ソードアートオンライン~三刀流の使い手~   作:月球儀

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前回の回、指摘をいただいて修正しました。


九刀 The Last Battle

 

「偵察隊が全滅!?」

 

 

ヒースクリフは両手を組み合わせ眉間に深い谷を作り頷いた。

 

 

「昨日のことだ。迷宮のマッピング自体は、時間はかかったが犠牲者を出さずに済んだ。

だがボス戦はかなりの苦戦が予想された。」

 

 

ここSAOではクォーター・ポイントごとに強力なボスモンスターが用意されている。

七十五層も同様であることの可能性は高い。

 

 

「そこで君にも攻略に参加してもらう。

 予定人数は三十三人。七十五層コリニア市ゲートに午後一時に集合だ」

 

 

ソウは振り返って、部屋から出ていこうとするとヒースクリフから声を掛けられる。

 

 

「君には期待しているよ」

 

「・・・してくれないほうが心が楽になるんですけど。」

 

 

と言い、ソウは出ていった。

 

 

 

 

 

 

三時間後

ゲート前でソウは壁に背を預けていた時、不意に陽気な声を掛けられた。

 

 

「よう!ソウじゃねえか。珍しくお前も参加すんだな」

 

「クラインか。血盟騎士団団長に直々に言われたからな

 エギルお前も参加するんだな」

 

「おうよ。商売を投げ出して、来てやったぜ」

 

 

そんな他愛もない話をしているうちにヒースクリフが姿を現す。

自然に緊張が走る。

 

 

「欠員はないようだな。みんなよく集まってくれた。

 諸君の力なら切り抜けられる。―――解放の日のために。」

 

 

プレイヤーたちが一斉にときの声で答えた。

 

 

「では、出発しよう。」

 

 

そうして、ボスモンスタールーム直前の場所までコリドーを開く。

大きな扉の前でプレイヤーたちが一斉に抜刀する。

 

「死ぬなよ」

 

「へっお前こそ」

 

「今日の戦利品でひと儲けするまでくたばる気はないぜ」

 

「誰に言ってやがる。心配されるほど弱くねぇよ」

 

 

十字盾の裏側から長剣を音高く抜いたヒースクリフが右手を高く上げ、叫んだ。

 

 

「―――戦闘開始!」

 

 

そのまま、扉の中に一斉に走り出す。

中はかなり広いドームだったヒースクリフと戦った闘技場ぐらいはある。

だがいつまでたってもボスが現れない。

 

「おいどこに―――」

 

耐えられないと言うふうに誰かが口にしたとき

ソウに悪寒がした。

狙いを定められているような感覚

 

 

「上だ!!」

 

 

全員が見上げる。

それはとてつもなくでかく長い 百足。

 

 

「固まるな、動け!距離をとるんだ」

 

 

ソウの声で皆がハッとして動き出した。

どこに行けばいいか迷う三人の背後に落下する百足。

巨大な鎌で横薙ぎに三人を同時に斬り飛ばした。

三人のHPバーはあっけなくゼロになった。

 

 

 

「こんなの・・・無茶苦茶だわ・・・」

 

 

かすれ声でアスナが呟く。

百足は轟く雄叫びを上げ新たな一団に向かって突進して再び鎌を高く振り上げられる。と、その真下に飛び込んだ影があった。ヒースクリフとソウだ。

ヒースクリフは右側の鎌を

ソウは左側の鎌を迎撃する。

衝撃音と共に火花が飛び散る。

 

 

「ぐっ・・・」

 

 

このままのペースだったらソウの体力が持たない。

とその時、完璧にシンクロされた二本の剣が鎌を弾いた。

 

 

「俺たちも食い止める。みんなは側面から攻撃してくれ!」

 

 

全員の呪縛が解け、雄叫びを上げて百足の体に向かって突撃する。

直後に悲鳴が上がる。そこには槍上の骨のしっぽに薙ぎ払われていた。

第二撃高々と尾をあげ、数人が狙われる。

 

 

「くそ・・・」

 

 

キリトは歯噛みをするが、そんな余裕ない。

振り下ろされた尾槍は耳をつんざく音と共に止められた。

いつの間にか移動していたソウだ。

 

 

「死にたくなかったらしっかりと集中して動け!」

 

 

そうしてしっかりと踏み込み交差している二本の刀を斬り上げる。

そんな激闘は一時間にも及んだ。

 

 

 

誰もが地面に座っている時、クラインが消耗しきった声で聞いてくる。

 

「な、何人・・・やられた?」

 

キリトはマップをだし今いる人数と最初にいた人数を逆算する。

 

「十一人死んだ。ソウが色々止めてくれなかったらもっと死んでただろう」

 

「・・・なんだと・・・」

 

 

エギルも声に張りが全くない。

重い空気が包み込む。まだこの上に二十五層もある。

最後にラスボスと対面するのはあの男だろう。

そんな思考をこらしているうちにキリトはそっと右手に剣を持つ。

深く踏み込んだキリトの肩に手が置かれる。

 

 

「やめとけ。あれは多分開けてはならないパンドラの箱だ」

 

「そうだとしても、俺は確かめなければならない」

 

「キリト君・・・ソウ君・・・?」

 

 

その時にはもうキリトはソウの制止を振り切って

ヒースクリフに片手剣基本剣技《レイジスパイク》を繰り出した。

しかし、寸前に見えない壁に阻まれた。

メッセージには【Immortal Object】不死存在

 

ソウは頭を掻きながら深いため息をついた。

 

 

「どういうことなんですか・・・団長」

 

「これが伝説の正体さ。そうだろ?茅場晶彦」

 

「なぜわかったのか参考までに聞かせてもらえるかな?」

 

「最初におかしいと思ったときはデュエルの時だ。

 あの時のあんたはあまりにも速すぎたよ」

 

「やはりか。あれは私にとっての痛恨事だった。キリト君に圧倒されて

 つい、システムのオーバーアシストを使ってしまった。」

 

 

ヒースクリフはやれやれというような表情を見せた。

 

 

「確かに私は茅場晶彦だ。それに最上階で君たちを待つ最終ボスでもある」

 

「いい趣味とはいえないぜ?」

 

「だが、いいシナリオだろう?

 君はここの不確定因子だと思っていたがまさか四分の三で看破されてしまうとは」

 

 

そう言い、茅場は左手を振り、素早くウインドウを操作した。

キリトと茅場以外麻痺状態になっている。

 

「どうするつもりだ。この場で全員を殺して隠ぺいするつもりか?」

 

「まさか、そんな理不尽なことはしないよ」

 

 

微笑を浮かべて、首を左右に振る。

 

 

「こうなっては致し方ない。予定を早めて私は最上階《紅玉宮》で君たちを待つことにするよ

 だがその前に・・・キリト君。君にチャンスをあげよう。

 私と対戦するのだ。君が勝てば全プレイヤーがこの世界からログアウトできる

 ・・・どうかな?」

 

「・・・いいだろう。決着をつけよう」

 

 

 

目の前でキリトが激闘を繰り広げていた。

キリトを守ったアスナも消えた。

何もできずにただ地面に突っ伏しているだけだ。

懐からハンスが顔をのぞかせている。

キュウ、と声をあげる。

 

「ああ、俺はなんて弱い奴なんだろうな・・・」

 

そうするとトコトコと出てきて、俺の額をぺろりと舐める。

そうすると一時的に痙攣を起こし地面に倒れた。

 

 

「お、おい。大丈・・・」

 

 

ハンスのHPバーの上にはさっきまでなかった麻痺状態のマーク

そして、俺の体からさっきまでの痺れがなくなっている。

 

 

――――――身代わり。

 

 

直感した。シリカの使い魔のように戦ったり、回復しなかったハンスは

何の能力がないものかと思っていた。

 

 

ありがとう。

 

 

心の底からの感謝の気持ちだった。

そして、キリトのほうに目を向け走り出した。

 

 

 

 

攻撃ですらない動作に茅場は憐れむような表情を浮かべ、

盾で苦も無く弾き飛ばし、キリトの胸を貫いた。

 

 

「おらあああああ!」

 

 

茅場はハッとして声のほうを向き盾を構える。

 

 

『三刀流』

 

刀を水平よりやや下に構え、正面から茅場を見据える。

 

『瑞獣刻』

 

回転を加えて威力をあげる。

 

『逆鱗斬』

 

 

獣の爪のように横薙ぎに斬る。

茅場の盾は四つに分断され、ポリゴンの欠片となって四散した。

 

 

「おい、キリト!お前はこんな無様な姿で終わるのか!」

 

 

そうはいくものか。

キリトはシステムに抵抗して、すべての力をだし、茅場の胸に突き刺した。

 

 

無機質なシステムの声が響く。

 

ゲームはクリアされました。ゲームはクリアされました。

 

 

 

 

ソウが目を開くと、不思議な場所にいた。

そこには、キリト、アスナそして茅場がいた。

何やら話しているようだ。

 

 

「君にも驚愕させられたよソウ君」

 

 

茅場がそういい、キリトたちが振り向く。

 

 

「ソウもいたのか」

 

 

ソウはキリトたちの側に歩んでいった。

 

 

「君たちは私の知らなかったものを見せてくれた。

 色々勉強になったよ。」

 

「あんたにはお礼を言わないとな。

 俺に夢を叶えさせてくれてありがとう

 こんな事件を起こさなかったらもっと心を込めて言えたんだけどな」

 

 

茅場は苦笑を浮かべ、肩を落とした。

 

「さて、私はもう行くよ。ゲームクリアおめでとう」

 

茅場晶彦は音もなく姿を消した。

 

 

 

「俺たちもそろそろログアウトできるかな」

 

「そうだといいな」

 

「ねえ、最後に名前教えて。キリト君の本当の名前」

 

「桐ケ谷・・・桐ケ谷 和人 先月で多分十六歳」

 

「私は、結城 明日奈 十七歳です。年下だったんだね

 ソウ君は?それに最後に茅場晶彦に言った言葉って」

 

「ん?まあそのうち分かるだろ。

 俺は柊木 蒼月 十九歳だ」

 

 

そうして三人は消えていった。





どうでしたか?

技名作ってみました。なんか変かな?
ゾロの青龍印流水をモチーフに作ってみました。


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