感想より、このような拙作を待たれている方から応援を頂いたため、難産ながらも書き上げることが出来ました!この場では名前は出しませんが、本当にありがとうございます!
そして、エタりそうになってしまい、申し訳ありませんでしたm(_ _:)m
一応、今週中に書き上げるというものを目標にやらせて頂きました。ギリギリセーフですかね……?週の初めを日曜日としてる方的にはアウト……ですかね?
暑さも寒さも彼岸までとはよく言ったもので、ここ海鳴市でも彼岸を過ぎた辺りからはめっきりジメジメとした暑さを感じなくなった。夜は肌掛けでは寒く感じ、朝の風は冷たい。12時を回る頃には日差しは優しく照りつけて、秋風が一層涼しく感じて気持ちが良い。
そんな心が落ち着く陽気の中、少女高町なのはは登校してきてから放課後まで、心はここにあらずにそわそわとしていた。
「なぁ、アリサはあれを見てどう思う?」
「正直ウザイわね。話しかけても、「うん、そうだね」と「あはは、そうなの?」だけで全部返されるし」
「え、アリサ拒否られてるの?」
「そんなわけあるかぁ!」
「げはぉ!?」
アリサ・バニングスの綺麗な胴回し蹴りは、種子島射人の脇腹へと吸い込まれた。のはどうでもいいことで、問題は友人を適当にあしらうなのはの態度だ。
今まで彼女はウジウジしながらも人の話はしっかり聞いていた。しかし、今回はちょっと様子がおかしい。気持ち悪い。
普段うわの空な時、だいたい体などを軽く揺すってやったり45度の角度でチョップを入れるとこちらにしっかり顔を合わせるが、今回は見向きもしない。それに、なのはのこういった場合は俯いて眉を顰めて溜め息を吐くのが定番だったが、今回は緩み切った頬とデレっと垂れた口元で常にニヤニヤしている。
「アリサ、心当たりあるだろ」
「あるけどみんなには言わない。つまんなくなる」
「でもさぁ、あれがああなるのはなんて言うか、凄い気になるんだよ」
「優等生で通ってるなのはちゃんが、先生を完全に無視って……。先生の目がこうクワーッ!てなってたよ」
アリサと晃毅、神影は冷めた目で、すずかは苦笑いしながら今のなのはを眺めている。
突然、なのはがこちらに顔を向けて寄って来た。
「みんな、今日は凄いニュースがあるの!聞きたい?聞きたい!?」
「あ、これウゼぇ」
「ウザくないもん!」
「いでっ!分かった!分かったからペチペチ叩くな。地味に痛いぞこれ」
非常に面倒臭いなのはの絡みに耐え切れず、神影はつい本人の目の前で本音を漏らしてしまった。
「で、凄いニュースって何だ?あれだけウザい醜態晒してんだから、ショボかったら定規でシッペするからな」
「ショボくないし、それ普通に痛いよ!」
「早くしろよ」
「そっ、そうだった……。えー、明日転校生が一人来ます。誰でしょう?」
こほん、と一度咳払いしてから出題した。何故かなのはは偉そうに胸を張って、フンッと鼻で息を漏らした。
この時、アリサ達はなのはが今まで浮ついていた理由が分かった。きっとこの転校生がその原因なんだろうと?
暫くしてなのはが声を出した。
「みんな、誰だと思う?さぁだーれだ!」
「フェイト」
「フェイトじゃね?」
「テスタロッサだろ」
「みんなが言うフェイト……さん?」
◆◆◆
なのはは夕食を食べて風呂から上がり、そのままベッドへダイブした。
「何でみんな分かったのかな〜?」
『マスターの表情とかが非常に分かりやすくて、目星を付け易かったのでは?』
「結構ポーカーフェイスは得意なんだよ?辛い事あっても顔に出さない様に出来るよ?」
『それは自慢にならない事なのでは……』
そんなやり取りをしていると、キィンと小さな耳鳴りと共に違和感がなのはの周りを包んだ。だが、この感覚は幾度も感じたことのある感覚だ。
「レイジングハート⁉︎」
『はい、何者かが結界を張った様です。恐らくこの海鳴市全体を覆うくらいのものを』
それを聞くなりなのははバリアジャケットを展開して外へ飛び出した。
飛び出した街は結界の中でコンクリートのジャングルと化していた。結界の側面は鈍く滲んだ虹色をしていて、今まで使っていた結界と少々異なるものの、その場の全てが醸し出す雰囲気がP.S事件の出来事を思い起こさせた。
きっと良くないことが起こってるんだ。あの時みたいに。
なのはは直感でそう感じ取って、こちらへ接近してくる結界を張ったであろうものの前まで飛んで来た。
そこに居たのは、なのはより拳一つ分ほど背丈の低い、赤いドレスを彷彿させる服と特徴的なウサギが付いた帽子を纏った少女であった。
「貴女は誰?ここで何をしているの?」
なのはが手を振りながら話しかける。それと同時に、念のため魔力弾を生み出してビルの合間に隠しておく。
「…………グラーフアイゼン!」
少女はなのはの言葉に反応は示さずキッと睨み付けると、魔力弾を生み出して手に持つ鉄槌、デバイスであろうグラーフアイゼンと呼ばれたそれで思い切り殴りつけ、なのはへ向けて撃ち出した。
なのははプロテクションで防御するも、とんでもなく重い魔力弾で、なのはのプロテクションをガリガリと削ってもなおぶち当たろうとして止まらない。
なのははそれを横へそらす事で回避した。
「口で何も言わなかったら、分かるものも分からないよ!」
なのはは、隠して待機させておいた魔力弾を向かわせた。
少女はなのはの桃色の魔力弾を最小の動きで避けてるが、避けた魔力弾はそのまま通り過ぎる事なくUターンしては追尾するのを繰り返した。
その様子を見て少女は舌打ちをし、自分の魔力弾でなのはのそれを撃ち落とし、残り少なくなったものをグラーフアイゼンで振り払う。
その少女の立ち回りは一瞬の出来事であったが、なのはが砲撃魔法を準備するには十分な時間だった。
「ディバインバスターッ!」
桃色の光が少女に向かう。少女はそれに気付き身を捩って紙一重で躱した。しかし、ディバインバスターが少女の頭上をかする通過したせいで、少女のバリアジャケットの一部である帽子が霧散してしまった。
あっ、と嗚咽を漏らして手を伸ばしても消えてしまった帽子が完全に消えると、物々しい形相でなのはをキッと睨み付けた。
「テメェ……!」
「あ、あれ?なんで私怒られてるの?」
『ここまで目の敵にされるとは。マスター、何か恨みを買っていたのでは?』
「私そんな悪い事してないよ!?」
「グラーフアイゼンッ!」
少女は怒りに任せてデバイスを下へ振りかざした。すると、デバイスである鉄槌の付け根の部分がスライドして薬莢を吐き出した。
途端に、少女から感じる魔力の大きさが一瞬のうちに膨れ上がった。
『ラケーテンハンマー』
「ぶち抜いてやるッ!」
膨れ上がった魔力を圧縮して放出、なのはへ向かって一直線。
なのはが砲撃し易い様に無意識にとったそれなりの距離を反応出来ない速度で詰め、そのスピードのままグラーフアイゼンをなのはへ殴りつける。
回避こそ出来なかったものの、プロテクションが間に合って少しばかりホッとしたなのはだが、少しばかり様子がおかしい。受け流すようにしてプロテクションを斜めにしても、少女の鉄槌は全然横へ流れようとはしたいのだ。
グラーフアイゼンのプロテクションに当たっている先端をよく見やってみれば、恐らく魔力で駆動しているであろうスパイクが掘削機の様にガリガリとプロテクションにひびを入れながら食い込んでいるのが見て取れる。
マズいと思って強引に回避しようとするも時すでに遅く、なのはのプロテクションは粉々に砕かれてしまい、残った鉄槌の余った勢いで思い切り殴り飛ばされていまう。余った勢いといっても、生半可なものではない。
あまつさえプロテクションでガードしていたというのに、それをぶち抜いた勢いだけで軽々と吹き飛ばされて後方のビルへ突き刺さり、バリアジャケットは紙切れ同然のように散り散りに、レイジングハートも再起不能寸前まで損傷を受けている。
防御の硬さには自信のあったなのはだが、フェイトとの戦いでさえここまで傷付いていないのだから、初めてのことであった。
意識が朦朧とする中、なのはの目には鉄球の魔力弾を打ち出す構えをとる少女の姿。
人は何かしらで死ぬ一瞬の時間、例えば歩道を歩いている時目の前から突っ込んで来るトラックや、崖から落ちて迫り来る地面を見て、それらのほんの一瞬コンマ1秒の時間がまるでハイスピードカメラで捉えた映像のようにスローに見える。今正になのはには、少女の鉄球が恐ろしいスローに見えている。
殺しはしねぇよ……。
鉄球と共に少女の口元の動きをなのはは目にした。そして疑問がふと頭の中をよぎった。
(殺さないの……?じゃあ、なんで……こんなことをするの……?…………知ら……なきゃ…………。お話し……しなきゃ……!)
そう復唱しているうちに、手を前に伸ばしてプロテクションを展開した。
鉄球は展開したプロテクションにぶつかり、なのはがプロテクションを横へそらすことで弾かれ、なのはのいるビルの床へ突き刺さり下の階へと突き抜けていった。
「!?テメェッ!ここで落ちてりゃ、これ以上痛くならかったものなんだよぉ!」
仕留め損ねたことに気が付いた少女はまたもグラーフアイゼンから薬莢を排出して、槌の後ろについてあるブースターを勢い良く吹かして肉薄した。
だかしかし、そんな状況だというのに、なのはの視界がスローになることは無かった。
理由は簡単だ。
なのはは自分の視界の端、其処に黄色く輝く光を目にしたからだ。
なのはに少女が喰い掛かるすんでのとこれでゴウゥッ!と黄色い稲妻が、否魔力弾が何本も走った。
少女は魔力弾に咄嗟に気付いては、回避では間に合わないと判断してプロテクションを前面に展開、来る稲妻毎を毎回プロテクションを絶妙な角度で傾けて逸らす。
その一瞬間の内に、少女の後ろに忽然と鎌を振り上げる人影が現れた。
少女は流れる様な動きで振り向き、振り下ろされた鎌を鉄槌の柄でもって受け止めた。
そして、なのはは突如として緑色の半円の球体に囲まれた。防御結界だ。
「なのは!遅れてごめん。今治療するよ!」
なのはの脇には翡翠色の目をした少年が駆け寄り、治療魔法をかける。
なのはは、この2人の少女と少年を知っている。数ヶ月前のある事件をきっかけに知り合った、新しい親友だ。
「来て……くれたんだね。フェイトちゃん、ユーノ君……!」
これが、今から始まろうとしている事件の最初の衝突である。
しかし、この衝突は所詮事の始まりに過ぎない。より混沌へと沈むことは、この場にいる誰もが知らないことだろう。
ここから一気に原作から離れるて行くと思います。
基本的な流れは変わらないとは思いますけれども、それだと二次創作の意味がなくなってしまうかもしれない、というのが持論なのではあります。
何が言いたいのか自分でもチンプンカンプンですわ……。
それと、一発思いつきのネタをテノトの活動報告の方でUPしようと思いますので、そちらの方も良ければどうぞ。