はんぱもののラブライブ!   作:夕藤

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どうでも良い後書きがあります。
※日本語行方不明回※


第二十三話 海と真っ赤な弱点と

「これが! 合宿での練習メニューになります!」

 

 高らかな宣言と共に発表された練習メニューにざっと目を通していく。

 ランニング10㎞、腕立て腹筋20セット、精神統一、発声、ダンスレッスン、遠泳10㎞。

 あれ、ご飯の時間や睡眠時間が一切記入されていないこの手書き円グラフは一体なんなのだろう……? 雪の素朴な疑問は穂乃果と凛、にこの「うげ」という女子らしからぬ声と共に消えていく。

 

「……って、海は!?」

「私ですが……?」

「そうじゃなくて! 海だよ! 海! 海水浴だよ!」

 

 珍しい海未のボケに対し、穂乃果は眉尻を下げながら大きな声で主張を始める。既に水着姿になっているにこと凛を代表して抗議を始める視線の先には、青くキラキラと輝く生命の故郷、海が果てしなく広がっているわけで。

 

「あぁ、それなら。ほら!」

 

 海未が指さしたのは遠泳10㎞の部分である。

 しかしここで注意しなければならないのは、遠泳ノットイコール海水浴という事実。

 

「最近、基礎体力をつける練習が減っています。折角の合宿ですし、ここでみっちりやっておいた方が良いかと!」

「そ、それは大事だけど……みんな持つかしら?」

「「「うん! うん!!」」」

「大丈夫です! みんなの熱いハートがあれば!!」

「いやいやいや……」

「今回は雪もしっかり基礎体力を付けてもらいますよ!」

「ああ……だから雪ちゃん迷子ひも付けられてるん?」

 

 納得、と言った風に見られるのは、雪の腰に巻きつけられた紐である。なんとも見事に結ばれた紐の解き方を雪が知るはずもなく、しかもその紐の先は海未の手によってしっかりと握られているという逃げ場の無い状況である。

 

「これ、普通は穂乃果とか、にこ(先輩)とか、凛とかに付けられるものじゃないの……」

「あ、あー!! 海未ちゃんあそこー!」

「え、ええ? 何処ですか?」

 

 凛が海未の注意を逸らした途端、希、絵里、真姫、雪以外の面々が海に向かって走りだす。今回ばかりは絵里にも止める気が無いようだった。

 

「まあ、仕方ないわね」

「良いんですか、絵里先輩……あっ」

 

 海未の問いに答えを出す前に、絵里は片目を瞑り人差し指を立てる。禁止って言ったでしょうと笑う絵里に対して、小さく謝る海未の姿は中々珍しいものだと思いながら、雪は希に紐を解いてもらった。

 

「μ'sはこれまで部活の側面も強かったから、こうやって先輩後輩の垣根を取り去るのも大事なことよ?」

「絵里せ……絵里嬢の言うとおりだよ、海未。今日は目一杯遊ばないと」

「絵里嬢って何」

「雪ちゃんも中々大変やね……」

「おーい、海未ちゃーん! 絵里ちゃーん! 雪ちゃーん!」

 

 ほうら、μ'sの我儘お姫様からお声がかかりましたよ。

 雪達はくすくすと笑ってとりあえず水着に着替えましょうかと一度別荘の中に戻るのだった。

 

 

 

 

 少女着替え中

 

 

 

 

 はてさて、希と絵里の凶器を間近で見ながら着替えを済ませた雪は、がっしょがっしょと水鉄砲に海水を詰めていた。PV撮影を希と代わりばんこで取る事を決めたので、手が空いている間は自分も珍しくはっちゃけてみようという考えなのだ。

 そんな雪の珍しい姿を見て、ビーチパラソルの下で優雅に読書をしていた真姫は声をかける。

 

「雪センパ……あなたも、やるの?」

「偶には日頃の恨みをこういった形で発散しないと。あと、私だから目を瞑るけど、希……とかは、厳しいと思うよ」

「……それ、貴女もじゃないの?」

「人付き合いって、思ってる以上に難しいものだよ」

「それを平然とやってる人に言われたくない」

 

 真姫の言葉に、雪はきょとんと首を傾げる。はて、自分に人付き合いができているとは到底思えていないけれど、とでも言いそうな雪の姿に真姫は溜息をつく。

 

「何で溜息?」

「何も分かってないみたいだから」

「……そうかな」

「そうよ」

 

 真姫の言葉に否定も肯定もしないまま、雪はハンドガンタイプの水鉄砲を二つ構えた。今日狙うのはロシア産のスタイルの良い乳牛――μ'sのアダルト担当、絢瀬絵里その人である。残念ながらもう一人の良い物をお持ちの方はカメラを持っているので狙えないのだ。仕方ない。

 

「……雪、あんたまさか」

 

 雪の只ならぬ空気を読み取ったのだろうか、にこは目を見開きながら雪にそっと問いかける。

 短く、そして本気なのかと訴えるにこの視線と声に、雪は確かにこくりと頷くと、残りの水鉄砲が収められている青バケツを指さした。

 

「……矢澤提督」

「! ……天海、少佐。やるのね、本当に」

「いや、何をよ」

「私の名の海にかけて、やり遂げてみせます。凛や海未、そして――提督の為に」

「うっさいわね! んんっ……必ず援軍を送るわ。きっと、必ず」

「……提督にお会いできて、本当に良かった」

「ちょっと、いつまでやるのよその茶番」

「それでは……行ってまいります!」

 

 白い砂浜を蹴り、海へ綺麗なフォームで飛び込む雪。それをにこは敬礼をしながら見送ると、即座に凛を呼び寄せる。

 

「凛二等兵!」

「にゃ……! 矢澤提督! お呼びかにゃ?」

「雪が今、先陣を切ったわ! 私たちも行くわよ!」

「先陣、って……ま、まさか……!」

「察しの通りよ。早く銃を取りなさい! もうおそロシアなんて言わないんだから!」

「絵里せ……絵里ちゃんに恨みはないけど、行くからには全力で行くにゃー!!」

 

 雪の遺した銃を手に、二人も海へと潜りこむ。

 一連の小芝居を見届けていた真姫は、ぽかんと口を大きく開きながら、何だったのよと溜息をつく。

 

 その直後、三人に包囲された絵里が容赦なく水鉄砲を浴び、オリンピック選手も真っ青なフォームとスピードで三人を追い回す事になったのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 程よく遊び終えた雪たちは、海水を軽く流して服に着替えていた。

 日も暮れ始めた所で、少し遠くはあるものの買い出しに行かなければと言った真姫と、それに付いて行った希を除いて、今は全員がリビングと思われる広いスペースに集まっていた。

 

「何か悪いことしちゃったね」

「まあ、あんまり大勢で行っても騒がしくなっちゃうだけだろうし、ね」

「そうだけど、あともう一人くらい行っても良かったと思うんだけどな~」

「穂乃果が付いて行ったら余計な物を買ってくるから駄目ですよ」

「ぶー! 海未ちゃんのケチ!」

「ふふっ……ところで、雪ちゃんはさっきから何をやってるの?」

 

 幼馴染三人組から背を向けながらも会話に参加していた雪に対し、ことりが声をかけた。ごそごそと何かを弄っているのは分かったが、座っていたソファからではよく見えない。

 それに対して何だなんだと身を乗り出した穂乃果に、そろりと覗き込んだ海未は、振り向いた雪の手元にある物に少し驚いた声を漏らした。

 

「雪ちゃんそれ、ギター?」

「ギター以外の何かに見えたらびっくりだけどね」

 

 黒と白のシンプルなデザインのギターに、アンプと呼ばれるスピーカーのようなもの。そして幾本かのコードが繋がれたパソコンや、ヘッドフォンを首にかけた雪を見て海未は言葉を投げかける。

 

「雪、まだ曲の編集が終わっていなかったんですか? というか、軽音部の人や吹奏楽部の人に頼んでいたのでは……」

「ああ、うん。今回は、その……まあ、ほぼ一人で作ってるの。いつまでも頼ってばっかりじゃいられないし、もう使わなくなったギターとかを借りて、ちょっとね」

「ええ!? 雪ちゃんギター弾けるの?」

 

 三人の声に、何だ何だと絵里や花陽たちも雪の元へと歩み寄る。そして雪の姿を見て少し驚くと、今度は凛から弾いて見せてよ何てリクエストが飛び交った。

 

「こんなんじゃ部屋いっこ借りて一人でやってたほうがマシだったかな……」

「そんなこと言わないで弾いてよー! ね、良いでしょー!」

「私も、是非雪に弾いてもらいたいわ」

「にこに相応しい曲を弾きなさい!」

 

 次々と告げられるリクエストに、雪は溜息をつきながら立ち上がる。

 ヘッドフォンの端子を外し、試しのコードを一つ弾いて音がずれていない事を確認すると、ピックを握りしめて音を奏でた。

 

 一頻り譜面通りに弾いて見せれば、その場にいた七人から盛大な拍手が送られる。雪は少しだけ照れた素振りを見せると、そのままパソコンを操作して軽く曲の編集をして見せる。

 七人が疑問符を浮かべていれば、パソコンからは先程ギターで聞かされた曲に、ドラムやベースといった他の楽器の音が足された音が聞こえてくるわけで。

 

「これが次やる曲の、オフボーカル。まだ少し手を加える予定なんだけど、どう?」

「……凄いよ雪ちゃん! すっっごくいい曲になってる!」

「それはこの曲を作った真姫に言った方が良いと思うけど」

「そうね、真姫にもちゃんとお礼を言わないと。でも、雪。この曲の編集をやってくれてる貴女にもちゃんとお礼を言わないとね」

「雪ちゃんありがとにゃー!」

 

 口々に告げられる感謝の言葉に、雪の腰に抱きつく穂乃果。

 最初は涼しい顔をして賛辞を受け取っていた雪だったが、

 

「穂乃果」

「え? んん??」

 

 キャパシティーを軽く越えたのか、腰に抱きついていた穂乃果を立たせてみんなの方を向かせると、雪はその細い腰に抱きついて顔を隠した。

 

 

 

 

「雪ちゃん隠れきれてないよー」

「……」

「あー、雪、悪いけど耳真っ赤よ?」

「……」

「雪って怒られてる時とかは反応ないのに、褒められるとすぐに顔隠すのね……ハラショー、今度からはこれで行きましょう」

「後生だからやめて……!」





ここからどうでもいい作者のどこかに吐き出したかった感情

明日はμ's Final LoveLive!~μ'sic Forever♪♪♪♪♪♪♪♪♪~ですね…!
昨日3/29に誕生日を迎えたのにその次の次の日にはもうファイナルライブという事実がつらすぎて息が出来ませんそもそも酸素なんて無かった(???

南條愛乃さんのお膝が凄く凄く心配で、噂とか聞いていると上演(?)時間も結構長くて、日々ウンウン唸ってますが、兎に角最後まで駆け抜けるμ'sの姿をしっかりと見てきたいと思います。

ラブライブ!に出会って、もう四年かそこらになる未熟者ですが、これからも応援していきたいと思います。
μ'sと共に、最後まで駆け抜けるよ!!
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