魔法少女リリカルなのは〜君だけの旅路〜   作:テノト

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どうも、お久しぶりです。
はい、言いたいことはよく分かります。
また、なんです。
言い訳をさせて頂くと、予備校に通い始めて本当に生活が変わってしまいました……。
エタったわけでも、飽きてしまったわけでもないですが、本当に時間がないんです……。
もうなんか、なのはのストーリーの細かいところは曖昧なんです……。
まあ、どうせここら辺から原作乖離が始まりますけどね!

すっごいグダグダのくどい文となっています。
更新を楽しみにして下さっている方々には本当に申し訳ないです。こんなクソ作者駄文ですが、楽しめて頂ければさいわいです。
ご指摘、感想、評価して頂ければ、より幸いです!





3話 私は……

 

 

 

「何だテメェ。そいつの仲間か?」

「そうだよ。私はなのはの友達、仲間だから。だから、私はなのはを守る為に命を張れる」

「それが本当に正しくない事でもか?」

「私はなのはを信じてるから、例えなのはが悪い事をしても。何か理由があるんだって」

「……チッ、そうかい!!」

 

 少女はギリリッと歯を喰い絞めると、思い切り踏み込んでアイゼンの柄の先で突きを繰り出す。フェイトはその動きを予測してくるりと横へ身を翻し、自分の脇をすり抜けて行く少女に、すれ違い様にバルディッシュで切りつける。

 少女もその動きを予測していたのか、強引に身体を捻じって紙一重で交わし、鉄球を繰り出し、身体を捻じった反動を使って思い切りそれを打ち出した。

 フェイトは咄嗟に、バルディッシュを振った反動に任せて身体を回転させ、自分に肉迫する鉄球を一回して両断した。

 

(この金髪、良いセンスしてやがる……!身のこなしに咄嗟の判断力、とても年相応ではねぇな)

(険しい顔をしてるけど、この子は今の攻防で何一つ慌てることも焦ることもしてない。多分、少し余裕を感じてはいるのかな……。でも仕掛けるチャンスはある!)

 

 互いの動きから力量を測り合う二人。

 少女は徐に鉄球を生み出し、自分の身体の周りにクルクルと回す。時々八の字を描いたり、ジャグリングをするような動きも見せる。

 フェイトはそれを挑発と受け取り、下手に仕掛けるのを躊躇した。少女は、そんな動かないで警戒しているフェイトを見て、不敵に笑みを浮かべた。

 バッと少女は、アイゼンを掲げて空を見上げ、何かを指す。その指した何かへ向けて鉄球を飛ばす。警戒していたフェイトはそれを見て、鉄球が飛んで行く方向を見上げた。見上げてしまった。

 少女はこれ幸いと、思い切りアイゼンを振りかぶりながらフェイトとの距離を一気に詰め、渾身の一撃を叩き込んだ。

 フェイトは余りに唐突な出来事に呆気にとられ、気付いた時には衝撃を抑えるので手一杯となっていた。

 フェイトは派手に吹っ飛んだものの、その実、インパクトの瞬間に後ろへ大きく飛び退いて勢いを殺したのだ。障壁も合まって、ほぼ無傷だ。しかし、勢いを殺しきるために飛んだ勢いで、ビルにぶつかってしまう。そんなフェイトが飛んで行くとき、口の端をニィっと吊り上げる。

 

「イケェッ!」

 

 少女はフェイトの飛んでいった方向に、先程上空へ飛ばした鉄球を一斉に飛ばした。

 フェイトも後ろへ飛んでビルへぶつかる間に、鉄球を追撃に使って来ることは予想していた。そのため無作為に前方向へ魔力弾を拡散して飛ばし、鉄球の勢いを殺しながら煙幕を作り、その中を飛んで来る鉄球を避けながら少女に肉薄する。

 肉薄する勢いと自分の魔力をグッと込め、少女に煙幕を使って奇襲をかける。胴を横に一文字に斬りつけ、そのままの勢いで回し蹴りをかました。

 少女は油断していた。煙幕の中のフェイトが今ので仕留められるとも思ってなど一寸も思っていなかったのに、フェイトの奇襲は成功した。フェイトのスピードを侮っていたのだ。

 少女は思い切り後ろへ吹き飛ばされ、かなりのダメージを負った。バリアジャケットは腹部が大きく破れ、蹴りで一時的に呼吸困難に陥る程には。

 吹き飛ぶ最中、飛びかけていた意識が回復し、ふつふつと怒りが込み上げてくる。しかし、その大きなダメージのせいで動きが鈍り、上手く身体を向き直して構えることが出来ない。

 

「……チキショぉ……っ」

 

 少女はそのまま重力に従って落ちようとしている。

 が、後ろから何者かが現れて少女を抱きとめた。

 

「ヴィータ、随分と痛々しい格好じゃないか」

「シグナム……悪りぃ、油断してた」

 

 少女、ヴィータが落ちるのを見て助けに向かおうとしていたフェイトも、もう一人の人物の出現に動きを止める。

 長身で赤みのかかった桃色の髪を束ね、吊り上がった鋭い眼とスリットの入った動き易い服装、腰に携えられた西洋剣と凡人のそれとは違う重心の置き方。女騎士と呼ぶに相応しい見た目は凛々しく麗しい容貌だが、そこからは想像もつかない威圧感やオーラと言えるものを感じる。

 フェイトの視覚と第六感は危険信号を発するのにこれといった時間を要することはなかった。

 

「良い目をするな。確かに、見た目からは油断するのも仕方のないことだがな」

「言い訳はしないけどよ、想像以上だぞ、アイツ等」

「分かっている。実に良い素質を感じる。眼と、腰の入れ方と、ブレの無い切っ先。きっと私も油断すればお前の様にやられてしまうな」

「……悪い癖が出てるな」

「そうか?まあいい、お前は一時撤退して先に例の集合場所にいてくれ。私とザフィーラ、シャマルも支援でいるから殿には事欠かないだろう。くれぐれも、転移の足を辿られるなよ」

「……ありがとな」

「逃がさない!フォトンランサー!」

 

 そういって飛び去ろうとするヴィータに向けてフェイトは魔力弾を飛ばす。しかし、騎士、シグナムが立ちはだかって魔力弾を全て剣で掻き消した。

 

「お前の相手は私だ」

「貴方達のやってる行為は犯罪行為だと分かっているのですか?」

「さあな。私達はお前等言う犯罪行為も法も分からない。ただ、自分等の信念を貫いてこの場で行動をしている」

「なら、貴方達は罪を犯しているとここで告げます。今投降すれば、無自覚だから罰は軽くなるはずです」

 

 シグナムはそこまで話を聞くと、腰の剣を振り出して切っ先をフェイトに向けた。

 

「言った筈だ。自分等の信念を貫いてここにいると」

「そうですか……」

 

 フェイトも切っ先をシグナムへと向ける。

 

「名乗らせてもらう。私はこれでも騎士だから、こう言うことには細かいのでな」

「私も名乗りましょう」

「守護騎士ヴォルケンリッターが烈火の将、シグナム」

「時空管理局嘱託魔導師、フェイト・テスタロッサ」

 

「参る!」

「行きます!」

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

「そこのデカイの、そこを退きな」

「断る」

 

 アルフは浅黒い肌と動物の耳が特徴的な大柄の男と対面していた。

 

「私はフェイトを助けに行かなきゃいけないんだ。アンタは邪魔なんだよ」

「あそこも一騎討ちしているのだ。それを邪魔させるわけにはいかない」

 

 アルフはこの男が最後まで話しきる前に先制攻撃を仕掛けていたが、その攻撃は話しながらでも軽くあしらわれてしまった。

 

「あの騎士みたいなのがアンタのご主人かい?有能な使い魔なら悪事を働くご主人を咎めるのも仕事なんじゃないのか?」

「悪事を働いてると分かっていて、自分もまた同じことをしているのは重々承知の上だ」

「似ているね」

「ほざけ。しかし、貴様には訂正してもらわなければならないことがある」

 

 男は拳を前に出して腰を沈めた。前に出された拳はアルフの眉間を向いている。

 

「このザフィーラは使い魔などではなく守護獣だということ。そして、主はあそこにいるシグナムではないということだ!」

「アタシにゃ使い魔も守護獣も違いが分からないね!それにアンタの主ってのはこの場に出ないほどの臆病者なのかい?」

「安い挑発を犬がキャンキャン喚き立てるか。面白い!」

 

 売り言葉に買い言葉とはこの事、二人は互いの拳を振るい出した。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 なのはは怯えていた。

 何も分からない相手が言われのない力を自分に振るう。その威圧感と暴虐さに。そうしてユーノが張った強力な魔法障壁の中でじっとしているしか出来ない様にも思えてしまって、また体の震えが増し出した。

 自分は呆気なく撃墜されて、助けられて。フェイトは一人墜としたものの、間髪入れずに次の戦いに行ってしまった。

 

 自分は一人では何も出来ないのではないか?

 

 そんな疑問が浮かんで来る。

 前の事件もそうだった。

 誰かのためになりたくて始めた魔法少女、その実自分は神影達に助けられて助けられて。

 一人で成し遂げたことの少なさに虚しさすら感じていた。

 

「なのは、大丈夫かい?なんだか怪我以外にも辛い思いをしてるみたいだけど」

 

 今の自分にはこのユーノの優しさが辛い。

 天狗になっていたのだ。

 自分は魔法が使えて、才能があると。勉強しか取り柄のない自分にはその一芸がとても嬉しかった。しかし、自分はそれを知らず知らずのうちに鼻にかけてはいなかっただろうか。

 

「ユーノ君、私ってダメな子だよね。一人じゃ何も出来ないで、みんなに助けてもらって、迷惑をかけて」

「なのは……」

 

 その時、なのはとユーノに念話が入る。

 

 〈なのは、ユーノ、無事か!?〉

 〈神影くん!?〉

 〈みんなも助けに来てくれたのかい?〉

 

 念話の相手は神影だった。

ユーノとなのはの顔に少々安堵の笑みが零れる。しかし、神影は対照的だった。

 

〈俺と射人と晃毅で応援に行こうとしてるんだが、途中でちょっとヤバめの奴らに絡まれちまった……〉

 

ユーノが眉を潜めて神影に問いかけた。

 

〈ヤバめの奴ら、ってどういうこと?今、僕達がこの結界内で対峙してるのはヴォルケンリッターと名乗っていた。それと同じの存在だっていうのかい?〉

〈それは分からん。四人組の黒いコートを羽織った連中だが、何が可笑しいって、晃毅が奴らを見た瞬間に発砲しながら突っ込んだことだよ!射人も険しい顔をしたと思ったら転移して狙撃ポイントを探り出した。俺もなんか五月蝿い奴に絡まれるし、なんと言ってもこいつら、レベルというかオーラ見たいのが桁外れなんだ!〉

〈……そうか、じゃあ神影達はそっちに集中してくれないか?こっちは何とか持ちこたえるから〉

〈頼む、助けには行けそうにない。アリサもディーとこっちに向かってるらしいから、それまでの辛抱だ〉

 

そういうと、神影からの念話は途切れた。

なのはとユーノは遠くで繰り広げられる二組の戦いに目を向ける。

フェイトにしてもアルフにしても、目に見えてジリ貧なのが伺える。その証拠に、フェイトとアルフは肩で息をしているが、対峙するシグナムとザフィーラからは余裕を感じられる。

 

「ユーノ君……」

「……まだ何処かに敵が隠れているかもしれない。なのは、この結界の中はよっぽどのことがない限り壊れない様に出来ている。だから、ここから動いちゃだめだ。僕は二人の援護をしに行く」

「じゃあ、私も何か……!」

「ダメなんだよ。今のなのはが戦えても、レイジングハートが耐えられないんだ。仮に砲撃魔法の一つでも撃ったら、レイジングハートはバラバラに壊れてしまう」

「…………」

「アリサがここに向かってるからそれまでの辛抱なんだ。今ここでレイジングハートを壊してしまうわけにはいかない」

「……やっぱり、私ってダメで役立たずなんだね……」

 

なのはは自分の無力さに嘆いて首を垂れる。涙を隠すかの様なその様子に、ユーノはハァと溜め息を吐くとなのはの手を握った。

 

「役立たずとか、ダメとか、そんなことはどうだっていいんだ。今ある状況を覆すのに、そんなマイナスな考え方じゃ考えも浮かばない。それにさ、僕とフェイトとアルフは、なのはを助けられるっていうのが嬉しいんだ。前回の事件では助けられてた僕等が、今度はなのはを助けてる。きっと、一人では助ける事も助けられる事もないんだ。でも、一人じゃないなら、助けて助けられて、それでいいんじゃないかな」

 

そう言うと、手を離して二人の戦う渦中へ飛び込んで行った。

なのはは今の言葉を胸に受け止めて、温かさを噛み締めた。

そして、傷付いた。

 

「ううん、嬉しいけど、温かいけど、どうでもよくなんてないよ……」

 

ボロボロと頬から水が伝い、コンクリートの地面を濡らす。

 

「誰かを助けたくて魔法を始めたのに、誰も助けられないで逆に助けられるなんて、そんなの嫌だよ……」

 

それはなのはの悲痛な叫びだった。

生まれてこのかた助けられてばかりで、助けたことなんて数える程度。せめて迷惑だけはかけまいと『良い子』として生きてきたこの9年間。誰かに助けられるのに嫌悪感を示すまでになってしまっていた。

助けられる事に嫌悪感を示しているわけではない。助けらている自分に嫌悪感を示しているのだ。

自分の我儘だなんて分かっているが、それが自分なんだと割り切ってしまっている。

 

『All right mymaster』

「えっ……」

 

レイジングハートとの声が静かに響いた。

 

『撃って下さい。貴女の最大の魔力で最高のスターライトブレイカーを』

「でも、撃ったらレイジングハートが壊れちゃう!」

『問題ないです。この程度の損傷で再起不能になる様な、柔なデバイスとして造られたつもりはありません』

「でも……」

『失礼ですがマスター、本当に助けたいと思っているのですか?』

「助けたいに決まってるよ!」

『なら、撃てばいいのです。迷う必要はありません。しかし、マスターは迷っている。撃つなと言われて反論し、撃てと言っても反論する。貴女が今、何をしたいのかを示して下さい』

「レイジングハート……」

『私は準備も心構えも全て整っています。後は、マスターが意志を示すだけです』

 

しばらくの沈黙。下を向いてわなわなと震えるなのは。

 

「私は…………」

 

 




次はいつになるかわかりませんが、期待せずにお待ちください。
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