今回の話はシリカかが主人公(?)
*この作品は私が書いている《ソードアート・オラトリオ》の番外編となっております。
キリトがこの迷宮都市オラリオにやってくる前、彼女たちの冒険はすでに始まっていた。
そして、今日もまた彼女たちは謎多きダンジョンに冒険に向かう。
「ほら!シリカ、遅いわよ!」
ピンク髮が特徴的な彼女はリズベット。
「待ってくださいよリズさん!そんなに急がなくたってダンジョンは逃げませんよ。」
そして、茶髪に髪を左右で結んでているのはシリカ。
「なーに言ってんのよ。もうユウキとシノンは集合場所にいるわよ!」
リズはシリカを急かして、はやくバベルの塔の前の噴水に向かうとする。
今日は久しぶりに故郷にいた頃から仲良しの友達とダンジョンを冒険しようということになったのだ。
しかし、シリカとしてはモンスターフィリアの時期が近づいてきてるいるため、モンスターのテイムの練習で疲れているのであんまり動きたくないのだ。
(うう…でも、みんなとも会いたいし気合いいれていかないと!)
重い足をなんとか動かして待ち合わせの噴水前に行くと、そこにはすでに待っている二人の少女がいた。
「遅いよ二人とも!待ちくたびれて先に行っちゃうとこだったよ。」
「何言ってのよ。ユウキこそ寝坊して今来たばっかりじゃない。」
「ああ!ちょっと、なんでばらしちゃうのさ!」
始めに声を出した彼女はユウキ。黒い髪に赤いヘアバンドが特徴的だ。
そしてに次はシノン。青い髪にすこしきつい目をした女の子だ。
「さて、そろったしそろそろいきましょう?」
「シノンの言う通りね!さっ、行きましょう!」
シノンの言葉にリズが頷きさっそくダンジョンへと向かっていく。
★☆★☆★☆
現在第25階層
ダンジョンでは上層と下層なんかで難易度をだいたいで分けられているが、それでも細い難易度設定はある。
なかでもこの25階層は下層とも呼べる場所ではあるが、現在は50階層前後まで攻略されてるなかでもはやこの辺りは中層とも呼べるだろ。
Lv.5であるシノンやユウキならこの辺りの階層のモンスターは苦にしないが、Lv.3であるリズとシリカには十分歯ごたえがある敵だ。
Lv.5の二人は普段はやらない前衛での敵の攻撃を受けるタンクを引き受けてリズとシリカのサポートをする。
この辺りでてくるモンスターは《ドランクエイプ》という猿人モンスターだ。
同じ猿人モンスターに比べてサイズは若干小さいが、群れでの活動することが多く連携をうまくこなしてくるので厄介だ。
モンスターの攻撃を片手剣で受けるユウキ。相手の体制を短剣での攻撃で崩すシノン。
その隙をついて攻撃を繰り出すリズとシリカ。
連携は彼女たちの方が上だ。連携からピンチにになることはほとんどない。
「短剣で戦うのって慣れないわね。シリカ、なにかコツとかある?」
普段は弓での戦闘をこなすシノンだが、今回前衛を任されたために短剣での戦闘に挑んでいるのだがなかなか慣れない。
そこでシリカに聞いてみるだが、
「えっと…な、なんて言ったらいいんだろう?あ、あはは…」
普段から感覚で戦闘やテイムをしているシリカのことだ。
短剣の扱いの説明は難しかった。
「と、とりあえず!短剣はリーチが短いですから、敵との距離感は大事です!」
「それ、どの武器にも言えることじゃない。」
「うっ…リズさんの言うとおりです。」
振り絞って出したアドバイスも、リズの無慈悲な突っ込みによってあっけなくつぶされてしまった。
ダンジョンのなかでも下の方にある階層であるが、この辺りは彼女たちにとってちょうどいい狩場でしかない。
まったく緊張感のないままその後も探索は進み、みんなの魔石やドロップアイテムを入れるバックパックがそろそろいっぱいになりそうなところで引き上げることにした。
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今回回収した魔石をここ第18階層での換金所でお金に換える。
第18階層は湖や森などの綺麗な自然などがあり、モンスターの出現も少ない。
そのために安全地帯として定めており、店などが立ち並んでいる。
だが、地上の換金所とは違いその換金額は少ない。
その理由としては、先ほど安全地帯と表現したが実際にはモンスターはある一定の期間が空いて襲撃して街が崩壊することが起こる。
その修理費として安く仕入れた魔石を地上で換金することで利益を得ている。
しかし、冒険者としては荷物を多く持った状態での探索のほうが危険などで換金しざるを得ないのだ。
彼女たちは今回しばらくはここ第18階層を拠点に攻略を進めていくつもりなので迷わず換金をする。
そして、比較的モンスターが少ない地点を探して街で預けていた野営セットの用意をする。
「野宿するなんて久しぶりね。宿で泊まるのはダメだったのかしら?」
「あのね…ここの宿代をポンと払えるならここで稼いでないでしょうに。」
シノンが何気なく言ったその一言は一流冒険者でも中々口に出せない。
ここの宿代はそれだけ高いのだ。
加えて今日はロキ・ファミリアの遠征の為の武器の補修とアイテムの補充代を稼ぎに来たのだ。
そんなところでお金を使う余裕などないとリズは諭すのだが…
「僕もベットで寝たいよ!これからまた遠征で野宿しなきゃならないのにー!」
と、ブーたら文句を垂らすユウキもいた。
「はぁ…」とため息を吐くリズ。文句たらたらのシノンとユウキ。
そんな久しぶりの和やかな光景にシリカもつられて笑う。
(最近祭りの為の練習で根詰めっぱなしだったし、来てよかった!)
シリカがそんなことを考えているうちに、向こうはようやく妥協してくれたらしく話は終わっていた。
野宿に当たって食料の調理なんかもすることに。
普通遠征などの長期間の探索になると、料理などはごく簡単なものかもしくは保存食で賄うことが多い。
今回は数回の食事ができるカレーを作ることになった。
そこで、シリカは18階層にある湖で水を汲みにくことになった。
湖にはモンスターもちらほら見受けられるが、気性が穏やかなのか襲われることは稀である。
シリカが、ゆっくり水を汲んでいると、
『キュル?』
「ふぇ?」
毛並みが水色で普段見るものとは明らかに大きさが小さくてかわいらしい一匹のドラゴンがいた。
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「それで?テイムしてきたの?」
基本現地調達が基本の冒険者。
シノンとユウキは食材を取ってくると行って出かけている。
だが、この18階層がいくら綺麗で安全なところだからといってそうそうカレーの食材があるだろうか?
事前に頼んだ時にはこうなることが薄々予想が出来ていたリズは前もって食材を持ってきており、既に食材を切り始めている。
調理に取り掛かっているからか、水を汲みに行ったシリカがいきなりミニドラゴンを連れてきていることへの反応がやや低い。
「まだテイムはしてないです。それはそうとこの子ケガをしてるみたいで、手当てをしてあげたくて…」
「そっか。救急箱はテントの中にあるから適当に使っていいわよ〜。」
「ありがとうございます!」
シリカがテントに向かうところでちょうど採集かシノンとユウキが帰って来た。
「うわぁ〜!チビドラゴンだ!かわいいね!」
「ケガをしているみたいね。早く手当てした方がいいわ」
各々で思い思いの言葉を口にするがその背後で禍々しいオーラを放つ方がいた。
「そうね、手当てはシリカがやるとして…。あんた達はちゃんと食材手に入れてきたのかしら?」
「えっ?あ…いや〜…あはっ?♪」
「私は魚を釣ってきたわ。」
「むっ、そこはシノンね。仕事はしっかりこなしてくるわ。それにひきかえ、ユ・ウ・キ?」
「ひっ!ご、ごめん!お許しを〜!」
「罰として食器の片付け全部任したわ。食べ終わった後ってどうにも働きたくなくなるのよね。」
「なんだ…大したことなくて助かった〜…」
「なに?まだ何かしたい?」
「なんでもないです!」
「よろしい。さぁ、さっさと調理済ませてしまいましょう!シリカのドラゴンのこともゆっくり聞きたいしね。」
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カレーを作り終わると木で作った簡易的なテーブルと椅子に座ってカレーを食べることになった。
すでにドラゴンの手当てを終えたシリカも座ってカレーを食べ始める。
「それにしても、そのドラゴンテイムしていないんだよね?どうしてそんなにシリカに懐いているんだろ?」
ユウキあふと疑問に思ったことをシリカに聞いてみる。
しかし、シリカもそのことに関してはさっぱりわからない。
「モンスターに関しては未だに謎な部分が多いし、ここのモンスターはダンジョンにいるけど綺麗な環境だからか生殖で繁殖するモンスターもいるみたいよ。」
『キュル♪』
シノンがモンスターに関してフォローする。
それに呼応するかのようにドラゴンはタイミングよく鳴く。
「こいつ私たちがなに言ってるのかわかってんのかね?」
「そうかもしれないでね。」
リズの疑問にシリカが笑いながら答える。
それにしても、問題はなぜこのドラゴンがケガをしていたのかだ。
モンスターどうしの戦闘はないわけではないが、こと18階層では本当に稀ではないかと思う。
それに子ドラゴンがいるなら親ドラゴンもいるのではないのか。
そのことをシリカがみんなに話すと一様に考え始めるかが答えはでない。
「とりあえずシリカ、あんたが親代わりにそのドラゴン育てなさいよ。」
「そうだね。それが一番だと思う。」
「私もそれに賛成だわ。」
リズ、ユウキ、シノンの順に提案されてシリカもこの子に情がすでに移っていた為に反対する理由がなかった。
こうしてドラゴンを育てることに決めたその時、突然地面が揺れる。
「なに?ダンジョンで地震?」
「そんなこと今まで一度もなかったはずだけど。なにが起こってるの?」
『キュルルルルルルル!』
「あっ!ちょっとどこいくの?!」
揺れが収まると途端にドラゴンはシリカの腕から離れ逃げていった。
まるでなにかに怯えて逃げていったように。
「追いかけましょう。あの傷ならそう早くは遠くにいかないわ。」
「はい!」
ダンジョンに今なにが起きているのか。
そして、あのドラゴンはなにかわかっているのか。
彼女たちはこの言い知れぬ不安をかんじていた。