副会長「これで1学期終業式を終わります。生徒の皆さんは退場してください。」
ザワザワ
矢部「やっと終わったでやんす。あの白髪校長話が長すぎるでやんす。おいら、今日はヘトヘトでやんす。」
杉村「まぁ、今日は久しぶりの練習休みだからゆっくり休めば。」
矢部「そうでやんす。今日は部活が休みでやんす。亮君。早速遊びに行こうでやんす。」
杉村「矢部君。ごめんけど今日は用事があるから、いけないんだよ。」
矢部「そうでやんすか?なら仕方がないでやんすね。また、違う日に行こうでやんす。」
杉村「そうだね。違う日に遊びに行こうか。とりあえず、教室に行こう。」
初めての高校生の夏休みを俺らは迎えるところだ。今日は監督が留守のため練習が休みだ。
この後、俺は今から直行で商店街にある本屋に行かないと行けないのだ。
なぜなら、今日が『幸福なネコ』と言う本の発売日だからだ。俺はこの本の作者のファンなのだ。とても面白いのだが、地味にマイナー作品なのだが、一部の人の間では人気のある本だから、初日は売れ切れになって2、3日入荷待ち。しないと行けない状態になってしまう場合があるから、早めに行くのだ。
LHRが終わると俺は商店街にダッシュでむかった。
2時を過ぎた頃に俺は本屋に着いた。
杉村「『幸福なネコ』はまだあるかな?」
俺はあることを祈りながら店内に進んだ。
杉村「あった。危なかった。ラスト1冊じゃん。よし買おうと。」
メガネの女の子「あー。最後の一冊売れちゃったか。せっかく楽しみにしてたのに。」
俺は本を買おうとレジに向かってる途中で『幸福なネコ』が置いてあった場所から言葉が聞こえたために足を止めた。
振り返るとそこにはメガネをかけた黒髪の女の子がいた。
俺は彼女のもとに行った。
杉村「これ。譲るよ。」
女の子「えっ」
メガネの女の子はいきなり声をかけられたのか少し驚いていた。
そりゃ誰だって驚くに決まってる。見知らぬ人間からいきなり話しかけられたら俺だってビックリする。
しかしこの時の俺は本を譲るべきだと思った。
杉村「俺はまた違う日に買いに来るからさ。」
女の子「ありがとう。」
杉村「どういたしまして。バイバイ」
俺はそう言って店を出た。
女の子は礼儀正しくお辞儀をしていた。
俺はあの女の子にもう一度会えたらいいなと思いながら帰った。
1週間後
杉村「アチ〜。かき氷だべたい。」
7月の中旬。山梨県頑張市は最高温度38度ととても暑い。
今日は部活が休みで家でゆっくりしようと思っていたのだが…
杉村「俊太のやろう。こんな暑い日に何の用だよ。人を呼び出して。」
それは今朝のことだった。
ピロリーン
朝起きたら、俺の携帯にメールがきていた。
『久しぶり。元気にしていたか?実はお前と一度会ってみたいという奴がいるんだけどさ、今日これから会わないか?どうせ部活休みなんだろう。駅前の広場で待ってるから来いよ。』
といきなり、恋恋高校の友達谷口俊太からメールが届いた。それもこれがあいつから来た、初めてのメールだ。
しかも、集合時間が書いてないからこっちは急いで家を飛びどした。
そして今に至る。俺は駅前の広場で谷口俊太を5分程待っている状態だ。
杉村「あっちから誘っといてなぜいないんだよ。」
そろそろ我慢の限界だと思った時にちょうどそいつは来た。
俊太「亮。ごめん遅くなって。待った?」
杉村「待った?じゃねーよ。こんな暑い日に人を待たせるなよ。あと、俺に会いたいという奴って誰だよ?」
俊太「その話は場所を移してから話そう。近くに喫茶店があるからとりあえず行こうぜ。」
杉村「いいけど。何か待たせたぶん奢れよ。」
俊太「はいはい。わかったよ。とりあえず移動しようぜ。」
駅口から商店街に入って5分くらいだろうか。ずっと暮らしていながらも俺は商店街のことを知らなかったみたいだ。
なぜなら、この喫茶店を一度も見たことがなかったからど。
一体いつの間にできたのやら?
俊太「着いたよ。」
杉村「「この店って前からあった?」
俊太「いや、今年の春からだよ。」
どうりで知らないはずだ。高校になってから駅口の方に来てないから知るはずがない。
カラーン
マスター「いらっしゃい。なんだ。俊太君か。そちらはお友達?」
喫茶店に入ると渋めのマスターが出迎えてくれた。
俊太「マスター。なんだは無いよ。ところで來未いる?」
マスター「俊太君もか。來未なら今買い出しに行ってもらってるよ。たぶん、あと五分ほどしたら帰ってくると思うから一杯飲んでく。」
俊太「ならアメリカン2杯ね。俺以外に來未に用事がある人っているん?」
マスター「そこにいる馬鹿のことだよ。」
・・・「マスター。それって俺の事かい?」
奥から男がやってきた。背丈は俺と同じくらいだろうか?
俊太「卓也。来てたのか?今日もまたデートの申し込み?」
卓也?「いや。違うから。今日は親父のお使いだよ。來未が修理を頼んでたみたいたがらさ。それが終ったみたいだから届けに来たわけだよ。ところでそいつは?」
俊太「こいつ?こいつは俺やあおいちゃんがよく話していた杉村。」
杉村「杉村亮です。よろしくね。」
岡田「俺は岡田卓也。俊太と同じ恋恋の一年だ。よろしく。」
卓也は意外になじみやすそうな人だ。
マスター「はい。アメリカンね。ところで杉村君は彼らと一緒で野球をしているのかい?」
杉村「はい。パワフル高校の野球部に所属していますけど。」
するとマスターが。
マスター「だよね。君の体つきは素晴らしいよ。どうだい?一緒に鍛えないかい?鍛えることはいいよ。」
岡田「また始まったよ。マスターの長話が。」
俊太「でも、暇なら一緒にしない?一人より効率もいいし。」
杉村「考えてみるよ。」
俊太「ほら、マスター。お客さんきたよ。仕事仕事。」
マスター「おう。あぶない。俊太君ありがとうね。ゆっくりしていってね。」
それから俺らは野球トークで盛り上がっていると。
カラーン
女の子「ただいま。暑かった。」
女の子が帰ってきた。
マスター「おかえり來未。俊太君達がきてるよ。」
女の子は來未というらしい。マスターの娘さんで俊太達の言ってた子は彼女に違いないだろ。
來未「いらっしゃい。卓也また来たの?」
岡田「違う。今日は親父のお使いだよ。ほれ、お前の。あと、今日も可愛いね。」
卓也はいったいなんなんだ。もしかして変人?
しかし彼女と俊太は普通にスルーをしてた。ナニ?もしかして考えた方が負けなの。
そんなことを考えていると來未ちゃんは受け取った袋の中からものを出した。
中からは音楽プレーヤーがでてきた。
岡田「まだ使っていたのか?それ。」
來未「うん。大切なものだからさ。」
岡田「そうか。そうだよな。」
なんか空気が少し重くなった。いったいこの音楽プレーヤーに何があるのだろうか。疑問を抱いていると卓也が突然
岡田「よし。來未。デート行こうぜ。」
來未「嫌よ。」
なんだ。こいつ。やっぱり変人だ。
俊太「ところで來未。こいつ見覚えある?」
そう言って俊太は來未ちゃんに俺の方向に視線をむかせた。
俺と來未は初めて目を合わせた。いや、この顔一度見たことがあるなー。
どこでだっけ?
俺は思い出せなかったが彼女は俺のことを見覚えがあったようで目が丸くなってた。
來未「あれ、もしかして、先週本屋で私に本を譲ってくれた人?」
先週?本屋?あーあの子か。
杉村「あの時の子か。」
來未「先週はありがとうございました。あのあと買えた?」
杉村「うん。違う店で買ったよ。ところで君もあの作家の作品好きなの?」
來未「うん。中八木先生の小説すべて買ってるよ。」
杉村「マジで。借りたいなぁ。」
そんな事を言ったら
來未「なら、貸そうか?」
杉村「いいの?」
來未「うん。いいよ。今から持って来るね。」
そう言って彼女は奥の部屋にいった。
すると俊太が
俊太「久しぶりに見たな。來未があんな風に話すの。」
杉村「えっ。そうなの。」
俊太「あぁ。なんというか、冷静というかクールというか、結構静かめな方だかさ。面白い奴だけど。」
杉村「へぇ。そうなんだ。」
岡田「そうなんだよ。いつも、デートに誘ってもながされるし。」
ここまでくると卓也がすごく感じてしまった。いろんな意味で
そんな事を考えていたら來未が戻ってきた。
手には2冊の本があった。
俊太「ところでお前らってどんな本読んでんの?」
來未「恋愛小説よ。」
俺が答える前に來未が答えてしまった。
俊太「面白いと?そんなに」
杉村「この作品は面白いよ。恋愛小説にして感動系を読みたいなら間違いなく中八木先生の小説だね。この人の作品はすべて泣ける。最高品ばかり。読まなきゃ損だ。」どうやら少し語りすぎたみたいで
俊太「そこまで語らなくても。」
俊太には若干惹かれたみたいだ。
來未「でも、これ本当に面白いから見てみたら。」
俊太「気が向いたらね。」
すると
マスター「來未。ちょっと手伝ってくれないか?」
奥の部屋からマスターが來未を呼んでた。
來未「ごめんね。お父さんが呼んでるから仕事にいっていいかな?」
杉村「いいよ。遠慮しなくて。俺も帰ろうかなと思っていたし。」
すると俊太も
俊太「そうだな。俺も帰るか。卓也はどうする?」
俊太は立ちながら卓也にきいた?
岡田「俺はもう少しいるよ。マスターコーヒーおかわりね。」
俊太「そうか。わかった。じゃあ、また明日な。練習遅れんなよ。」
卓也「わかってるよ。亮もまたな。」
杉村「あぁ、またいつかな。」外はまた一段と暑くなっていた。
來未「ところで、あなたの名前何?」
そういえばお互いの自己紹介全してなかったな。
杉村「俺は杉村君。パワフル高校の1年。」
來未「私は笹川來未。同じ1年生。高校は安藤梅田学園高校よ。よろしく。」
杉村「よろしく。ところで連絡先教えてもらってもいいかな?本を返しに来るときに連絡したいから。」
しれっと連絡先の交換を申し出た。
すると
來未「いいけど、今持ってないから、あとで俊太に杉村君の連絡先聞いとくね。そのあとにメールするよ。」
普通にOKだった。
杉村「わかった。メール無理して今日じゃなくていいから。またね。コーヒーご馳走様。」
來未「わかった。またね。俊太。あなたも。」
俊太「あぁ。またな。」
俺らは駅に向かった。
ちょうど駅に着いたとき、俊太が尋ねてきた。
俊太「なぁ、亮。これからどうする?」
杉村「せっかくだし。借りた本でも読むよ。早く読んでみたいしね。」
俊太「そうか。わかった。俺も帰るか。俺あっちだから、じゃあな。」
杉村「あぁ。またね。」
今日もまた、いろんな奴と仲良くなれた。そして來未ともまさかの再会。それも、意外に話があいそうだ。もしかしたらこれって…。
さすがに考えすぎか。
新しい夏はまだ始まったばかり。
これからが本番。秋の大会レギュラーに選ばれるため頑張るぞ。
すみません。主人公杉村の口調が話によって違くてすみません。