コードギアス反逆のルルーシュ Children in succession to will   作:ラムネ便

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3年待たせたな!だが!終わらせないとまずいんです…


防衛ライン

 

炎に包まれる学園都市。破壊されていく装甲板。だが耐えなければならない。我々は、このような瞬間の為に備えてきた。例え試作兵器を奪取されようとも我々は耐え抜かなければならない。必ず援軍は来る。それを信じて、戦うほかはない。

 

《敵部隊第2防衛ラインを突破!畜生!なんて奴らだ!》

 

《援軍はまだなのか⁈こんな弾幕の中じゃ…》

 

《3番機がやられた!だめだ!防衛ラインが崩壊する!》

 

《だれかいないのか⁈俺しかもう生き残っていないのか⁈頼む!だれか救援を!》

 

悲鳴に包まれる無線通信。特殊装甲板をもってしても止められない敵の進行。奇跡などは起きない。奇跡は起きなかった。厳島の男は、ただ自身の無力さを前に容赦なく立ちはだかる壁に向かって走り続ける他なかった。

しかし、しかしそれこそが、その意思こそが厳島の男の本領である。

 

「藤堂司令…!これ以上防衛ラインを維持することはできません…!」

 

《こちらα1!退却する!》

 

《敵の攻撃は苛烈!繰り返す!敵の攻撃は苛烈!》

 

「…まだだ」

 

「しかし!」

 

「敵の大規模侵攻。そして奇襲に近い電撃戦。我々は…まだ負けていない」

 

厳島の男、藤堂はわかっていた。敵が大規模な侵攻を仕掛ける理由を。例えここがフレイヤ爆心地の跡地を利用したジオフロントでブリタニア・日本の合同軍駐屯拠点であったとしても、戦力はここ以外にも多数ある。わざわざ合同軍に攻撃を仕掛けるのは、ここが『最も叩かなければならない重要拠点』であるからに他ならない。

かつて日本がまだエリア11と呼ばれた時代。自分らの仲間が取ろうとした作戦。敵主力部隊を電撃戦にて奇襲し、武器食料弾薬をまるごと利用する。無謀にも見えるが、精鋭戦力で奇襲しピンポイントで局所攻撃すれば決して不可能ではない。

 

「…⁈藤堂司令官!」

 

「やはりな…敵の狙いは、ここそのものだったか」

 

《敵の攻撃が弱まったぞ!反攻作戦だ!装甲板を盾にしろ!各個撃破で前進する!》

 

《こちらαチーム。なんとか復帰した。これより敵部隊に攻撃を仕掛ける!》

 

奇襲に近い攻撃に加え、瞬間火力で押し込む。考え方は悪くなかったがこの藤堂、その程度の作戦が見抜けないわけはない。我々も同じ道を歩こうとしていた。だからこそ、この戦い方には既視感があった。いつか弾薬類が尽きてくる頃合いが必ず出てくる。ハドロン砲とて、無限に撃てるわけではない。エネルギーが底を着けばただの鉄塊に成り果てる。

そして、ここまで来れば奴らが出してくるであろうものは容易に想像できる。

 

「対実体弾迎撃フレイヤ起動しろ。目標、敵砲台」

 

「フレイヤ弾セット!発射用意!」

 

「敵砲台、発射位置に入りました!解析の結果、5式実体弾と確認!来ます!」

 

「弾頭、時限信管をセットしろ」

 

「速度計算及び距離計算完了!時限信管設定完了!」

 

「味方機へ通達!これよりフレイヤ弾頭を使用する!各位、特殊装甲板の下へ!」

 

「フレイヤを投射しろ」

 

「フレイヤ、射出します!」

 

基地VLSから放たれた1発のミサイル。かつてここの基地を作る理由となった悪魔の兵器。だがそれらをうまく組み合わせれば、時に人々を守る盾にもなることを忘れてはならない。

 

「3…2…1…信管作動!今!」

 

時限信管が作動し、短い爆発が基地上空を包み込む。特殊装甲板に隠れていた味方機は無事だったが、敵部隊はフレイヤの強力な熱量を前になすすべなく溶けていく。発射されかけた5式実体弾はすぐさま蒸発し、凄まじい爆発音と爆風と共に敵軍隊は完全に殲滅された。

 

《イヤッホゥ!助かったぜ!》

 

《あれがフレイヤ弾頭か…!えげつないが、よくやってくれたぜ!》

 

《こちらβ2!敵反応無し!やった!俺たちは守りきったぞ!やったぞ!》

 

《奇跡だ!奇跡が起きたんだ!》

 

《普通なら負けそうだが、これだけ持ちこたえたのはすげぇ…》

 

《さすが厳島の男!藤堂鏡志郎!》

 

《負け戦だって彼についてけば勝てる!》

 

《奇跡の男か!》

 

ブリタニア人、日本人が関係なく誰もが藤堂、藤堂と勝利の雄叫びをあげる。しかし当の本人はまた別のことを考えていた。

 

「…藤堂司令官?」

 

「シンフォニーとの連絡は?」

 

「それが…未だに音信不通です…」

 

何が起きている?シンフォニーに連絡がつかない。日本ブリタニア合同軍がここにいたからこそ我々は持ちこたえられた。日本の国防軍にもブリタニアの騎士団にもここの襲撃についての連絡がついたことで今はこちらに全速で防衛戦力を回している。

12分後にはブリタニアと日本の軍が防衛部隊として急遽配備された。我々の戦いを知らない世代も多少はいる。だが、ブリタニア人と日本人がともに背中合わせで守り合う姿は感銘を受けた。これこそ、我々が追い続けた理想の結果だ。

しかしながらシンフォニーとは未だに通信がつながらず、更にはホットラインとして伸びているはずの枢木亭に連絡すらつかない。しかし我々はここを守らなければならない。無闇に動くことはできん。私も防衛司令としての役割がある。

 

《こちらブリタニア第28騎士団。藤堂司令官はいるか》

 

「聞こえている。どうした」

 

《貴殿が奇跡の男か。敬意を表する。だが今は暇がない。シンフォニーの連絡員をつれてきた》

 

「連絡員だと?」

 

《藤堂さん。お久しぶりです》

 

《ご無沙汰してます〜》

 

「スザクか!ユーフェミア皇女…いや、ユフィも無事だったか」

 

《私たちも心配してよ!》

 

《俺たちは生きてるぜー!》

 

「アーサーにアルテミス…どうやら、枢木一家は無事だったみたいだな」

 

《今シンフォニーは敵にネットワークをやられて専用の緊急封緘命令書に従って行動しています。藤堂さんにも送ります》

 

スザクから送られてきた封緘命令書にはシンフォニーのデジタルサインが書かれ、何もせずとも勝手に開く。そこには対ギアス饗団用の最終作戦が書かれていた。

現在、シンフォニーは神根島へ全力推進中。黒の騎士団と一部ブリタニア騎士団はコーネリアを中心とする特殊部隊と共にシンフォニーの戦艦に乗り込み、『オペレーション・クサナギ』を実行しているとのこと。

 

「ルルーシュらは無事なのか?」

 

《被害は無かったので今はみんな実家にいます。でもルルーシュだけ…》

 

《ルルーシュだけ、今はシンフォニーの仲間達と共に行動しています。おそらく、例のアレにケリをつけに行くつもりかと》

 

「なるほどな…。スザク。今はここに身を隠した方がいい。機体はないが…」

 

《機体なら自前のがあるから大丈夫大丈夫!》

 

《俺達だってそこらのKMFなんか蹴散らせるさ!》

 

その後、スザクとユフィの子供達が操る機体、バンシィとユニコーンが自動操縦で来たのは言うまでもない。

一方シンフォニー率いる特殊部隊は予定より早く神根島上空に到達。襲いかかるサンズオブパトリオットを蹴散らし、敵の本拠地に空挺強襲を開始。コーネリアの揚陸作戦群が空挺KMFにて神根島の敵最終防衛ラインまで肉薄していた。

 

「口ほどにもないな。先程までの戦力はまるで無かったかのようだ」

 

《気をつけろコーネリア。どこに伏兵がいるか分からん》

 

「分かっている。ルルーシュ。貴様に世話になるほど落ちぶれてはいない」

 

ルルーシュと会話しながら作戦を進行するコーネリア。そして降下から12分で見事に敵のKMFを全て撃破してしまった。

 

《総督!敵を全て撃破致しました!》

 

「総督はやめろ。私は少佐だ」

 

《し、失礼いたしました。コーネリア少佐》

 

「地上鎮圧部隊は進行を開始。神速で進め!GO!」

 

コーネリアの指示で神根島遺跡へ鎮圧部隊が進行する。数分後には隠れていた伏兵が全て完全に排除され、入り口が確保された。

 

「見事だコーネリア。まだ腕は腐っていないようだな」

 

「ルルーシュ。私はお前を許すつもりはない。はずだが…許さなければ前に進めない時もあると、最近思うようになった。ふっ…私も老いたからか、丸くなった気がする」

 

「ただ老けただけだろうが…」

 

「何か言ったか?」

 

「いや。コーネリア。例を言う。あとは俺の仕事だ」

 

「何言ってんだバカ。これは『俺達』の仕事だ」

 

並び立つ面々はかつての仲間達。ギアスを持つ男達に加えてE.EとC.C。過去のしがらみを全て捨て去るために、彼らは集まった。ついでに弱くなってしまったあの男も。

 

「待ってくれよオーキス。なんで弱っちい俺も連れてくんだよ…」

 

「キシ。いいか。落ち着いて聞け。お前は能力を取られた。だが…それはおそらく『こちらの世界だけ』の話だ。これから先はお前の力は使わない方がいいとあの狐は判断した。俺はそう考えた」

 

「…確証なんかないんだろ?」

 

「ない。だが俺には分かる。ここから先はお前に見ていてほしい。これが…俺達の世界の選択だ」

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