魔法少女リリカルなのは〜君だけの旅路〜   作:テノト

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遅れてすみません。
忙しいくなって参りました。
見苦しい言い訳ながら、入試用の小論文とか書く練習してて、文を書きたいという意欲が薄くなっていたのが原因だと思います。

今回は圧倒的繋ぎ回です。故に短めです。
ちょっと訳の分からない文字の羅列だと思いますが、構わないという方はどうぞ。
そして、評価と感想が非常に欲しいです、はい。あれは自分の活力になるものなので、どしどし気軽にやって下さい。というか、お願いします。




閑話

争いは嫌いじゃない。

何か次のレベルへ登る時必ず争いが起きるのだから、嫌っていても絶対に起きてしまうのだ。

勉強、スポーツ、市場、文化、進化。

全て争いの中で次のレベルへと達している。

そこに、一番醜い争いである戦争は含まれるのか。

含まれると思う。

例えば、戦争が無ければ飛行機は実用化されず、人が月へ到達する事もあり得なかった筈だ。

戦争は醜い。

しかし知っている限りでは必ず未来で意味を成してきている。が、今起こっている戦争は未来ではきっとその結果が役に立っている、とは考えられるだろうか?

どうだろう?分からない。

未来を知る者など誰もいない。

今目の前に広がるのは惨たらしく焼け爛れた大地。地には無数の死体が転がり、生きているものも殆どが何かを失っている。

森、草原、湖、川、山、動物、目、鼻、耳、指、手、腕、脚、人、心、魂。

ここまで失ってまで得るものとはどれだけ大それたものなのだろうか?

そこまでして次のレベルへと達して意味があるのだろうか。

要らない。

そんなものは何一つとして必要ない。

 

「王、何かお考えのようで?」

 

ああそうだ。

こんなの最早戦争なんかではない。こんなものは未来に何も齎さない。只の生き地獄だ。

見るに堪えない。自分のせいでこうなった事が余計にそうさせる。腹立たしい事この上ない。

 

「どうするおつもりで?」

 

終わらせる。

この地獄を終わらせる。

後世には遺さなくていい。記さなくていい。伝えなくていい。こんな地獄を知る必要など微塵もない。

 

「左様で、御座いますか」

 

ああ。

そして、私もまた消える。

そうすれば、他のより一層偉大な指導者によって平和が訪れるに違いない。

 

「貴方様をお亡くしになるのは、家臣としては心苦しい限りであります。しかし、貴方様はもう決心なされていらっしゃいます故、小生が止めるのは憚られます……。しかし、申し訳ありませんが、この事柄は記させて戴きます」

 

何故だ。

記すなと言ったのが聞こえなかったのか?

 

「地獄を知っている民は二度と地獄を作ろうとはせず、皆天国を目指そうとするように、この地獄があった事をを後世に遺す事で、多くのものがこの生き地獄を作らずに天国を夢想するのです。負の遺産、あえて言うならば『黒き歴史』として後世に語り継ぐべぎ、唄われるべきなのです……」

 

歴史は廻るというがな……。

好きにするがいい。

兎に角。明日、否今宵にはこの地獄に終止符を打とうぞ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

プレシア・テスタロッサ事件、通称PT事件から数日、とある取り決め事が管理局上層部の会議にて議論された。

ディーの存在に付いてだ。

発掘された古代の遺産、願いを叶える願望器であるジュエルシードのその管理人格。それがディーの肩書き。

無理にでもジュエルシードを管理しようとしてディーの怒りを買う様な結果になった場合、どんな惨事が起こるかなんて想像も出来ないが、ジュエルシード一つで街や国、下手をすればその星さえも消し飛んで消える、なんて事は洒落にならない。

アースラ艦長を始め、ディーと縁を持った魔法関係者に対する事情聴取の結果からすると、前述の事が起こされる可能性は極めて低いが、如何せん力が力だけに野放しにするのはそれはそれで非常に危険だ。

そう、会議で結論付いた。

何をするかは明白で、会議終了からまた数日後、ジュエルシードの多重封印が決行された。

ディーの力技と管理人格としての封印魔法の解読を用いれば封印解除なんて造作でもないが、それは管理局上層部が行ったジュエルシード多重封印に関しての説明(土下座での願い込み)に免じてやめておいた。

ディーのその後の扱いは第一種警戒ロストロギアとなり、封印状態にあり、かつ主としてディーに認証されているアリサから引き離すのは不祥事を起こしかねないという判断のもと、現在アリサのディー所有権が認められている。

 

そして現在八月中旬夏休み真っ只中、アリサ達海鳴魔法少年少女はバニングス家の所有するプライベートビーチへと遊びに来ていた。

澄み渡った蒼い海、唸る白波、熱を帯びた白浜、そよぐ潮風、視界を遮る物がなに一つ無いただ真っ直ぐな水平線。そこにある光景一つ一つが美しく洗礼されており、その中でも全く気取っていない素朴な姿に、こういった風情なんて知る由も無い小学生まで魅了された。

 

「うひょ~、何だこの海岸は。こんなの見せ付けられたら、俺が今まで遊んでた海岸は何だったのか考えさせられるな」

「それは今まで遊んでた海岸、ていうか海鳴海岸に失礼なの……」

「中々いいビーチでしょ?ま、お父さんが所有するビーチの中じゃ中の下位なんだけどね!」

「そんなドヤ顔で無い胸張られてもゴメンナサイナンデモナイデス」

「お前は小学生に何を求めているんだよ……」

「…………はぁ……」

 

みんな既に着替えは終わっており、もう遊ぶ準備を済ませているところだ。

子供たちが海を見てお喋りしたり漫才している横で、その保護者たちは砂浜にシートを敷いたりパラソルを立ってたり、浜の脇に並ぶヤシの木にハンモックを取り付けたりしている。

なのはの父である士郎が「準備体操してから海に入りなさい」と子供たちに言って聞かせると、みんな「はい!」と元気良く返事をして準備体操をして海に飛び込んだ。

 

「なのは、お前って確か泳げなかったよな?大丈夫なのか?」

「うん、大丈夫だよ。足が着くとこまでしか行くつもりはないの。私を心配してくれるの?」

「そんな事当たり前だろ」

「ありがとね!……と、ところでさ、私のこの水着だけど、どう?」

「うーん。明るい色で可愛いと思うぞ」

「ふぇ!?あ、ああありがと……」

「そりゃどういたしまして」

 

まだ海面が膝までしかないところでなのはと神影によって桃色空間が出来上がった(片方無自覚)。

射人がその光景を見てニタニタしていると、すずかの手によって横から顔面目掛けてビーチボールをぶち当てられた。そしてすずかは射人に対して色々とケチ付けた。「ニヤニヤするな。配慮が足りない。自分は何か言う事が無いのか」最後のほうは支離滅裂になっていて意味を解せないが、言いたい内容はこんな感じだった。

余談だが、ヤシの木陰のハンモック付近でなのはの兄の恭也とすずかの姉の忍が、良い雰囲気を醸し出していたりする。

子供たちとなのはの姉の美由紀はその後ビーチバレーを始め、なのはの母の桃子はパラソルの下で読書などしている。

 

必然と余った男二人で会話を始めた。

 

「子供がああしていると微笑ましいですね」

「そうだな。お前は自分の子供を盗られた、なんて気持ちになったりはしないのか?」

「はは、そりゃなりますよ。でも良いんです。今よりずっと幼くて親が親として必要な時に何もしてやれなかったんですから」

「ほう、続けてくれ」

 

士郎から始めた話をディーは聞くことにした。

 

「僕は仕事柄怪我が多くてね、桃子と結婚したのを機にゆったりと喫茶店でもやりながら暮らそうと考えていたんです。でも結局辞めたのはなのはが生まれてから数年してから。しかも店の準備も大詰めで忙しい時に大怪我という形でね……」

「…………ふむ……」

「僕は意識がないし桃子は店の事で忙しい。恭也はやさぐれて美由紀も同じく。遊びたい盛りのなのはに誰も構ってやれなかったんです。ずっと『良い子にしててね』『我慢しててね』そんな言葉ばかりかけて、甘え方を知らない子になっちゃって。一人で公園で俯く幼女って、ご近所さんの間で有名になっちゃったんですよ。親兄弟はなにやってんだ!ってね」

「…………」

「そんな時になのはの相手をしてくれたのがあの神影君だったんだ。いつも公園で俯いてるなのはと遊んでくれたんだ。彼には本当に感謝しきれないし頭も上がらない。ディー君、君はなのはが盗られるとかどうとか言っていたけれども、それは違うんだ。僕がなのはを自分の膝元に置くという事は、なのはの居場所を無くしてしまうのと同じなんだ。だから盗られたなんて思えないんだ。親として悔しいとは思うさ。でも、もう出来上がってしまったなのはの居場所を壊すことなんて出来ないんだ。あれ、なんだか言葉にし辛いなぁ。何て言えばいいんだろう……」

「…………zzz」

「ええっと。て、寝てるのかい……」

 

ディーは士郎の独白を最後まで聞くことなく眠っていた。

 

 

 

この後全員でバーベキューをしたり、海岸近くで運良く掘り起こされた温泉へ入りに行ったり、浜辺近くの別荘で寝たり。楽しくて平穏な一時をゆったりと過ごした。

静かだった。

平穏だった。

まるで、嵐の前の様に……。

 










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