レッドゾーンまでならまだいいかもしれないが、最悪全損ということもある。

動きがほんの僅か止まった隙をついて、控えていた攻撃隊が《剣技》を発動させる。

運良く誰かの攻撃が状態異常のスタンを成功させたようで、数秒間ボスの動きが止まる。そこへさらに《ALS》が苛烈な攻撃を仕掛け、それに遅れまいと《DKB》も攻撃に加わる。

 

 

「すごいな《ALS》の連中、今までとは気迫が違う。全戦力投入は本当ってことだな」

「やっぱり、全体の四分の一だから?」

 

そう問いかけてくるアスナに、俺は素直に首を縦に振れないでいた。

アスナの言う通り、四分の一まで来たのだ。しかし、それと同時に警戒を厳にしなくてはならない。区切りのいい層のボスは、他の層のボスに比べて危険である可能性がある。

第一層の《イルファング》や、第十層の《カガチ》がそれにあたる。どちらも通常の階層に比べて危険な相手であった。

それを踏まえれば、全体の四分の一などというわかりやすい場所のボスが、そう簡単に力押しで倒せるはずがない。

誰もが慎重に行動する中、唯一《ALS》は果敢にボスに挑んでいた。

 

「……アルゴが言っていたことは、あながち間違いじゃないかもな」

 

俺の呟きに反応したアスナが、ぴくりと眉をひそめる。

 

「それって、彼らがボスの弱点の情報を持っているかもっていう」

「ああ……」

 

 

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side––––キリト

 

今から数日前、アルゴに呼び出された俺とアスナは、二十層に存在する小さな喫茶店で向かい合っていた。

そこでアルゴから聞かされたのは、《ALS》がボス戦で有利に立ち回れる情報を手に入れたという話だった。

しかし、アルゴ自身確証があるわけではなく、《ALS》のプレイヤーが話していたのをたまたま小耳に挟んだというもので、あらゆるクエストを調べていく彼女自身は何の情報も持ってはいないのだ。

 

「気をつけろヨ、キー坊にアーちゃん。もしかすると今回のボス戦、大きく荒れるゾ」

 

別れ際にそう言うと、情報屋は振り返らずに店を後にした。俺たちは無言で座ったまま、バタンと閉められた扉を見つめることしかできなかった。

 

 

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side––––キリト

 

ボス戦が始まってからすでに三十分が経過していた。その間にボスのHPバーの一段目が削り取られ、《ガーディアン》は地面に突き立てていた両手斧を手に持ち、振り回していた。

遠心力の乗ったその一撃は攻撃隊のHPをいとも簡単にとイエローゾーンまで突入させるが、《ALS》の壁隊が必死に食いついて受け止める。時折防ぎきれなかった攻撃を、遊撃隊のロノミアが弾く形で、現在のところ死亡者は出ていない。

攻撃隊はというと、《ALS》と遊撃隊が勢いづいており、《DKB》のメンバーは完全に遅れをとっていた。

しかし彼ら《DKB》は今までのように対抗心を燃やして突撃を仕掛ける、などということはなく。リンドの指揮の下、虎視眈々と隙を伺っていた。

壁隊が攻撃を受け止め、弾く。その隙をついて、後ろに控えている攻撃隊か《ガーディアン》に攻撃を加える。

途中何度か壁を突破されることはあった。

しかし、その度にすかさずフォローが入れられ、甚大な被害が出ることはなかった。

……だからこそ油断していたのだろう。下手を打っても死ぬことはないと。壁隊の近くにいれば自分は死なないのだと。

 

「馬鹿野郎! 前に出過ぎだ‼︎‼︎」

 

俺と同じ遊撃隊のミトが、荒々しく声を上げる。ミトの視線の先、現在ボスに一番近い《ALS》壁隊のすぐ後ろ。同じギルドの攻撃隊の二名が、壁隊の後ろではなく前に出ていたのだ。

 

「あっ……」

 

すぐそばにいるアスナが、息を呑む声が聞こえる。

おそらくあの二名は、慢心していたのだろう。ここまで来てほとんど危機に晒されない自分たちに。壁隊に守られているからこそ、彼らのHPは減ることなく、攻撃できていたというのに。

わざわざ目の前に出てきた獲物をみすみす逃すほど、モンスターは甘くない。己が得物である両手斧を振りかぶり、今まさに振り下ろさんとしている。

自分たちに迫る脅威にようやく気づいた二人だが、恐怖からかうまく動けないでいる。

壁隊は急いで彼らを守ろうとするが、彼らの《AGI》では到底間に合わない。

誰もが手をこまねいているなかで、振り下ろされる大斧はやけにゆっくりに見えた。

その時、俺はある違和感を覚えていた。見間違いかもしれないが、斧の柄の刃の部分がわずかにガタついているような…………。

 

「あ、うわああぁぁぁあああ!!??」

 

突如として発せられた悲鳴に、俺は逸れていた思考を引き戻した。

悲鳴をあげているのは先ほどの二人のうちの一人だ。もう一人はどうしたんだ?

そう思って目を凝らせば、振り下ろされて地面に食い込んでいる斧の先に、プレイヤーの手が見えた。

 

「う……うそ、そんな……」

 

アスナが思わずといった様子で口元に手を当てている。俺も冷や汗が体から吹き出ているかのような感覚がある。それと同時に、背中に冷たくのしかかるようなこのおぞましい感覚。長く忘れていた、死––––––––。

 

––––パリン。

 

まるでガラスの割れたような軽い音。音の発生源はボスが振り下ろした斧の先。

先ほどまで見えていたプレイヤーの手は無く、代わりに青く煌めくポリゴン片が宙を浮いていた。

そこで俺はようやく状況に理解が追いついた。

 

「……ッ、逃げろ‼︎‼︎」

 

隣にいたプレイヤーがポリゴン片となって消えていく、つまりは死んでしまったことを呆然と見つめる男に、《ガーディアン》は両手斧を水平に薙ぐ。

 

「––––あ、え?」

 

迫る斧に気づいた時には既に遅く、男の首から上は宙を舞っていた。

第一層以来出なかった、ボス攻略での死亡者。それが目の前でいきなり二人も出たことに、誰もが驚愕に包まれており、その場から動けないでいた。

そんななかでいち早く動いたのはミト、ロノミアだった。

 

「一度壁際まで退がれ、固まってると死ぬぞ!」

「死なないために、態勢を立て直してください!」

 

二人の声に打たれた者たちは、我先にと壁際まで走り出した。

《ガーディアン》はそれを追うように、両手斧を構えて走り出す。

誰も阻む者がいなくなったことで、最初のように突進を仕掛けようとするボスの前に、大盾を持ったバックスが雄叫びをあげながら飛び出した。

雄叫び、もとい威嚇スキルの《ハウル》を受けたボスはヘイト対象を大盾のプレイヤーへと向けた。

振り下ろされる斧をしっかりと防ぎきった隙を突き、ロノミアが単発振り上げ技《ヴォルガング》で斧を弾き飛ばし、ミトががら空きとなった胴体、鎧の隙間に攻撃を与える。

ほんの数分の短い攻防が繰り広げられるなかで、レイドは完全に息を吹き返した。

まず駆け出したのは俺たち遊撃隊。その中で一番の《AGI》を持つセンが先行し、《ガーディアン》に向けて《投剣》スキルの《シングルシュート》を放つ。

鬱陶しげにそれを払いのけたボスの足元で、レイが鎧の隙間に重単発技の《シア・べフメタ》を放つ。

足元のレイを叩き潰さんと振り下ろされる斧を、ロノミアが再び弾き返す。

そこに到着した俺とアスナを加えた五人での一斉攻撃。

ボスのHPをガクンと減らしたところにレイド本隊が到着する。

 

「悲しむんは後や、いつまでもガキどもに前線を支えさせるんやない‼︎‼︎」

「意地を見せろ、ここからが正念場だぞ‼︎‼︎」

 

キバオウとリンドの鼓舞に、己が武器を掲げて雄叫びを上げる男たち。

息を吹き返した壁隊に前線を任せてキリトたち遊撃隊は後退していた。

 

「大丈夫か、みんな?」

「ええ、《ALS》のおかげでだいぶ楽ね」

「……オレとレイも、まあ無事だな」

 

そう言ってこちらに歩み寄ってくるセン、その隣を歩くレイの顔は悲しげに伏せられていた。

隣に立つセンはなんと言葉をかけていいのかわからない様子で、レイを不安げに見つめている。

無理もない、この場にいる誰もがそれを感じているはずだ。今この場で死ぬかもしれないという恐怖を。

 

「気にするな、とは言わないが……あまり深く考えるな」

「んっ、……ぅん」

 

ゆっくりと近づいてきたミトは、乱雑にレイの頭をぐしゃぐしゃと撫で回す。

その彼女に、今度はロノミアが両肩に手を置いた。いつも通りの、包み込むような微笑みを浮かべて。

 

「でも、彼らがここにいたことは、忘れちゃいけませんよ?」

 

その言葉は短いながらも、とても重いものだった。

この二人は強い。実力はもちろんだが、その心も強い。二人のプレイヤーがポリゴン片となって消えたとき、二人は狼狽えることなく指示を出していた。

それが並大抵のことではないことはよくわかっている。だからこそ、その強さが羨ましいと思う反面、自分もしっかりしなければと思える。隣にいてくれたアスナを、支えてくれるパーティメンバーを失わないためにも。

こくりと、ゆっくり頷いたレイは深呼吸をした。

やがて落ち着いたのか、その瞳はいつも通りの澄んだ色をたたえていた。

目の前で繰り広げられる攻防。

ボスのHPは既に三本目に突入しており、今まで顔を守っていた兜が外され、口の中にもう一つ口が存在していた。

飛び交うライトエフェクトを視界に収めつつ、ミトが俺たちに何かを言おうと口を開きかけるが、それよりも先にロノミアが言葉を発した。

 

「さてみなさん、残るところゲージは二本です。いつも通りなら、ラスト一本で未知の攻撃、ないしは変身などがあるはずです。それに……」

 

ロノミアはちらりとボスを見やる。

今も変わらず両手斧を振り回す騎士は、あることをしていない。それはこの場にいる誰しもが気づいているだろう、当たり前のもの。

 

「未だに《剣技》を使用してないことが気がかりですから、そのことはしっかりと留意しておいてください」

 

そう、《ガーディアン》はこの戦い、一度たりとも《剣技》を使用していない。

もともとそういう仕様だという可能性もわずかにあるが、なんらかの仕掛けがあるとみていいだろう。

 

「危なくなったら俺やロアがフォローに入る、好きにやってみろ」

 

セリフを奪ったロノミアを呆れを含んだ視線で見つつ、ミトは太刀を構える。

その隣に立ったロノミアは、不敵な笑みを浮かべてミトを見上げた。

 

「あら、もしかしたらあなたもフォローが必要になるんじゃないですか?」

「……言ってろ」

 

当たり前のように会話をする彼らを見て、俺たちは苦笑いを浮かべながらそれぞれの得物を構えた。

そう、いつも通りだ。いつものように攻撃を弾いてスイッチ、そこからボスへの攻撃。慎重にそれを繰り返して、動きが変わったら後退。

 

「行くぞ、みんな」

 

俺たちはまだ知らなかった。

悲劇は未だ序章に過ぎず、終章まではまだ遠いということを。

 

 




前半はこんな感じですね。
ちなみに《ガーディアン》の名前はあるモノから取ってきました。
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