やあ!おれハード!元男の現女!犬に噛まれるのが好きなムツゴロウも真っ青系女子さ!
もうガブガブである。ワニワニパニックなんかメじゃないくらいのガブガブである。なんかね、右手の感覚ないの。血みどろなの。CERO息してる?赤い三角マークついてない?おれが言うのもなんだけどここ全年齢向けの世界ッスよ?
あとなんかこの犬見覚えあるぞ。タマネギだかピーマンだかの名前だったような気がする。なんかのイベントドッグだっけ。
「ちょ、ちょっとアンタ、だいじょうぶ?」
そしてこのトロン様ボイスである。ロックが市役所言ってる間暇だから図書館行こうとしてて、なんか女の子が犬に追いかけられて外灯登ってるのを見つけたのだ。可哀そうだから犬おっぱらうかーくらいの軽い気持ちで噛まれに行ったらまさかの大当たりであった。
やだ…これって運命!?ここでいいトコ見せたらトロン様コースあるんじゃね!行っちゃう?行っちゃいます!?
「大丈夫大丈夫、ヘーキヘーキ!逆に気持ちいいくらい!」
「ええっ……?!ヘ、ヘンタイ!?」
ト ロ ン 様 ド ン 引 き。
大胆なポロ出し本音は女の子の特権であるとはいえ発言する内容を激しく間違えた感。そりゃ犬に手を噛まれて顔真っ赤にしてるまでならありえるけど、さらにハァハァ言いながら「気持ちいい!」なんか言ってたら確実に変態さんなのです(電)
「ちょっとハード何やってるの!?」
やっべえなんもいえねえな空気になった瞬間やってきたのは我らが頼れる青いヒーロー、ヒポポタマスくんである。おれは聞き逃さなかったぞ、ジャンク屋のおばさんに名前を聞かれた時に「ヒポ、ロックです」って言ったのをな。
なんかロックはおれに向けて真っ直ぐ走ってくる。ちょっと待て、お前は何か勘違いしてないか?確かに女の子の前で顔真っ赤にしてハアハア言ってるけど変態行為なんてちょっとしかしてないぞ。
そんな思いも虚しくロックはそのままダッシュでおれを蹴り上げた。さーてここで計算のお時間です。ロックは14歳のやや体格のいい青年、そして全身に鋼鉄製のアーマーを着込んでおります。総重量は何キログラムでしょう?
答え:100くらい
「ぐわあーーーっ!」
そりゃもうスクーターに撥ねられたようなもんである。吹っ飛んでなお御犬様は手を離さず、一緒に華麗に錐もみジャンピング。着地は当然頭からである。あ、ちょっとまって?着地地点にゴミ箱見えるんだけど。
そして案の定頭から突っ込みました。ナイスシュート!ボーナス1000ゼニー!
「だいじょうぶ?」
「う、うん」
そしていい雰囲気っぽい二人。ヘンタイから救ってくれたイケ顔ヒーローに「だいじょうぶ?」なんて言われたらもうチョロインなら一撃KOだよね。
…あ、ちょっとまって、ゴミ箱から頭抜けないんですけど。あとこのワンころ何時までおれの手噛んでんの?気持ち良くてアヘ顔晒しちゃうよ?
やめろってこれ以上噛むなって!今抵抗できないから!セルフ犬神家だから!バケツヘッドだから!こんなんでビクンビクンしてもだれも喜ばないから!
ら、らめーーーーー!
粗相は免れた(大嘘)
「この姿を見ろ…情におぼれた者の末路だ…」
とりあえず可及的速やかに解決するべきアレな問題があったので弱王ごっこをしながら一旦フラッター号に戻ってシャワー浴びてキレイキレイ。いくらおれでも股下水没王子はマズいからな。
直したドライヤーで髪でも乾かしながらアニメでも見るかとTVを付けるとなんかニュースやってた。カトルオックス島ってところで空賊が暴れてるんだってさ。こわいなー戸締りしとこ。
そして気が付いたらボーンメカの目の前にいるおれ。何が起こったかって?
ロックとロールが慌てておれのとこまでやってくる→市役所に残ってるおじいちゃんマジピンチとか言いながら街までロールマジ走り→ロールを一人にさせるのは不味いので急いで街に戻る→ロール既にボーンメカに単騎駆け→ロックがすんでの所でロールを止める→おれ「ここはまかせてロールと逃げろ!」
つまりかっこつけた結果である。仕方ないね♀
「ここは通さないぞー!」
いやしかしこいつらデッカイな。5メートルは超える縦長のカラフルなボーンメカが赤青黄色と各一体。武装はマシンガンやら大砲やらで足回りはキャタピラー。これ勝てる要素ある?おれ急いでたからバスター忘れて来たんだけど。いつも持ち歩いてるスケベ本とポケットティッシュくらいしか持ち物ないんだけど。
しかもあっちやる気マンマンなんだけど。ていうかもう発砲されてるんだけど。超きもちいいんだけど。
「わーいやっつけたー!」
「トロン様にほめてもらえるー!」
こいつらほんと無邪気。気絶したふりしてるだけなのに近づいてくるあたりホント無垢。騙すのは気が進まないけどドゥシュマン作戦開始である。
説明しよう!ドゥシュマン作戦とはキャタピラの下に潜り込んでアハンウフンしちゃう作戦だ!つまりげりらら!
そんなわけで近づいてきた赤いボーンメカの下にササッと潜り込んで工作開始。
「わー!?ピンピンしてるぞー!」
ふふふ、気がついてももう遅い。貴様は下部ハッチから侵入してきたハードさんにメカを乗っ取られるのだ!…あれ?ハッチあるけど開かない。
そりゃそうか、ふつうハッチには鍵かけるよな。仕方ない、自爆作戦開始である。六代目ムラムラ大百科よ、さらばー!
■■■
ムラムラ大百科は犠牲になったのだ……古くから続く自爆の伝統……その犠牲にな……。
ちなみにボーンメカは奪えなかった。自爆の威力が高すぎて装甲の薄い底面から内部へ爆圧が侵入、そのまま何かに引火してドカンである。ヒイロくんもビックリ。
爆発の中心部にいたおれはどうなったかというと、死ぬほど痛い目を見てガレキの下である。どうも下水が見えることからアスファルトをブチ抜いたっぽい。
一通りビクンビクンした後、一緒に埋まってたコブンを引っ張り上げてどうすっかなーと考えているとボーンメカの残骸が目の前に転がってきた。これ武装だけだったら使えそうじゃね?
そんな訳で中からマシンガンを引っ張り上げると大型エネルギージェネレータとくっついた状態で出土、使ってくださいと言っているようなもんである。マシンガンの方についているワイヤー引っ張ったら発砲したのでどうもかなり単純な構造みたいだ。
「うわーん!トロンさまに作ってもらったのに~!」
と、ここでコブン大泣き。コブンさんや、そんな顔しないでおくれ。ボーンメカを倒すのには武器が必要なのだ。すまんな、本当にすまん。
ロール謹製の『背中にくっつくアレ』にジェネレータを吸着させて銃口を前に向けると聖帝サウザーの取り巻きにいそうな消毒モヒカンの完成である。ボーンメカは消毒だー!
そんな訳で意気揚々と飛び出したは良いものの、既に一帯はロックに制圧されていた。ばかな…早すぎる。修正が必要だ。
「…あ」
「おう」
ロックと目が合った。「何してんの?」って感じの視線をぎゅんぎゅん感じます!
「おれ、ぶき、わすれた。ぶき、うばった」
「うん」
「のーぷろぐれむ」
「問題大アリだと思う」
なんもいえねえ。そりゃちょっと全身煤まみれで全身スリ傷だらけだし?しかも髪の毛渇いてなかったからぐちゃぐちゃで埃まみれだし?なんか地面崩れちゃってるし?武装は悪役モヒカンか州知事系ターミネーターだし?文句なしの問題大アリである。咲で言う所の私服国広くんレベル。
なんか空気が止まった気がした。が、それもすぐにぶち壊された。
「ま!ち!な!さーーーい!」
そう!空気読まない事に定評のある空賊だ!
トロン様来た!これでかつる!で、どっから声したの?
ふと太陽が隠れた。釣られて上を見る。まあ予想は出来てるとは思うけどボーンメカでした。
・・・チガウ・・・今までのメカとはなにかが決定的に違う。スピリチュアルな感覚がおれのカラダを駆け巡った・・。
「・・(重そう・・!!・・これって運命・・?)」
メカは蟹だった。落ちてきて潰された。スイーツ(笑)
注:ロックはハードの事を両刀ドスケベだと思ってますがドMだとは知りません。