ロックマンDASH´   作:アサルトゲーマー

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あと断じて頭が痛いわけじゃないぞ


心配ばっかりさせてすまん

 

 やあ、おれハード!元男の現女!限界ギリギリまで走るのが大好きな健康系女の子さ!

 

「かひゅっ……かひゅっ……」

 

 ランニングマシンからまろび出て転がってる女の子。信じられるか?それ、おれなんだぜ…?

 あれだ。ランニングによる脳内麻薬に酸欠と疲労による快感がプラスされて時間を忘れて走ってた訳である。そりゃ一時間近くも全力疾走してたら、まあ、そうなるな。

 おかげで服も汗でビチョビチョである。下半身なんか汗なのか他の液体なのかで訳わからん状態だしな。

 でもやっぱりグチョグチョだと気持ち悪いから風呂に入るわけだが。

 

「んあー、気持ちいいー」

 

 運動後の冷たいシャワーは最高だっぜ!流れる水を全身に浴びながら長い髪の毛を雑に洗う。ロールには黙ってるけど特に手入れしなくてもおれの髪はツヤツヤだからな!フハハ羨ましかろう!

 そして見るがよいこの引き締まったボディー!ヒューッ、まるでアスリートみてえだ!しかも胸は実際豊満!フィーヒヒヒ!

 ……まあ見せつける相手がいねえんだけど。ロールは羨ましがってくれるが性的には興味なさげだし、ロックはおれのこと妹としか見てないし、バレル博士は枯れてるし、データはサルだし。

 水を一旦止めて鏡をじっと見る。そこにはロールとは違った可愛い系の女の子の顔が映っている。ぬぅ、顔がいかんのか?ひょっとしたらロックはお姉さんキャラが好みなのだろうか。

 お姉さんキャラかぁー。

 

「うふふ、どう?この輝く肌。こっちに来て触ってみる?」

 

 ……。おれには無理だ。どう足掻いても気味悪くなる。言うほど肌も輝いてねーし。これ言うときはワセリン塗らないとな、ボディビルダーが体に塗るアレ。

 まあ肌は別に輝かなくてもいいや。とりあえず疲れた体を湯につけると艶っぽい声が出た。ロック誘うならこっちの声の方がいいな、多分。

 湯に浸かってポヤーっとしているとおれの髪の毛が湯の中を漂っていた。相変わらず長い髪である。昔は髪の毛がこんなに重いとは思わなかったなぁと思いながら指でクルクルして遊ぶ。ん!閃いた!髪ブラだ!髪ブラでロックを誘うんだ!

 と、思ったが。普段から風呂上りはパン一タオルでウロウロしているから今更だった。もうこれ以上はスッパしかないが、それしたらロールの雷が落ちるだろうしなぁ。あーあ、どうにかしてロックの気を引けないかなー。

 

 

 

「そんな訳で甘えさせろ」

「訳がわからないんだけど」

 

 場所は変わってロックの部屋。ベッドで座ってマンガを読んでいる所をもう八つ当たり気味に膝を占領である。女とは見てないけど妹とは見てくれるから甘える分には優しいんだよなコイツ。

 

「ねえハード、髪の毛濡れてるよ」

「そりゃさっきまでお風呂入ってたからな」

 

 そりゃもうしっとりヘアーである。いくら拭いても水気取れねえんだわこれが。ドライヤーはちょっと前のフラッター号の修理で中のコイル使っちゃったから使えないしな。予備パーツが生活用品頼りなのが零細ディグアウターの辛い所だぜ。

 そのうちフラッター号の改修に金が掛かりすぎておれの髪の毛も売られるんじゃないか?いやさすがにロールもそこまで鬼畜じゃないか。

 DASH2……フラッター号改修……全部売っちゃった……

 

「うっ頭が」

「どうしたの?」

 

 何でもない、とロックに返す。いやまさか…な。

 ピンハネ……今夜はすき焼き……糸コン……

 

「うっ頭が」

「本当に大丈夫なの?」

「ロックの膝で寝たら治るかも」

「はいはい、じゃあおやすみ」

 

 イケメンであるロックはマンガを置いておれの頭を優しく撫でてくれた。なんだか心がホンワリしてきて眠たくないのに安らかな気持ちになってくる。

 くっ、愛撫なんかに絶対負けない!!

 

 

 

 

 

■■■

 

 

 

 

 ナデナデには勝てなかったよ…。気が付いたらロックと一緒にぐーすか寝ていた。体を起こして部屋にあるでかい時計を見ると三時間も経っている。

 

「おいロック、晩飯作る時間だぞ」

 

 へんじはない、ただのねぼすけのようだ。仕方ない、今晩はおれが一人で作りますか。ロックには膝を貸してもらったしな。

 そんな訳でエプロンを着て髪を束ね。ハード、キッチンに立つ。ミョミョミョーン↑ミョミョミョミョーン↓

 冷蔵庫の中身を確認。ふむ、牛乳とヨーグルトとバターと肉と根菜各種か…。よし、今日はビーフストロガノフだな!本来それにはサワークリームが必要だがプレーンヨーグルトで代用できる。これがサラリーマン時代に培った謎節約術よ!

 さくさくーっとにんじんじゃがいもとたまねぎの皮を剥いて適当な大きさに切って鍋に投入。そんな所でデータ登場。帰れ。

 

「キッチンはデータの来る場所じゃないぞ」

「ハードってボクに厳しくない?」

 

 だってなぁ…データにはあんまりいい思い出無いしな。事あるごとにおれを煽る、フラッター号修理中に邪魔をする、ロックを誘惑しようとすると何所からともなく現れる。今考えると碌な事してねーなコイツ。ロックの相談とかには乗るくせにさー。

 

「データもロックを見習えよ」

「どうして?」

 

 そりゃロックは優しいからな。家事はできる、ディグアウトも出来る、ビキビキビキニ123。出来る男とは奴の為にある言葉だろ。

 そう言うとデータは「相変わらずロックの事が好きだよねー」と抜かしやがった。やめろよ照れるじゃん。

 

「あーあロックとイチャコラしてぇ」

「相変わらずハードって残念だよね~」

 

 うるせえ。

 データと話している内にビーフストロガノフが完成。鍋に蓋をしてロックを起こしに行くとしますか。あ、データは来なくていいから。

 梯子を上ってロックの部屋の扉前まで行くと中から人の気配が二人分あった。何?普通は気配なんぞ解らん?これもロック愛が成せる業だ。

 音を立てないようゆっくりと扉を開ける。そこにはなんと膝枕をしてもらっているロールの姿が!!

 

「……あっ」

「……」

 

 ロールと目が合った。おれは無言で中に入り扉をゆっくり閉める。良く見たらロック寝てるし。これはさては勝手に膝を拝借した口だな?

 なんだかオロオロしているロール。これはこれであまり見られる姿ではないので非常に眼福に思いながらベッド脇に膝をついてロールのもちもちぽんぽんに頭を持っていく。

 

「ちょっと、ハード…」

「あんまりうるさくするとロックが起きるぞ」

「うう…」

 

 ニンマリしながらロールの腹枕を堪能する。コイツいい匂いするぞ!ロール、色を知る歳か!

 そんなしょうもない事を考えながら転がっているとようやくロックが目を覚ました。

 

「よう、ロック」

「……二人とも何してるの?」

「おれがロックの膝の良さを布教しようと思ってな、とりあえずロールに体験してもらってた」

 

 な?とおれがロールにウインクを飛ばすと「そうなの。ごめんね、勝手に膝借りちゃって」とロールは答えた。ふふ、貸しだからなロール!

 

「そうそう、晩飯出来たから食べようぜ?」

「え?…もうこんな時間だったの?ごめんハード」

「ロックの寝顔でチャラにしといてやるよ」

「なにそれ」

 

 笑うロック。やはりイケメンは笑うと様になるな。それとロールはそろそろ膝から離れような?

 

 

 で、晩飯中。ロールが補給のために近くの島に寄ると言い出した。ドライヤーのコイルが買い直せる!やったぜフラン!

 到着は明日の朝くらい。それなりに大きな島でライシップという名前らしい。ライシップ島?どっかで聞いたな。

 借金……ゲゼルシャフト号……トロンにコブン……

 

「うっ頭が」

「ハード、明日病院に行こう」

 

 なんかめっちゃロックに心配された。

 

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