コードギアス反逆のルルーシュ Children in succession to will 作:ラムネ便
クレアの大胆な宣告から数時間後、全員が眠りにつき明日の作戦に備え始めていた。そんな中タキセは一人で艦首に設置されていた主砲のエンジンルームにいた。
「前回撃った主砲は所詮副砲程度。本当に主砲を撃つならヒューズ管が必要になってくる。だが主砲を本当に撃ったら核ミサイル五十発以上の威力。オーキスには整備しとけと命令されたが、、」
ノートパソコンを閉じるとジェネレーターに触れる。堅牢なジェネレーターは強大な内部エネルギーを作り出し反動でエネルギー弾を吹き飛ばす。空中に撃てば自然消滅するが地面や物質に当たればウイングゼロ以上の破壊力を生み出す。まさに主砲と呼ぶには相応しい。タキセは整備を進め終わらせると報告書にまとめて座席で眠りについた。
朝六時になり朝日がスカアハを照らす。全員起きると朝食を済ませて十時に鉱山跡に向かう。ベイリンやブレーン、黒金、キシ、ナオトはレーダーシステムで監視を続けユウにルーファス、オーキス、ニムバス、ユフィは格納庫で各々の機体の最終チェックを。司令席ではナヴィスとクレアが担当してナナリーは無人のレドーム搭載機でモニタリングしていた。
「メタルギアREXとクロスボーンの降下準備完了。ニムバス!強行用ワイヤーは?」
「設置完了です。司令」
「よし、、ユウ!ユフィ!ルーファス!先に降下を開始しろ。鉱山跡まで残り四百メートルもない。先行して敵勢力の偵察を行え。それと、、スザクは返して来いよ」
「えー⁈」
ユフィの気持ちも理解出来るがスザクには帰るべきところがある。シュナイゼルにも翌日には必ず帰ると伝えてしまいどうしようもない。
「ナイトオブラウンズを辞めてしまえば済ませては立場上あまりよろしくなくなる。だが安心しろ。スザク。いざという時はウチが雇うからな」
「はあ、、ありがとうございます」
『カタパルト解放一分前!スタンバイを!』
ブレーンの声が格納庫に響き渡る。それぞれ機体に乗りカタパルトへと移動していく。一番カタパルトから三番カタパルトまで解放してカウントに合わせてブルーや蒼炎、レッドフレーム、ユニコーンが大空に飛び立っていった。スカアハは艦体の上方に存在するレドームを出してレーダーを発し始めた。鉱山跡にはまだ来ていないが既に近くに斑鳩がこちらに来ていた。ユフィは斑鳩の真上を飛んでアヴァロンが飛んでいる後方支援陣形に向かった。その他はレーダーを地面に撃ち込んで情報戦の準備をしていた。
「レーダーポット撃ち込み完了。これより帰還します。ユニコーンがまだ来ていませんが」
『ニムバス。アヴァロンには接近するな。各隊員もレーダー網に罹らないよう注意しつつスカアハに帰還しろ』
「了解」
ナヴィスの指示でスカアハに帰還する偵察部隊。アヴァロンではユフィがスザクにあるものを渡してユニコーンに乗りスカアハへと帰路についた。
「スザク君。それは、、」
「何なんでしょうかね」
セシルが気になっていた封筒を開けると中からは体温計のようなものが入っていた。セシルがよくよく見てみるとそれはとんでもないものだった。
「え、、?」
「セシルさん?」
「え、、あ、、大丈夫!何でもないわ!」
セシルが見た体温計のようなもの。それはスザクがスカアハでやっていたことを示すとんでもないものだった。そう。検査薬だ。
「に、、妊娠させてる、、それも皇女殿下を、、」
飛んで行くユニコーンの中でユフィは少しだけ笑って呟いた。
「スザクごめんね。安全日って言うのは嘘だったの」
アヴァロンでは取り乱すセシルに何の事だか全くわからないスザク。ロイドも検査薬を見るとスザクに嫌な笑みを浮かべたあと回りながらランスロットの整備に向かった。ユニコーンはスカアハに帰還。そのまま格納庫に移送された。同時にオーキスがREXに乗りこみ降下の最終チェック、そしてクロスボーンは自動操縦に従い鉱山跡に構えた斑鳩の真上に向かった。
「オーキス!REXは高度二百までなら耐えられる。地上に降りたら存分に暴れてこいよ」
「ああ。行ってくる」
オーキスがキシに敬礼するとREXが強行突破専用コンテナに格納されてパラシュートと共に物質用カタパルトにセットされた。
『物資カタパルト発射カウントはいります。十。九。八。七。六。五。四。三。ニ。一、、発射』
ブレーンのカウント通りにカタパルトから勢いよく放たれてブースターで偵察用ポットと同じ座標に向かっていくコンテナ。REXの中でオーキスはラジオをつけてジャズを聴いていた。曲はジャイアントステップス。有名な曲だ。そんな中星刻は大宦官に騙され見事に立場を奪われてしまいブリタニア軍と戦闘していた。
「羽をつけただけのKMFに何ができるって言うんだい?」
ジノの攻撃を避けながら敵勢力のKMFを破壊していく星刻。しかし圧倒的機体スペックの溝を埋めるのは星刻でも無理だ。何故か出てきたモルドレッドの砲弾を避けなければならない中、不意に斑鳩の甲板に出てきてしまった天子を死守する為に向かった。しかしそこを狙われた。
「くっ、、フロートが!」
機体警報がフロート部分に集中しており飛ぶ事はこれ以上は無理なようだ。大量に飛んでくる鉄の暴風を備え付けの武装で守り抜くのも限界がある。そんな中ルルーシュは星刻に問いかけた。
「星刻。どうだ?これで理解したはずだ。貴様が残れるのはここだけだ。そして天子を守るのもな」
「貴様に頼るくらいなら死んだ方がよほどいい!」
「そうか。だが私は君に死んで貰っては困る。故に私は君にプレゼントを用意した。受け取るがいい」
砲弾を輻射障壁で防衛している間に斑鳩の甲板に降りてきたのはクロスボーン。銀に輝く機体はより大きく巨大な羽をつけていた。星刻はコックピットからでて天子を担ぐとそのままクロスボーンに乗り込む。輻射障壁が消えた瞬間大量の主砲級の砲弾が飛んでくる。
「この機体、、まさか、、」
巨大な羽で砲弾を全て受け止めビクともしないその機体はブリタニアですら未知の金属を使っている。しかし驚いたのはそこではない。彼が驚いたのは自分が使ったいたKMFと操作法がまるで同じことだ。
「おいおい、、なんなんだよあれ。戦艦級砲弾を防ぐKMFなんて聞いた事ないぞ」
ジノはそう言いながらもクロスボーンに攻撃を仕掛ける。しかし軽々と回避され挙句には発射したワイヤーごと引かれてビームサーベルで右腕を切断されてしまう。
「へえ、、意外と面白い機体じゃないか」
そんな中一つのコンテナが斑鳩の前に落ちてくる。パラシュートで落下速度は落ちているが勢いよくコンテナが削れていた。
「行くぞ、、REX」
コンテナを突き破り出て来たのは巨大な咆哮を上げた怪物のようなロボット。大宦官が指揮をとる戦艦が主砲をREXに当てるが傷一つ付きはしなかった。クロスボーンはそのままジノと戦闘に入る。REXは爆散型対空ミサイルを上空に撃ち爆撃機を全て撃墜した。
「ははははは!そんな武器じゃREXの装甲を撃ち破るなんて出来ない!ついでにお土産だ!受け取れ!」
REXの右に装備されたレールガンが余剰電気を出しながらチャージしていく。その間ルルーシュは斑鳩の防衛に蜃気楼を出して大宦官の通信記録を中華連邦に流していた。
「緊急入電です!首都で人民蜂起が発生!各地にて広がっています!」
「馬鹿な⁈何故このタイミングで?」
大宦官が驚愕するのも無理はない。ディートハルトのコネは大きく広げる事などは簡単だ。
「ディートハルト。よくやった。おかげで計画は実行された」
「いいえ。ゼロ。まだ広げる事はできますよ」
中華連邦の腐敗した政治家達の本音はブリタニアだけでなく世界中にも広がる。もはや止めることなど無理だった。
「全く、、全軍に伝えなさい。大宦官が連邦を代表する権利は失われた。我々が中華連邦を援護する理由はなくなった。撤退しろと」
「は!」
シュナイゼルの命令により撤退していくナイトオブラウンズ軍。オーキスはそれを確認するとレールガンの矛先を大宦官の乗る戦艦に向けた。
「さあ!その身で罪を償え!」
レールガンの放った砲弾は戦艦に直撃。三分の一を削りとって何人かの兵士は死亡。残る大宦官は星刻の刀で切り刻まれた。この後しっかりとした航空基地で会談が行われてオーキスはルルーシュと握手してシンフォニーの機体にREXを吊り下げながらスカアハへと帰って行った。専用の個室に戻ったルルーシュはオーキスの感覚に違和感を感じていた。
「あの男、、まるでシュナイゼルのようだ。だがシュナイゼル以外の何かも感じた。アレは、、俺なのか?」
続く!