コードギアス反逆のルルーシュ Children in succession to will 作:ラムネ便
デンファレが行った先には謎の花園が存在していた。今まで見てきた遺跡と夕暮れだけの景色ではない。しかし甘い花園の中に一箇所だけ血腥い香りと返り値を被る誰かがいた。その目にはギアスを持ち左手に銃を持っている。デンファレはシングルアクションアーミーを構えた。
「自分と戦うのは初めてだから・・・あまり容赦出来ないな」
『君が別世界の僕か。つまりこいつを倒せば兄さんについていける。あの黒の騎士団なんかいらなくなる!』
別世界のデンファレ・・ロロはギアスを展開した。別世界にいる彼も同じように時を止める事が出来るみたいだが面倒な事に心臓を気にしていない。余程心臓が強いのか時間制限式なのか判断するには材料が少ないデンファレは一瞬で眼前まできた銃弾を避けてギアスを発動した。
『君もギアスを・・でもそうさ。僕以外の僕は心臓が弱いからそんなに持たない。ギアスを出したところで勝ち目なんてない』
「それが甘いよ。僕のギアスは最早時を止めるギアスじゃないんだよ」
SAAをしまったデンファレは手からマイナスネジを出してきた。ロロはそのネジを見ても何も感じない。これはE.Eがデンファレを彼の様にならないで欲しいという思いと”過負荷”の能力に耐えうる精神力は彼しかいないのが理由だった。ギアスはロロから見ればただ出ているだけであり素人が銃を向けて脅しているにすぎない。しかしデンファレの中で勝利は確信されていた。何故ならば黄昏の間で死ぬことはなくても肉体はとられるだろうが魂まではとられない。たとえ負けようとロロに勝てる。
「僕の象徴であり兄さんに再会するまで溜め込んだ負の感情。”大嘘つきの脚本家”」
『ふざけるのも大概にしたら?君のギアスなんかはどうでもいい!』
時を再び止め大量の銃弾を固定したロロはリロードを済ませた上でギアスを解除。銃弾はデンファレに向かっていき全弾が彼の体を貫いた。血を吐きその場に倒れこむと動かなくなった。ロロは肉体を回収しようとデンファレに近づいた。瞬きをしたあと彼の死体は消えた。ロロが後ろを向くと学生服を着てマイナスネジを両手に持つデンファレがいた。
「流石クマ先輩のスキル。E.Eさんも再現には苦労したろうに」
『こんな事が・・・⁈』
「これこそが僕のギアスの本領。”現実を虚構にし設定を変えるギアス”。そうだね・・名付けるのならば手ぶらジーンズ先輩のままでいこうかな。僕のギアスは通称”オールフィクション・メーカー”」
現実を虚構にする。つまりデンファレはロロに”殺された”という現実を虚構にしたのだ。流石のクマ先輩でもE.Eでも人を蘇らせるスキルやギアスを創ることなど到底出来ない。人の死から背く事は世の理に反する事だからだ。だが死が”無かったこと”にするならば反する事など一切ない。E.Eが考えたオールフィクション・メーカーの利点はそれだけではない。本来のブックメーカーのシステムを大幅にいじって”自分と同じように弱くするスキル”から”好きに設定をいじれるスキル”に改変された。つまりオールフィクションの致命的弱点であった”無かったことを無かったことに出来ない”というところを改変して”無かったことを無かったことに出来る”ようになっているのだ。
「君が死のうと気にはしないよ。だって【僕は悪くない】んだから」
『その奇怪なギアスをどこで!』
「さあ?君に教えるような事は一切ないよ。僕はただクマ先輩のように蹂躙する事だけ」
ロロは銃を構えデンファレに向けた。しかし手にあげようとしたモノはなくなっており金属の感覚すら消えてしまった。次にナイフを投げ込んだがナイフすら消え最終的にはロロの周りから金属製品は消え去った。
『銃もナイフもない・・さっきまであったはずなのに⁈』
「ん?簡単な話じゃないか。僕は一時的にこの黄昏の間から”金属”という概念を消しただけだよ?」
しかしネジは未だにデンファレの手中にある。いったい何故か?あくまでもデンファレの出しているネジは象徴であり金属ではない。殺傷力はあろうと金属ではない別の何かなのだ。有り余る欠陥を持つのが人間だがそれを補うように道具を創り出してきた。それと同じである。
『僕は・・道具のまま消えていけないんだ!自由を勝ちとる為にも!』
「だから自由を求めたいとでも?分かっていないね」
ロロは最後に隠していたカーボンナイフを投げた。金属という概念がない中での最後の武器に等しい。しかし見事に破壊され巨大なネジを締められた彼は声にならない涙と共に消えた。ギアスを解除したデンファレは手のネジを消して地面に刺さったままのネジを見た。
「いいかい?雨の中、街で踊る人がいてもいい。それが自由というものさ。君は晴れたところでしか踊る事は出来なかったみたいだけどね」
ネジも消えて扉に入っていくデンファレ。その後ろ姿にはニヤついた顔が見えていた。
「あーあ。”また勝てなかった”」
続く!