コードギアス反逆のルルーシュ Children in succession to will 作:ラムネ便
中華連邦の騒動から四日。スカアハは深度九百の海の中にいた。それぞれが自分の仕事や役目を果たして休暇になっている。朝の四時半から騒々しくキシが操縦室に入って来た。
「オーキス!遂に完成したぞ!」
「んあ?」
座席で寝ていたオーキスを起こしてスリムな縦長銃を見せつけるキシ。ところどころ光っていて近未来感を出している。
「携行型レールガンだ!今のところ弾倉には三発しか装填できないがこれからは増やしていく予定だ!」
「携行型レールガンねぇ、、電力消費は?」
「一発につき単ニ乾電池六個分くらい」
「もうちょい軽減出来ないのか?」
話し合いをしていると巨大モニターに通信マーカーが表示される。受話マーカーをタッチするとそこに出て来たのはルルーシュだった。ゼロの姿をせずにため息をつきながら暗い顔をしていた。
「ルルーシュ?どうした?」
『はあ、、』
「ルルーシュ!」
『あ、ああ。すまない。シンフォニー。俺の存在を知る君達に頼みたいことがある』
ルルーシュがゼロとしてではなく個人的に依頼するというのは極めて稀だ。他の隊員達にゼロの正体を知られたのだろうか。それとも命を狙われているのか。
『事の発端は昨日の夜六時だ』
アッシュフォードの図書館地下に存在する秘密地下室に戻ったルルーシュ。咲世子が代わりを務めてくれたおかげで自分がゼロとは見なされていない。しかしそれのせいでとんでもない事態が起きていた。ルルーシュがいない間に起きた事をレポートにまとめるのも命令したのでそれを見ていると見慣れない報告がいくつかある。中でもルルーシュが一番驚愕した報告があった。
「シャーリーと⁈」
「はい。キスをさせて頂きました」
ナイトオブラウンズがアッシュフォードに来たので何としてでも素性を隠さなければならないのに余計面倒事になって来ていた。しかもシャーリーとキスしたなどという既成事実が残ってしまうとシャーリーにも気を回さなければならなくなる。ルルーシュの頭はこんがらがるばかりだ。
「咲世子さん、、失礼ですがそこまでする必要が?」
「はい。シャーリー様にこの司令室の事が明るみに出るよりかはいいかと。ルルーシュ様には円滑な人間関係を築くよう命令されていましたので」
ヴィレッタの質問に何食わぬ顔で返答する咲世子。本人が元々天然であった事を計算に入れなかったルルーシュのせいでもあるが。
「ルルーシュ様。明日のスケジュールですが」
「明日?」
渡された端末に書き込まれたスケジュールはゼロとしての仕事の他に大量の女子生徒達のデートが詰まっていた。彼女の性格は頼まれたら断れきれないところがある。その数はシャーリーを含めて百八人。咲世子はルルーシュに煩悩を振り払えとでもいいたいのだろうか。
「睡眠を三時間として百八人の女性と約束をさせて頂きました。キャンセル待ちは十六件。デートは六ヶ月待ちという事になっております」
もはや人気スイーツ店の予約レベルにまで達してしている。自分は見世物ではない。しかもこれだけ隙間なく埋め込まれてはスケジュールを見るだけで頭が痛くなりそうだ。だがここで諦めてはいけない。組まれたものは仕方がない。やり通すのが一番良い方法だ。
「分かった、、咲世子。明日の支度をある程度済ませておいてくれ」
「かしこまりました」
咲世子は司令室を出て行く。ヴィレッタはナイトオブラウンズの入学データをイスに置いてルルーシュの置いた端末を拝借してスケジュールを見る。常人とは思えない程の量だった。
「ルルーシュ。死ぬなよ」
「分かっている。だが、、確証は出来ないな」
そして今にたどり着くという事だ。
「まあ大変だな。お前も」
「待て!オーキス!なんでルルーシュはお前の事を知っているんだ⁈」
親しげに話しているがルルーシュとオーキスにはあまり面識が無いはずだ。それでも友人のように話せるのは疑問が生じる。
『会談した時に正体を明かしたからな。俺が隠したままではフェアではないだろう?』
「そういう事だ。あまり気にしない方がいい」
納得がいかない顔をするキシ。とりあえずオーキスは人の懐に入るのが得意という事でケリをつけた。ルルーシュの目はモニター越しでもわかるほど死んでいた。既に光がないのだ。
「で?依頼は?もう五時になる」
『ああ。依頼としては代わりに中華連邦の通商式にゼロとして行って貰いたい。出来るか?』
「場所は」
『斑鳩の甲板にあるデッキで行う。滞在時間は三十分以下で済ませてくれ。その後は二時間待ってからショッピングモールに向かってくれ。俺が渡す写真の生徒がいる。次は一時間後に水族館へ』
何枚か送られてきた写真を端末に移動するオーキス。同時に咲世子が組み込んだスケジュールも送り込まれてきた。オーキスも目をみはるものがあり一人でこなすには代役が必要だ。そしてスケジュールの最後に記載されていたのはシャーリーとのデートだった。
『やれるか?』
「問題ない。丁度艦の一斉点検をするところだった。依頼の通りにすると最後の奴もする事になるがいいのか?」
『いや、、彼女は色々誤解があってな。対応は俺がやる』
「了解した」
通信が切れてモニターには砂嵐だけが残っている。オーキスはキシを連れて格納庫に向かった。偶然にもそこにはE.Eがいた。
「お前、、よく格納庫にいるよな」
「数十年間は整備士だったからねぇ。機械の前で死ぬのが本望だよ」
「いやお前死なないだろ」
冗談を交わしながら笑うE.E。エクストリームの整備は完全に終わっているという事なのでオーキスはエクストリームを起動。OSのカスタムを始めた。
「タキセが開発したOSは気に入らないのか?」
「そんな事はない。ただ細かいところで動き難い箇所がある。それを修正するだけさ」
そういうキシの幻月XもOSは全てタキセが開発している。というかスカアハにある機体全てにタキセが開発したOSを搭載していて整備の簡略化を図っている。それぞれ細かい箇所は違ったりするが”パイロットの好きな様に設定出来る”という利点だけは全ての機体に共通している。最近来たブルーウルフもスカアハでタキセのOSに書き換えている。
「E.E。少々聞きたいことがあるんだが」
「ん?私に答えられる範囲なら幾らでも答えるけど?」
「高校の女子生徒と付き合う時に注意した方がいい事はあるか?」
E.Eは一瞬凍りついた。平然と言った発言は浮気どころか犯罪の匂いしかしない。これは止めなければならない!
「オーキス、、ちょっと考え直したら?ほら、クレアも妊娠してる事だし浮気っていうのも、、。そもそも高校生とデートする事自体が犯罪臭漂うといいますか?何というか、、」
「E.Eちゃん。落ち着いて。これ任務だから」
「にに、、任務⁈何⁈金払うからみたいな⁈」
キシが伝えたい任務とはルルーシュの依頼の事だがE.Eから見ればただ単に浮気。更に悪い条件を追加すれば漢字二文字通りの事をしている事になる。
「まあ、、金は貰うかもしれないけど」
「なら尚更止めなきゃいけないじゃん!」
完全にE.Eは今でいう援○を考えている。勿論そんな訳ではない。あくまでもルルーシュの代役でありオーキス自身は高校生と付き合わない。端から見ればただのカップル。代役だと気づかれなければそれでいいのだ。だが彼女には全く伝わっていないようである。
「キシ。ルルーシュの言っていたことをそのまま伝えていいぞ。面倒だしな」
「ああ。言いたいさ。でも、、ね。ちょっと身体が痺れてきた、、か、、な」
キシはそのまま倒れこみ動けなくなった。E.Eも顔が青ざめている。オーキスはキシに近づこうとエクストリームから降りると後ろにいたのはクレアだった。誤解が誤解を招くというがまさにその通りだ。ニッコリと笑っているクレア。右手にはキシに刺したであろうシリンダーと注射針があった。しかしオーキスは逆に困る事なくクレアに事情を説明する事にした。
「クレア。薬品を俺に打ち込むのは聞いてからでも遅くない。だから聞いてくれ」
クレアに事情を全て説明するオーキス。なんとか理解して貰ったがやはりオーキスが代役とはいえ他の女性と付き合うのが気にくわないらしい。だからと言って他の部下を巻き込むのも悪い気がする。そこでオーキスはある人物を代役にさせる事にした。
「ナヴィス!頼みたい事がある」
「なんだ?また外に行くなら俺が指揮を執るが」
「いや。今回は逆だ」
「は?」
イギリス以来ほとんど外に出ないでスカアハで指揮を執っていたナヴィス。彼を出せば問題ない。理由はいくらでもあるがクレアを納得させるにはナヴィスを代役に立てるしかない。キシを出せば何をやらかすか分からない。ルルーシュに怒られるのは目に見えている。オーキスは地毛が金髪だが彼なら黒髪なので変装も軽めで済む。話を進めた結果ナヴィスは承知してくれた。
「済まないが誰かアシストをつけてくれ。俺だけだと不測の事態が起きた時に対応仕切れない」
「あー、、誰にしようか」
なにをしでかすか分からないキシでも女性へのエスコートは上手い。更にナナリーとユフィをつければ恐らく問題はない。コレで決定したナヴィス達は午前六時にスカアハを海上に浮かばせてブルーウルフに乗り発艦準備に入る。キシの痺れはなんとか取れて歩けるくらいには治癒している。
「ナヴィス。あとは頼んだ。キシ!ルルーシュのスケジュールは端末に反映しておいた。くれぐれも本物と鉢合わせするなよ。ユフィとナナリーはキシが下手な真似をする前に抑えてくれ。通商条約は斑鳩まで行く時にナヴィス以外は必ず光学迷彩でコックピットに。注意事項はそれだけだ」
『ブルーウルフ二号機はカタパルトへ。発艦まで一分を切りました』
無機質な自動音声が鳴り響きブルーウルフのコックピットが閉じる。キシとナヴィスはオーキスに敬礼してカタパルトへ向かった。オーキスは操縦室に戻ってルーファスのモニターまで行く。
「ブルーウルフ二号機はカタパルトについたか?」
「はい。残り三十秒で射出します」
ルーファスが担当する一番カタパルトが開いてブルーウルフが乗る。狭いはずのコックピットには改造がされており四人くらいなら乗れるようになっている。
「ナヴィス司令!グッドラック!」
『thank you!』
カタパルトからブルーウルフが射出されて海上を上昇していく。最初は斑鳩で行う条約の締結。上手くやれるかどうかはナヴィスにかかっている。
「行ったね」
「デンファレか。どうした?オンシジュームもいるじゃないか」
「思い出した事があったんだ。咲世子とか言う人、、確か結構強い人だった気がする」
「世話係がか?」
「お兄ちゃんは知らないだろうけどただのお世話係じゃないみたい。アッシュフォード家に雇われた篠崎流の三十七代目当主」
そういってオンシジュームが見せてきたのは篠崎咲世子の経歴データ。明らかに改竄されているが身体能力は常人とは思えないほど高い。オーキスはシンフォニーのデータにリンクして調べていると面白い事が分かった。SPの家系である篠崎家からは何人か優秀な人材が輩出しており三人程シンフォニーが雇っていたのだ。特に身辺警護を担当していた。
「篠崎家には世話になってんだな、、ウチも」
続く!
少し分からなくなっている可能性があるので人物を書いていきます!
ただし現在スカアハに乗っている人物のみです。
1オーキス・シンフォニー
2ナヴィス・シンフォニー ちなみに二人は親戚。
3デンファレ・シンフォニー : 元ロロ。本当の兄はオーキス。
4オンシジューム・シンフォニー :元アーニャ。 三番目。上記と同様。
5クレア・シンフォニー: オーキスの妻。
部下(関係上)
6ブレーン・クロウス
7紅月ナオト
8軍司キシ
9ベイリン・フォール
10黒金 翔
11ルーファス
12ニムバス
13ユウ
14ナナリー
15ユーフェミア
16E.E
17タキセ