世界変えるは天才少女と傭兵とバカップル二組   作:砂利道

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 …待たせたな

はい、というわけでお久しぶりの砂利道です!実に四か月ぶり!リアルでの不安ごとが解消され、また新たな問題に直面しながらも以前より軽くなった心で書いては消しを繰り返し、新作を書こうと浮気をしながらも書き上げました!!いやー、大変だった!設定を思い出すのもブランクを埋めるのも一筋縄ではいかず本当に難産でした…ですがご安心を、続きですよ!待っててくれた人がいたなら感謝を!怒っている人がいるなら謝罪を、ですが言えることはただ一つ、是非楽しんでいってください!では最新話、どうぞ!









…え?アニメ化ってマジ?


鋼鉄の絶望

バラバラと数百にも及ぶパーツが地面に散乱する。つい1秒前には人を軽くミンチに出来るほどの破壊力を持っていた警備用…というには些か物騒だが巡回していた自動人形(オートマタ)だったものだ。そしてその隣にはヒャッハー!な世界の髪型にされ気絶している‟軍”の制服を着た警備兵が転がっている。

 

「こっちは終わったぞ」

 

『こっちもー』

 

「…改めてこの戦力が異常という事が感じさせられるな」

 

「楽でいーじゃないすか」

 

「いやもうあんな髪型にされた警備兵が哀れで…で、どうだ?」

 

「かなりデカいっすね、外側は普通ですけど中がやたらに壁が分厚いし地下の作業場も広い。それに最下層には稼働はしてないすけど滅茶苦茶デカい‟何か”があります…って先輩もそれぐらい分かりますよね?」

 

ナオトは遮音性100%のヘッドホンを外してその超人的な聴覚をフルに使い眼下の工場の内部構造を探っていた。

 

「今回の場合の正確さはお前に軍配が上がるし代わりに俺が周囲の警戒をしてんだろうが、リューズちゃん4時の方向距離479」

 

『承知しました』

 

ナオトのすぐそばにいたリューズがものの数秒でハヅキの言った場所まで辿り着き巡回していた自動人形及び警備兵を無力化する。

 

「…これで全部っぽいな。マリーちゃん、終わったよ」

 

「そうですか、なら行きましょう。まぁこの面子では警戒も何も無いんですけどね」

 

マリーは悠然と工場へと向かって歩き始めた。

 

「ちょ、おい、待てよマリー!俺を置いてくなんて許さないぞ!アンクルちゃんに一番に会うのは俺なんだからな!」

 

「知らないわよそんなこと!」

 

「お前ら、暢気な…」

 

「ハヅキ」

 

「分かってますよ、ハルターさん」

 

前を歩くナオトとマリーを見ながらハヅキは不安げな顔を晴らすことは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は不審な工場への侵入のあまりのスムーズさにどうにもスッキリとしない気持ち悪さを感じていた。確かに戦力的にはそれぐらいできて当然のことだ。軍人上がりのハルターさん、どんな鍵も数秒と掛からず開けるマリーちゃん、襲い掛かる敵を虫を払うように蹴散らすイースとリューズちゃん、そして瞬時に全ての敵と地形を把握するナオトと俺、これでてこずる方が難しいと言わんばかりの過剰戦力だ。

 

『どうしたの?』

 

「いや…なんでもない」

 

イースが俺の様子に気付いたのか声を掛けてくるが俺は生返事しか返せなかった。工場内を歩き続けると広いドーム状の作業場に出た。ナオトがその真ん中に立ち床を指し言った。

 

「この真下、ここがさっき言った広い空間の真上だだ」

 

俺も手袋を外して床に触れると確かに広い空間が広がっていた。それもかなり奥深くに。

 

「近くにエレベーターとか無いの?」

 

「あるけど…これ、動いてないな」

 

「じゃあしょうがないわね」

 

そう言うとマリーちゃんはコツコツと床をノックした。

 

「えっと…マリー?なにしてんの?」

 

「切り抜くわ」

 

マリーちゃんは腰にぶら下げていた機械銃剣(コイル・スピア)を閃かせ床を宣言通りに切り抜き始めた。

 

「ちょ!?崩落を考えてくれ!!」

 

「大丈夫です、ちゃんと計算してますから」

 

「天才マジでパナいな…」

 

そして一分後、ぽっかりと床には穴が空いた。

 

「おいハヅキ、これ深さどれくらいあるんだ?」

 

「74850メートルです」

 

「約75キロ…?そりゃ大支柱(コア・タワー)の低部より下だぞ?本当にあるのかよ…」

 

「なんだよオッサン、疑ってんのか?」

 

「信じてるからこその疑問だ。…流石にその高さから落ちるとなると俺の脚が持たねぇな」

 

『ではそこのガラクタはゆっくりとどうぞ。ナオト様、失礼します』

 

リューズちゃんはひょいとナオトをお姫様抱っこをすると穴から飛び降りた。

 

『じゃあハヅキ、私達も…』

 

「イースさんや、出来ればおんぶでお願いします。なけなしの男の尊厳は崩したくないんで」

 

『了ー解!』

 

たとえ人間で無いとしても見た目可憐な女の子なので絵面的にお姫様抱っこは避けたかったお年頃です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストン、と何の衝撃もなくイースは真っ暗な中着地をした。こう言うところマジでオーバーテクノロジーだな。

 

『真っ暗だね』

 

「だな」

 

「あ、先輩来たんすね」

 

「ああ、で?何かあったか?」

 

「いや、相変わらずものすごくでっかい建物があるのは分かるんですけど…」

 

「お前がそれ以外のことが分からないのか?」

 

「なんか音が変な反響をしてぼやけるんすよね」

 

音が乱反射しているのだろうか?だがナオトは人ごみの中から何キロも離れた密閉空間の作業音を聞き分けらるんだぞ?

 

「ナオト―、ハヅキさーん!いますかー?真っ暗で何も分らない…」

 

「マリー!灯り持ってるか?」

 

「は?灯り?ええっと…照明弾があるわよ」

 

「早く照らしてくれ!コレが何なのか分からないんだ」

 

「…あんたが分からないなんてよっぽどね、分かったわ、ちょっと待ってて」

 

この二人の会話の最中、俺とイース、それにリューズちゃんとハルタ―さんは一言も喋らなかった。いや、喋れなかった。それは今俺たちのすぐ近くにある物を見てはいけない、そんな予感があったからだ。それを見たら二度と引き返せなくなりそうだったからだ。

 

シュボッという音が弾け、上へ打ちあがった照明弾はその未知を照らした。

 

「な…」

 

『これは…』

 

『ちょっとまずいね…』

 

「なんの冗談だよ…」

 

俺たちは誰も二の句を告げなかった。俺たちの目の前に照らされたものはそれだけの物が鎮座していた。

 

「なによ、これ…」

 

「決まってんだろ、お姫さん」

 

マリーちゃんの呻き声にも似た言葉にハルタ―さんが答える。

 

「…ろくでもねぇもんだよ、くそったれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺たちの目の前に現れたのは鋼鉄の山脈としか例えられない程巨大な建造物だった。余りにも巨大すぎてその全容は捉えられない。俺はすぐに両の手袋を外してその鋼鉄に触れた。直後俺の中に叩きつけられる膨大な情報、そのあまりの多さに一瞬意識が飛びかけた。だが違和感があった。()()が何なのか分からないうちに俺は忘れてしまった。

 

『ハヅキ!』

 

「だ、大丈夫…ナオト、大きさは分かるか?内部構造は若干把握できた」

 

「…音が変な反射してるんでハッキリとは分からないすっけど、奥行き932メートル、高さは320メートルぐらいっす」

 

「なによ、それ…」

 

「俺から付け加えると内部にある歯車はどれも感じたことのある馴染み深い物ばかりだったよ」

 

『それはもしや…』

 

「時計塔のパーツが丸々使われてるよド畜生!それでも遥かに足りない!これはこの街以外にも都市機構を殺して使われてやがる」

 

「先輩、これってもしかして…」

 

「もしかしなくともそうだよ…これは、‟破壊兵器”だ。それも町とかって単位じゃなくて都市そのものを破壊するためのな」

 

俺は睨みつけながら答える。

 

「思いっきり国際区画管理機構(ISS)の軍事力保有制限協定無視してやがんな」

 

「第一条の[都市機構、ひいては惑星機構に致命的損傷を与え、人類の生存圏を著しく脅かす一切の大量破壊兵器の研究・製造・保有を永久に禁ず]、ね」

 

「なぁ、素人意見だけどこれって相当やばいよな?」

 

「ええ、当たり前でしょ?これを見て安全だっていう馬鹿が居たら国は安泰でしょうね」

 

俺は両手を足元につけて目の前の存在ではなくその周囲を観測した。するとそう遠くないところに部屋があるのを見つけた。俺はその場から走り出した。

 

「おいハヅキ!どこに行くんだ!」

 

「小部屋を見つけた!そこに行けばこいつの事が何か分かるはずだ!」

 

「待て!単独行動をするな!」

 

『私が行くから大丈夫!リューズちゃん、悪いけどあとお願い!』

 

『分かりました、お気をつけて』

 

俺とイースは小部屋へと走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!待て!」

 

「ハルター、落ち着きなさい!イースが居れば大抵のことは何とかなるはずよ。それよりも今はこれを止める方法を調べないと…」

 

「それを今先輩は探しに行ったんだろ?」

 

「あの人だけに任せられるわけないでしょ?こっちはこっちで模索しないと…リューズ」

 

『はい、馴れ馴れしくもなんでしょう?』

 

「この外装、あなたの鎌で壊せる?」

 

リューズは体の向きを変えて視認のできない速度で鎌を振るった。だが鎌は甲高い音を出しながら弾かれた。リューズは珍しく目を見開く。

 

『…驚きました。どうやら人類さま方の蚊の如きお脳でも‟すごくかたい”とお馬鹿の一つ覚えに特化させれば存外意味を成すようで…新発見です』

 

「…で?壊せるの?壊せないの?」

 

『マリー様はタングステン合金を包丁で切れるかと質問なさるほど残念な知能をお持ちで—』

 

「結論を言え!」

 

「…マリー、まずい。今ので居場所がバレたみたいだ。足音が42、殺す気満々の多脚の重い音が18来てる」

 

「チィ!さっさとハヅキさんと合流して逃げるわよ!」

 

マリーは身を翻して出口へと逃げようとした。が、

 

「…ん?」

 

「—とまれ、お姫さん」

 

ハルタ―が低い声でマリーを止めた。切れ始めた照明弾が照らせないギリギリの所をハルタ―は睨みつける。その時点で気配に気づけたのは二人だけ。ハルタ―が睨む方向に全員が目を向ける。そこにいたのは一人の幼い少女だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は全力で走り辿り着いた小部屋の扉を乱雑に開けた。

 

「ビンゴ…!」

 

そこは所謂作業の指示を出すコントロールルームだった。机の上には設計図と思われる紙の束が置かれていた。

 

「イース!そこら辺にある紙の束を集めてくれ!」

 

『分かった!…ねぇ、ハヅキ』

 

「なんだ?今は時間が…」

 

『なんでそんなに必死なの?』

 

「なんでって…あんな危険なもん放置できるかよ」

 

『いや、それは分かるの。でも今のハヅキはそれ以外の何かに焦ってるように見えて…』

 

イースの言葉に俺は首を傾げた。俺が焦っている…?確かに焦ってはいるがそれは破壊兵器を見つけたからで…

 

 

 

 

 

─いや、違う。あの時、あの鋼鉄に触れたとき、何か違和感があって、それが何なのか思い出したくて…

 

 

 

 

 

「…待て」

 

なんで俺は今、()()()()()()したんだ?あの兵器は今日初めて見たはずだ。

 

「なんで…」

 

『ハヅキ!あったよ!』

 

「ッ!どれだ?」

 

イースが見せてきたのは一枚の紙だった。どうやら計画承認の証書のようであの兵器の概要が書かれていた。

 

「複合電磁式戦略級機動兵器・[八束脛(やつかはぎ)]…責任者は、比良山ゲンナイ」

 

『ご丁寧に政府の承認まで得てる計画だね、電磁技術なんて…下手したら自分たちもただじゃすまない力なのに』

 

「千年前の人類は普通に使いこなせてたんだ、だったら使えない道理はない。それにこれを使いこなせれば軍事力においては圧倒的な優位に立てるはずだ」

 

俺は計画の始まった日付を見た。

 

「計画は30年前に始まってる」

 

『30年前って確か滋賀がパージされたのと同じ時期だよね?何か関係が…』

 

「…京都の事件を考えればなんとなくだけど想像はつく」

 

『…今私も思いついちゃった』

 

恐らくイースも同じことを考えた筈だ。滋賀の30年前のパージは恐らく証拠隠滅、滋賀で電磁技術の実験をしていて何らかの事故により発覚しそうになった。だから政府は急遽滋賀をパージして無かったことにした。そんなとこだろう。

 

「…腐ってやがる」

 

『ハヅキ、まだ憶測だから…』

 

「ほぼ確定だろうよ、それよりも次は動力についての設計図だ。動力さえ何とかすれば…」

 

『これ、かな?』

 

イースがでかい紙を持ってきた。どうやら当たりのようだ。

 

「よし、見せてく…」

 

『ハヅキ?』

 

俺は動力の設計図を見た瞬間、思考が止まった。それは動力そのものが電磁気を用いたもので自動人形(オートマタ)では近づく事が難しい事でも、932×320というとてつもなく広い空間に()()()()()個も散らばっている事でもなかった。

 

 

その動力の構図、そして動力に付けられた名称。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 親父とお袋は俺の両腕の異常を治すためにありとあらゆる方法を模索していた。そこには違法と知っておきながらも手を出していた領域もあったのだろう。

 

 

 設計図に書かれていたのは、幼い頃、入ってはいけないと言われていた両親の書斎に入った時に見た設計図。それは刺激に過敏すぎる俺の腕を治すための最終案、義手化。結局それはされなかったが、機械の腕でも熱や痛み、圧力すら感じられる()()()()の構想。その生体電流を流すための補助機構。それと酷似した動力配置。そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神連・伊波式電磁動力という親父とお袋の旧姓が付けられた名称だった。




誤字や矛盾があった場合はぜひ感想に、勿論普通の感想も歓迎です!あ、でも中傷はご勘弁ください。

良かったらこちらも来てください、ほとんど呟いてませんけど…
@arklove19




アニメ化が発表されたというのにSSが増えて無い…だと…!
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