ガールズ・オラトリア   作:スバルック

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お久しぶりです。
久々にガールズの投稿です。
現在期末真っ最中andバイトの連勤で満身創痍です。
早く本編の方を描けよという言い分があるかもしれませんが、今しばらくお待ち下さいm(_ _)m


第2話

「捕まえた!」

 

 

『キュル!』

 

 

この小さなドラゴンは一体何に怯えているのか。

シリカ達はこのドラゴンを見つけた辺りの湖まで来ていた。

揺れもおさまってきている。

なにも起こらなかったことに安堵の息をはこうとした。

その瞬間、湖に変化が起きた。

 

 

「な、なに?なんなの?」

 

 

「これは?」

 

 

驚く声をあげたリズ、そしてこの現象に疑問を持つシノン。

シリカとユウキもこの異常な事態に困惑していた。

すると突然湖が凍りついた。

その凍りついていた湖から水面にある氷を氷を吹き飛ばして何か巨大なものが飛び出した。

 

 

「あ、あれは…まさか?」

 

 

誰が言ったのかはわからない。

もしかした、シリカ自身がそう呟いたのかもしれない。

そこに現れたのは、青白いドラゴンだった。

その大きさに圧倒される。

既にドラゴンは戦闘態勢に入っており、戦闘は回避できないだろう。

反応が早かったのは、シノンとユウキだった。

即座にドラゴンに向かって走り出していた。

そして、シノンはリズに向かって指示を出す。

 

 

「リズ!テントに置いてきた私たちの武器をお願い!」

 

 

「わ、わかったわ!」

 

 

言うが早いか、リズはすぐにベースキャンプに向かって走り出す。

シリカはあの大きなドラゴンが現れてからこの小さなドラゴンの様子を見ていたが、どうやら怯えている理由はあのドラゴンにあるみたいだ。

だとしたら、あのドラゴンを倒せばこの子はもう一度元気になるかもしれない。

そう決意したシリカは勇気を持ってあのドラゴンに立ち向かうことを決めた。

しかし、あのドラゴンの強さは本物らしくレベル5のシノンやユウキも武器がない状態ではほとんどダメージが与えられてないみたいだ。

ここはリズベットが武器を持ってくるのを待つしかないだろう。

 

 

「シノンさん!ユウキさん!ここはお互いにタゲを取って時間を稼ぎましょう!」

 

 

「「わかった!」」

 

 

まずは奴の気をこちらに向かわせないといけない。

シリカは湖にある水を巻き上げる。

それをドラゴンの目を向けて放つ。

 

 

 

『ガアアアアア!』

 

 

ドラゴンはしばし、目に入った水で動きを止めたがそれを放ったシリカに狙いを定めたようだ。

 

 

 

「さぁ、こっちです!」

 

 

ドラゴンが大きく息を吸っている。

おそらくブレス攻撃が来る。

シリカはその大きな攻撃予備動作の間にドラゴンに一気に接近する。

そして、ブレス攻撃の直前に大きく跳躍する。

下に向けて放ったドラゴン攻撃はシリカの元いた場所に直撃し、地面は凍りついていた。

どやら、ドラゴンのブレス攻撃には凍りつかせる力があるらしい。

大きく跳躍したシリカはドラゴンの頭を踏み台にして、ドラゴンの背中に着地する。

狙いを完全にシリカにつけたドラゴンはシリカに再び照準をつける。

すると、横からドラゴンの顔に飛び蹴りが入る。

 

 

「次はこっちだよ!ドラゴンさん!」

 

 

蹴りを入れたユウキがドラゴンに挑発をしていく。

ユウキの挑発によって、意識をユウキの方に持っていくと後頭部にさらに蹴りが入る。

 

 

「私も忘れられては困るわ。」

 

 

こうしてシノン、シリカ、ユウキの三人による撹乱で予想以上に時間が稼げている。

このままいければリズベットが戻ってくるまで持ちこたえられるだろう。

三人による撹乱で怒りのゲージが振り切ったのか、大分イラついていてもはや狙いが曖昧になっている。

こうなると、攻撃がどこに来るかが予想しにくい。

すると、ドラゴンが突然大きな咆哮をする。

近くにいたシリカはもろにくらって耳の奥がキーンと鳴り響き、周りの音が何も聞こえなくなる。

耳を押さえて少しの間耳を塞いで周りを見渡すと、シノンとユウキが何か身振り手振りで伝えながらこちらに向かっている。

 

 

 

(なんだろう?何を伝えたいの?)

 

 

そこでドラゴンの方を向くと、既にブレスの発射態勢に入っていた。

急いで後方に逃げようとするが、湖の水の上であるためにうまく足が進まない。

 

 

 

(まずい!このままじゃ…)

 

 

『キュルルルル!』

 

 

そんなシリカの前に現れたのは、あの小さなドラゴンだった。

 

 

「なにやってるの?!早く逃げないと…」

 

 

いや、もう遅い。

既にブレスぱ放たれており、これを防ぐ術をシリカは持っていない。

時の流れが遅くなるのを感じる。

人は死の間際に脳が普段抑えている機能を引き出すことがあるという、いわゆる火事場の馬鹿力というやつだ。

それを今感じている。

ゆっくりと流れる時の中、シリカは確かに見たのだ。

あの小さなドラゴンがシリカを守るように立ち塞がる。

そして、ミニドラゴンが湖の水を巻き上げて自分とシリカを囲うように水の壁を作り出す。

その直後にブレス攻撃が直撃する。

だが、そのブレス攻撃はその水の壁を凍らせるだけでシリカには届かない。

やがて、その攻撃が止みシリカはその氷の壁となったものを蹴りで破壊する。

 

 

「シリカ!大丈夫?」

 

 

慌てて駆け寄ってきたユウキが心配そうに顔を覗き込む。

 

 

「うん!この子が助けてくれたよ!」

 

 

『キュル!』

 

 

まるで、どうだ!と、言ってるように鳴き声で返事をする。

それにつられてシリカは少し笑ってしまった。

 

 

「ねぇ?わたしと一緒に戦ってくれる?」

 

 

『キュル!』

 

 

どうやら一緒に戦ってくれるみたいだ。

いい加減名前がないのは不便だと感じたシリカはこの小さなドラゴンの名前を考えることにした。

 

 

「うーん…よし!決めた!」

 

 

「何を決めたのよ?」

 

 

そこに先ほど武器を取りにいったリズベットがそこにいた。

 

 

「早かったね!リズ!」

 

 

答えたのはユウキ。

ユウキはリズが抱えていた武器を受け取ってシノンやシリカに渡していく。

そして、ユウキの質問に軽く答える。

 

 

「すっごく急いだからね。それより、何を決めたの?」

 

 

その質問んシリカはドラゴンを抱えながら答える。

 

 

「この子の名前です!名前は《ピナ》に決めました!」

 

 

「ピナか…。いい名前じゃないの。私は気に入ったわ。」

 

 

「本当ですか、シノンさん?」

 

 

『キュルルル♪』

 

 

どうやら、ピナ自身もこのネーミングを気に入ったらしい。

ピナの反応にシリカも嬉しくなる。

 

 

『ガアアアアアアアアアアア!』

 

 

そんな和やかなやりとりをしている状態ではないことを思い出した。

近くには先ほどから攻撃がうまく当たらないことでいらだっているドラゴンが羽を羽ばたかせて風を巻き上げる。

 

 

「みんな避けて!」

 

 

シノンの指示でその風を直撃することはなかったが、リズとシリカは若干逃げ遅れた為に後方に飛ばされる。

うまく避けていたシノンとユウキは武器を得た為に強気に出て行く。

ユウキは一気に接近し、シノンは後方から弓を構える。

接近してくるユウキに対して、右手にある爪で攻撃しようとするドラゴン。

ユウキの接近を援護すべく、シノンがドラゴンに向かって弓矢を射つ。

その矢はドラゴンの目を射抜きドラゴンは大きく仰け反る。

その間にユウキがドラゴンの身体に飛び乗り、駆け上がっていく。

そして、首元にいくと剣を真横に構えて剣技を発動させる。

左斜めに剣んを斬り下げ、さらに剣を持ち上げて右斜めに斬り下げる。

下げたところから剣を左上に斬り上げて、再び剣を下げてから右上に斬りあげる。

垂直四連撃剣技《バーチカル・スクエア》。

 

 

『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

 

 

首元を大きく斬られたドラゴンはその痛みからか暴れまわる。

そして辺り構わずブレス攻撃を放ち始めた。

 

 

「ちょっと!あれじゃ、近づけないじゃない。」

 

 

「いやー…あはは。」

 

 

リズの言葉に苦笑いをするユウキ。

あれだけの巨体が暴れ回られると近づくのが困難だ。

なんとかして、動きを止めないと。

 

 

「それなら、私に任せなさい。こんなこともあろうかと、麻痺ビンを持ってきたから。」

 

 

麻痺ビンという矢のところに麻痺毒を塗り込む薬でモンスターの動きを一時的に止められる効果がある。

だが、下の階層のモンスターほどその毒の効果が小さくなり、大量の毒を打ち込まなければ効果が出ない。

さらに、今回はあのドラゴンの大きさだ。

毒が身体に回るまで時間もかかるだろう。

 

 

「少し私に時間をちょうだい。必ず、チャンスを作ってみせるわ。」

 

 

今はシノンに任せるしかないだろう。

シリカ達はいまできることはシノン一人にタゲを取らせないようにすること。

その機会を得るために彼女達は動き出すのだった。

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