ハイスクールD×D 蘇った彼(凍結)   作:総司

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あらすじで書いた通り気分転換に投稿しました。
気分転換は……出来たのかな?
それにこの一話で終わりそうな予感も。



エピソード0 ○月×日

 

影時間と呼ばれる一日と一日の狭間にある時間を三人の男女が“タルタロス”と呼ばれる塔の階段を上っていた。

 

「想像してたよりも上にいんだな……」

 

「それに思ったよりもペルソナを多く使っちゃったし……」

 

「それじゃあゆかり、これを飲みなよ」

 

二人いる青年のうち一人は腰に着けているポーチから一本の栄養ドリンクのような物を取りだし、ゆかりと呼ばれた少女に渡す。

 

「ありがとう、リーダー」

 

少女はリーダーと呼んだ青い髪の青年から栄養ドリンクを受けとる。

 

青年が渡した栄養ドリンクはモロナミンGと呼ばれ、彼らが飲むと不思議と精神面の疲労が和らぐという不思議な飲み物である。

 

「ゆかりの持つペルソナの回復能力はとても役に立つけど、回復なら僕も出来るからあまり無理はしないで」

 

リーダーと呼ばれている青年はゆかりのことを気遣いながら進んでいく。

 

それによりゆかりは“ありかとう”とお礼いい、三人でさらに奥へと進んでいく。

 

『リーダー、この階誰かがいます! 探してください!』

 

そして上っていた階段を上りきったとき三人とは違う少女の声が聞こえてきた。

 

そしてこの階のどこからか少女の泣き声も聞こえてくる。

 

「うし! さっさと見つけるぜ!」

 

新しく聞こえてきた少女の言葉を聞いたキャップを被り、顎ヒゲを生やした青年である順平はやる気を新たにする。

 

『!? 急いでください! この階にいる人に向かってシャドウが集まりはじめています!』

 

「「「っ!?」」」

 

三人に今までとは違った緊張が走る。

 

シャドウに襲われた人間は影人間と呼ばれる無気力な人間になってしまうが、シャドウに襲われるということはシャドウの手によって死んでしまう可能性もあるということ。

 

「風花、最短距離で向かえる道を教えて」

 

『分かりました』

 

青年の一言で風花と呼ばれた少女は最短距離を教え、三人は一斉に走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『リーダー! 次の曲がり角から新たにシャドウの反応です!』

 

シャドウとの接触がなく、尚且つ最短距離で走っていた三人に少女との距離がもう目と鼻の先と言えるところまで来ていたのに予想外のシャドウの登場。

 

「おいリーダー、ここはオレたちに任せて先に行け!」

 

「でも」

 

「女の子がシャドウに襲われちゃ意味ないでしょ。それにもうすぐそこなんだから」

 

「……分かった」

 

「へへ、戻ったらこの戦いのオレの武勇伝聞かせてやるからな」

 

順平のそんな言葉を聞いた青年はうっすらと笑顔を見せ、三人で曲がり角を曲り、青年はシャドウの合間を通り、少女のもとに走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うう……お兄さまぁ……」

 

三人が探していた紅い髪を腰まで伸ばした少女は行き止まりで泣きながら座っていた。

 

なんせこの搭にはシャドウという自分が知らない生き物がおり、シャドウはペルソナ使い以外の攻撃を一切受け付けなく、見た目も恐ろしい者が多い。

 

怖がるなと言う方が無理な相談だろう。

 

だが少女は知らない、自分の泣き声を聞いてシャドウが自分のもとに向かっていることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いた」

 

二人と別れた青年は少女のもとにたどり着いたが、二体のシャドウが少女に襲いかかろうとしていた。

 

「いや……来ないで」

 

二体のシャドウの一体は白銀と呼べる色の鎧を着た武者でもう一体は巨大な針のような物で首、腕、足を貫かれ、二体で一体と呼べるシャドウがいた。

 

そして武者は少女に近づき、腰に差して刀を抜き、少女を斬ろうとした。

 

「お兄さまあぁぁぁぁぁ!!」

 

少女は目を瞑り、叫ぶ。

 

青年はマズイと思い、左腰に差している小剣を抜き、少女の目の前まで走り武者の刀と唾競り合いをする。

 

(力はこのシャドウの方が上……このままやりつづけるのは部が悪い)

 

青年は一瞬の判断で武者の腰を蹴り、武者との距離を稼ぐ。

 

だがシャドウはもう一体おり、その一体はジャンプでもしたのか青年と少女の上空から二人を襲おうとしていた。

 

青年は焦ることなく小剣を左手に持ち直し、左腰に着けている銃を手に取り自分の頭に押しつける。

 

「……オルフェウス」

 

そして青年は小さくそう吐き、引き金を引く。

 

すると銃から弾は出なかったものの、青年の銃を押しつけた方とは逆の頭からガラスが割れたようなものが現れる。

 

そして青年の頭上にペルソナ……オルフェウスが現れ、オルフェウスは背負った竪琴を手で握ると上空から襲おうとしていたシャドウに向かって竪琴を降り、シャドウを壁に叩きつけた。

 

青年は壁に叩きつけられたシャドウをオルフェウスに任せ、青年は武者へと向かっていく。

 

武者は青年を敵として認識したのか向かってくる青年に鋭く、そして的確に急所を狙って斬りつけてくる。

 

今青年と戦っている武者のシャドウは強敵と呼ばれる種類のシャドウで今いる階層のシャドウではトップクラスの強さを持っている。

 

だが青年はこれまでも命をかけて戦い、満月には今まで戦ってきたシャドウよりも強力な大型シャドウと戦ってきたのだ。

 

その経験から武者の斬撃を必要最小限の動きで避けていき、刀を持っている武者の右腕を斬り落とし、続いて頭から一刀両断した。

 

一刀両断された武者は黒い霧となって消えていき、青年はオルフェウスの方に振り向く。

 

するとオルフェウスも竪琴でシャドウを叩き潰し、シャドウを消滅させたところだった。

 

そしてシャドウを消滅させたオルフェウスはまるで役目を終えたと言わんばかりに消え、青年は少女のもとに歩いていく。

 

「大丈夫?」

 

「……うん」

 

少女のもとに近づいた青年は腰を下ろし、少女の顔を見ながら優しく話しかける。

 

「今までよく我慢したね。さ、今から外に出て家族のもとに連れていってあげる」

 

青年は手を伸ばし、少女は震える手で青年の手を握る。

 

そして他の二人と合流すべく歩きだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リーダー、お疲れさまです」

 

「うん、風花もバックアップお疲れさま」

 

二人と合流した青年は風花のバックアップでシャドウがいない道を通り、エントランスへと戻ってきていた。

 

「ふいー、今日は結構疲れたな……」

 

「うん、思ったよりも長いことタルタロスに入ってたしね」

 

「その少女がタルタロスに潜り込んだ子か」

 

「はい。僕がこの子を家まで連れていきますからみんなは戻って休んでてください」

 

青年のその一言でみなタルタロスの外に出はじめる。

 

青年が言ったこともあるが、思ったよりも長いことタルタロスにいたのだ、そのためそろそろ影時間が終わってしまう。

 

だからみなタルタロスから出ていったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと、どこに住んでるのかな?」

 

影時間の中青年は少女を連れて港区を歩いていた。

 

影時間である以上タルタロスの外にもシャドウは存在するのだが、青年との力の差を理解しているのかシャドウは一切近づいてこない。

 

むしろ近づくと逃げ出してしまう。

 

もっとも、今シャドウの相手をしてるほど暇じゃないから嬉しい限りである。

 

「えっと……こっち」

 

少女は青年と一緒にいて大分落ち着いて来たのか体の震えや泣いたりしていない。

 

むしろ顔を赤くしながら青年を見上げたりしている。

 

「ここって……」

 

少女が案内した場所は白河通り沿いである。

 

青年からすれば以前大型シャドウとの戦闘がこの白河通り沿いのラブホテルであり、そこでの記憶が嫌な部類として残っている。

 

だがラブホテルが多いが、普通のホテルもあるのでおそらくこの少女は普通のホテルに泊まっていたのだろう。

 

そして少女に案内されていくうちに影時間が終わり、景色が緑色だったのがもとに戻る。

 

青年と少女は影時間が終わったあとも少し歩いていくと一つのホテルの前で足を止めた。

 

「リーアたん!」

 

するとホテルのそばから若い男性の声が聞こえ、少女のもとに走っていき、少女を抱き締めた。

 

「お、お兄さま!」

 

「よかった、よかったよリーアたん!」

 

男性は少女を抱き締めリーアたん リーアたんと叫んでいる。

 

(なんか、リーアたんって呼ばれるの恥ずかしそう)

 

青年はリーアたんと呼ばれるたびに恥ずかしそうにしている少女を見てそう思っていた。

 

「お、お兄さま。恥ずかしいのでそれぐらいに」

 

「あ、ごめんねリーアたん」

 

男性は少女から離れ、今度は青年の方を向く。

 

「君がリーアたんをここまで連れてきてくれたんだね。ありがとう」

 

「いえ、そんなお礼を言われることをした訳じゃないですから」

 

「いや、それではこちらの気がすまないよ。なにかお礼をしよう」

 

「いえ、結構です。これからはこの子と一緒にいてあげてください。では、僕はこれにて」

 

青年はこれ以上いるとめんどくさくなりそうだと思い、この場から離れようとする。

 

それにペルソナの使用やタルタロスでの戦闘は思った以上に疲れるため早く寮に戻って寝たいというのも本心の一つかもしれない。

 

だが、寮に戻るために背を向けた青年の制服を後ろから誰かに握られ立ち止まる。

 

後ろを振り向くと少女が顔を赤くしながら青年の制服を握っていた。

 

「あの、しゃがんでもらってもいい?」

 

青年は言われた通りにしゃがみ、少女と真っ正面から向き合う。

 

すると少女は青年に近づいていき、赤い顔のまま青年の頬にキスをした。

 

「な!?」

 

そしてその光景を見た男性は目を見開き、固まってしまう。

 

「きょ、今日のお礼……」

 

少女はそういうと顔を赤くしたままホテルへと走って戻っていってしまった。

 

青年は本能的に今そばにいる男性が正気に戻ると大変なことになると感じ、急いでその場から立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそこから数ヵ月後、青年は地球を守るため、強大なる存在に大いなる封印をしたのち、三月に亡くなった。

 

 

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