一発目で
手札の古代の機械竜を墓地に送ってハードアームドラゴンを特殊召喚。
死者蘇生で機械竜を蘇生して二体を生贄にしてコカパクアプを召喚。
笑ったわ。
その勢いで書き始めて、休憩としてTFやってたりしたんですが、それ以降全然できないんですよねー・・・くそう、初回限定サービスかチクショウ。
「・・・暗いな」
「それにしてもなんで懐中電灯常備してるんだ?」
「停電なんていつ起こるか分からないからな。手元に置いておくに限るぜ」
「ふーん、なんか満って盗賊の七つ道具みたいなの持ってそうだな!」
「七つもないけどある程度ならあるな。例えばこれだ」
「なんだこれ?手錠?」
「デュエルアンカーって呼んでる。デュエルの決着がつくまで外れない悪魔の道具だ」
「うへぇ、デュエルの最中に逃げ出す奴なんているのか」
「俺相手だとな」
不良共とか、自分からアンティとか言い出しておいてデュエルの流れが悪くなると逃げ出すからな。それを防止するために記憶を頼りに作り上げたのがこのデュエルアンカーだ。
実の所、「デュエルの決着がつくまで」なんて言ってるけどただの方便だ。そんな技術力は俺にはないからな。だけど先入観でまずはデュエルに集中しなければならないし、外そうとしても俺の言った「外れない」という言葉で焦り、簡単に外れる物なのに逆に絡まったりして愉快なことになったりと有能なのだバニラデュエルアンカー。
「へー、俺は楽しかったけどな!」
「お前は誰とデュエルしても楽しめるだろ」
「へへっ、それが俺の特技だからな」
「でもこれからアンティだぞ、楽しんでばかりじゃいられないぞ」
「ああ、俺もこのカードを取られるわけにはいかないからな」
「ちなみにどんなカードなんだ?」
「ん?これだぜ!」
「ああ、それってハネクリボー?」
十代に聞くと何も気にせずにカードを突き出してくる・・・ハネクリボ―、記憶が曖昧だけど確かあの
俺のアイドルカード?勿論コカパクアプに決まってるだろ言わせるな恥ずかしい。
「しっかしアンティか。付いてくだけって思ってたけど挑んでみるのも面白そうだな」
「え?そうかぁ?俺は多分!今後!ずっと!仕掛けないと思うけどなぁ」
「断言してるのに、けどなぁ。なんて使うな、意志ははっきり伝えないと誤解されるぞ」
「そういうもんか?」
「そういうもんだ」
んー、その場合普通に究極巨人か?三枚どころか五枚持ってるから一枚くらいくれてやって「こいつ弱体化したぞ!」って思わるのもなんか愉快そうだが・・・
「で、お前はなーんでそんな後ろをついて来てるんだ?チビ眼鏡」
「チビ眼鏡じゃないこのヒール野郎!兄貴に近づくなッス!」
「俺の事をヒール野郎って呼び続ける限りチビ眼鏡って呼ぶからな。で、なんでついて来てんだ?」
「それは僕が兄貴に弟分にしてもらったからッスよ」
「じゃあ舎弟か。おいパン買って来いよ」
「兄貴のであってお前のじゃないッスよ!このヒール不良野郎!」
「なー、もっと仲良くしたらどうなんだ?」
「いやッスよ!例え兄貴からのお願いでもそれは無理ッス!」
「仲良くしようにもこいつがこれだからな」
「なー翔。一回くらいデュエルしたらどうだ?」
「おう十代から聞いたぞ、機械族使いだそうじゃないか。同じ機械族使いのよしみだ、やろうぜ?」
「・・・・・・煽るの禁止ッスよ!」
「じゃあお前本気出せよな。十代、その時はこいつの後ろで手札確認しといてくれ」
「えっ!」
「おう任せとけ!でもその代りに勉強教えてくれよな!」
「いやちょっと兄貴!」
「じゃあ煽るぞ?良いのか?全力で煽るぞ?」
「いやそれもいやッスけど・・いや、でも・・・」
この反応を見て俺は少し思い出したことがあった。原作とかじゃなく、サイバー流の連中がドローした直後にこんな感じに燻ってたのだ。
大半の連中がそのカードを使わずにあっさりと俺に負けるのだが、中には「それでもコイツにだけは負けたくないんだ!」って使ってくる奴もいる。
そのカードは「パワー・ボンド」か「リミッター解除」のどちらかといオチ。
「なんだ、お前もサイバー流か」
「うっ!な、なんで分かったんッスか!」
「今のお前と同じような顔の奴と何度かデュエルしたことがあってな。決まって俺に負けて行ったぞ」
「それは・・・ボクと同じだから」
「違うな。使って来た奴もいる。だが俺には勝てない・・・理由は分かるか?」
「そいつらがボクみたく弱かったから、ってだけなんじゃないッスか」
「負け犬の目をしているな」
「ッ!?」
「お、おい満」
「お前の考えはただの負け犬の思考だ。自分は弱い、そこで思考停止している。サイバー流以前にデュエリストとして死んでいる目だ。そのデッキは捨てろ、お前が使ったところでサイバー流を汚すだけだ」
「お前に、お前なんかに僕の何が分かるんだよ!」
「何も分からん!強くあろうと、強くなろうとしないデュエリストの事など!そしてデュエルを楽しめない人間の気持ちなど知るか!十代、この中に入るぞ。もうじき十二時だ」
「あ、ああ・・・翔、とりあえず部屋に戻っとけ、な?」
「いやッスよ。ここで戻ったら・・・ここで逃げたらあいつに馬鹿にされたままじゃないッスか!いいッスよ!本気でデュエルしてやるッスよ!」
「いいね。じゃあ明日にでもするか」
「その代り、いくら煽っても構わないッス」
「・・・へぇ。そりゃ、どういう心境の変化だ」
「お前に勝って、お前に負けたサイバー流の同志達の手向けにするッス!」
「いや別に殺してないんだけどな・・・」
しかしこの思春期って年代ってすごいね。メンタルがコロコロ変わる。
これ、フルボッコにしたらどんな顔してくれんだろう。ファンサービスしたくなっちゃったじゃないか。
「遅かったじゃないかドロップアウト・・・おや?一人じゃ不安だから仲間を連れてきたのかい?」
「おい、デュエルしろよ」
「ふんっ、生憎僕は先約があってね。おい!誰か格の違いを思い知らしてやれ!」
「へっへっへ、お任せください万丈目さん。と言うわけだ!俺が相手だ!ルールは万丈目さんとそいつのデュエルと同じアンティだ!いいな!」
「異存はない、やろう」
あ、一人釣れた、チョロイわオベリスクブルー。
「なっ、ちょ、満!」
「お前はお前のやることをやれ。俺は少し・・・オベリスクブルーの実力を測って満足させてもらおうか」
「お前は僕との約束も控えてるんだからな!こんなところで負けるんじゃないぞ!」
「お?応援してくれるとは心強い。このデュエルを見て腰を抜かすんじゃないぞ?」
デュエルディスクにデッキをセットし、ライフポイントが表示される場所に後攻、の文字が記される。
「へっへっへ、俺の先行か。ドロー!」
オベリスクブルーの制服を着た男がいかにも三下の様な笑い声を上げながらドローし、手札に加えた。しかし、うん、なんだ。品がねぇ。
「じゃあ俺達も、やろうぜ!」
「ああ、格の違いというモノを教えてあげよう!」
「ちょっと貴方達何をしているの!」
なんか女の子の声が聞こえたが気にしない。
「なっ!なんでこんなところに天上院がっ!」
女の声に反応したのか手札から視線を逸らした相手のデュエルディスクをつけている腕に目掛けてデュエルアンカーを投げ、しっかりと固定した金属音が響く。それを確認し、もう片方の手錠を自分の左手首に付ける。
「おう目の前のデュエルに集中しな。プレイミスが起こっても知らねぇぜ」
「ッチ、おいお前、何だこれは!」
「デュエルアンカー。これはデュエルが終わるまで外れない手錠だ。さあ、お前のメインフェイズだぞ?」
「ッチ。だが、俺が勝てば外れるしお前のカードも手に入るわけだ!手札からゴブリン突撃部隊を召喚!そしてデーモンの斧を装備させてターンエンドだ!」
攻撃力3300の壁。しかし伏せカード無し・・・こいつ本当に優秀なオベリスクブルーなのか?驚きのあまり口がふさがらないんだが・・・
「どうした?攻撃力3300にビビっちまったか?へっへっへ、無理もねぇよなぁ!」
「あまりにもお粗末だ・・・ドローせずに勝てちまう・・・こんなんじゃ俺、満足出来ねぇよ」
「あ?お粗末だぁ?言ってくれるじゃねぇか!テメェこそ満足だぁ?意味分からねぇんだよ!」
「ドロー、手札からフィールド魔法、歯車街を発動。ついでに手札の永続魔法、古代の機械城を発動。そして古代の機械騎士を召喚して、古代の機械城にカウンターが一つ乗る。手札から二重召喚を発動する」
「あ?それで出てくるモンスターなんぞリリース一体程度だろ、3300超えれると思ってんのか?」
「ある偉い人はこう言った。相手が強いなら弱くすればいいじゃない」
※言いません。
「歯車街の効果を発動、アンティークと名のつくモンスターのリリースを一体少なくする。古代の機械騎士を素材に、古代の機械巨人を召喚」
「あ?攻撃力3000じゃねぇか、舐めてんのか!」
「古代の機械城の効果でアンティークと名の付くモンスターは攻撃力が300ポイントアップする」
「それでも相打ちじゃねぇか!」
「手札から月の書を発動。ゴブリン突撃部隊を裏守備表示に変更する」
「なっ!テメェ!」
「悔しいでしょうねぇ。んでドローしたカードでダメ押しだ。リミッター解除発動」
「こ・・・攻撃力、6600ッ!ありえねぇ、ありえねぇよそんなの!!」
「さっきまでの余裕はどこに行った?」
「くそッ!て、手錠が・・・は、外れねぇッ!このままじゃ、俺のカードが!」
「お前みたいな小物が多いからこそ作ったデュエルアンカーだ。デュエリストならデュエリストらしくしな」
「ふざけるなっ、俺の相棒が・・・デーモンの召喚を手に入れるのにどれだけの金がかかったと思ってるっ!」
「知らんな。高額で買ったカードが相棒?笑わせてくれる。カードとの出会いは運命だ。初めて組んだデッキは何だ?」
「・・・・・・せ、戦士族と装備魔法・・・罠は、確か無かった」
「じゃあ次からはそのデッキを見つめ直して、一緒にゼロから始めるんだな。そいつのプライドを踏みつぶせぇ!古代の機械巨人ッ!」
闇のデュエルでもないのに、ライフポイントの表記が0になると体から力が抜け落ちたかのようにその場に座り込む相手。文字通りプライドを踏みつぶしてくれたようだ、流石俺の相棒の素体。
そしてある事を教えてやろうと思って相手に近づいて行く最中だった。
「大変!巡回の警備員が来るわ!」
「なんだって!じゃあ早くここから抜け出そう、天上院君!」
「マジかよ、翔!逃げるぞ!」
「ちょっと待って、おい・・・名前なんだっけ?」
「満!何してんだよ!」
女の声と、それから続く焦ったような会話の波。
「今日ここでデュエルしていたのは俺とコイツだ。部外者はさっさと出て行け」
「でもよぉ満!」
「いいから面倒になる前に逃げろって。どのみち誰かがいたのは事実なんだから誰かがいないとな」
「んー、なんかスケープゴートにしたみたいで悪いな満!逃げるぞ翔!」
「納得いかないッスけど・・・僕とのデュエルは忘れないでよー!」
俺とこいつを生け贄にして警備員を召喚!警備員の効果で俺とこいつを拘束せよ!
その後、やってきた警備員に捕まり、クロノス先生に一時間程説教を受けた挙句デュエルアンカーまで没収され、明後日に反省文の提出を言い渡されもう遅いからと生徒指導室を追い出された。
お互いの寮への分かれ道に行きつき、俺は丁度一つだけ聞きたい事が出来た。
「最後に一つ。手札は何だった?」
「レッサー・デーモンとクリッターにデーモンの斧と・・・・・・デーモンの召喚」
「そのデーモンの召喚、大事にしな」
「・・・取らないのか?」
「貰おうと思ってたけど趣味じゃないし、アンティは禁止だからな。それに見つかっちまったしこの話はご破算だ」
「もしかしてお前、最初から・・・」
「あー眠いから頭がさっぱり回らねぇなぁ、俺の考えがいつ変わるかも分からねぇしもう面見せんじゃねぇぞ」
あくびをしながらレッド寮に向けて足を進めていると後ろから「ありがとうございました!」と体育会系な声が聞こえてきた。きっと眠たさが原因の幻聴だろう。俺はただ教師に悪巧みを妨害された哀れな不良さ。あぁ、満足出来なかったなぁ。
序盤でデュエルアンカーの説明を入れ、中盤で翔苛めして、後半でデュエルアンカー活用して、最後に・・・なんだこれ、なんだこれ!?どうしてこんな内容になった!
どうでもいいけど「こいつ」を「コイツ」って書くやっぱりモンスターを思い出すよね!
何度制作中にコイツにした事か・・・