やあ!おれハード!元男の現女!全身から色んな液体垂れ流している系女子さ!
いやあ、死んでないのがおかしいねコレ。いうなればメタルギアに踏まれたようなもんであるのに未だ意識がある。おれの体はサイボーグ忍者以上の耐久力がある可能性が高い……?まあ踏まれたときはヤバいくらい絶頂を繰り返したけど。知ってるか?女のオーガズムってしゅごいんだぜ。
まあそんなわけで快感から解放されたタイミングでムクリと起き上がると見慣れた下水道君が目に入った。まああのカニロボに踏まれた時に地面に打ち込まれたんだろうな。で、両手を見てみるとトマト祭り参加した後かってくらい血まみれ。
洗いたいけど下水以外に水ないし後回し。とりあえず全身の外れた骨を戻すことから始める。
説明しよう!ハードちゃんはハードなトレーニング(激ウマギャグ)によってしょっちゅう関節を外してしまうので癖がついてしまっているのだ!場合によっては狭い穴でもタコみたいに潜り込めるぞ!
そんなわけでくいくいっと元に戻す。
「あふん!」
一人サブミションによって絶頂を繰り返しながら回復したおれはひょいひょいとガレキを上って地上に出るも誰も居ない。戦闘音が聞こえるけど住宅に反響してよくわからん。そんな時にお役立ちロッククライミングである。
ジュン登り的な意味ではなくゴツゴツした壁とかを登る技術だ。そこらにあったアパートの窓に手を掛けてスイスイ登るとすぐに屋根。上からみると随分でかいカニロボが暴れているのが見える見える。
降りるのも面倒なので屋根をぴょんぴょんしてカニロボの頭上付近に陣取ると、ロックが苦戦していた。
「今いくぞロック!その綺麗な顔を吹っ飛ばしてやる!」
かちん。引っ張ったマシンガンのワイヤーはむなしくも撃針を空振りさせるだけにとどまった。つまり、さっき踏まれた時に壊れてますねえ。
「えっ!?もう一人いたの!?」
「ええーい、ままよ!」
カニロボが振り向いたので狙われる前にジャンプ!からの張り付き!カメラは?とりあえず解らんのでぺたぺた触りまくる。
「きゃああああーー!カメラに血が!血が!」
おっこれか。カメラに血を塗ったくって再び近くの民家に飛び移って安全を確保。今考えたら民家にも謎の手形とか残りそうじゃね?……まあ空賊のせいでいっか!
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その後「たかがメインカメラが使えなくなっただけよ!」等のお約束を経た後に無念カニロボは爆発四散。かわいそうなくらいギャグな雰囲気で吹っ飛んでるトロンちゃんを見送りながらロックと合流する。
「ハード、その、本当にだいじょうぶ?」
「ちょっと血が減ってる感じするけど多分セーフ」
「かなりアウトだと思う」
紳士なロックはハンカチを取り出しておれの顔を拭いてくれた。そんでもってEボトルまで口に突っ込んでくる。それ吸うタイプだから!逆さにしても出ないから!
少々むせながら飲みきるとトロンちゃんが起き上がって「フフフ…やるじゃない」とか言いながら突っかかってきた。体中すすまみれでめちゃ格好悪い。
「でも次はこうはいかないんだからね!」
ビシ!とこっちを指さすトロンちゃん。え?ロックは?
よーくトロンちゃんを観察してみると熱い視線をロックに送っていた。今の戦闘のどこでロックに惹かれたのか…。まあイケメンだししゃーない。その前に変態(おれ)から救ってくれたっていう実績もあるしな。
その後ドラッヘとかいうめちゃカッコいい名前の小型飛行艇で流れるように退散する彼女。悪の美学というものを見たような気がする。
「ボクはこのまま先に行ってくる!ハードは装備を整えてからきてね!」
あっけにとられていたロックはバレル博士の事を思い出したようで市庁舎のほうまで走って行ってしまった。
装備ねえ…。一旦フラッター号まで戻るには商店街通るからそこらにあった自販機で水を買って適当に血を流してから戻る。ちなみにオロナミンCは売切れてた。
「ハード!バスターもってきたよ!」
商店街のゲートをくぐるといきなりロールに出くわした。なんとその手にはバスターが握られているではないか。なるほど、おれが忘れたことを見越して持ってきてくれたのか…やはり天使。
背中に貼り付けたままだったジェネレータをパージしてバスターを背中に貼りつけることでハード完全体。ロールにお礼行っていざ市庁舎エリア!
「ぎゃん!」
はい、ゲート通った瞬間何かに轢かれました。轢いてくれたのは足キャタピラで上半身人型の有澤仕様ロボ。ACの世界にカエレ!
なんか無性に腹が立ったのでハードバスターでボコボコにすると結構あっけなく爆発してコブンが飛び出してきた。装甲はフラジール並のパチモノ有澤、有沢だったようだ。
周囲の脅威が居なくなったことを確認して市庁舎まで走って行くとなんかさっきの有沢ロボが市庁舎を攻撃していて、そこでロックが防衛していた。空を見れば有沢ロボを運んでる空飛ぶロボがいるから無限に続くクソゲーみたいなもんである。
そんなわけで空の脅威を集中して排除。ヴォルナット兄妹は脅威を直接排除して支援隊も排除するディグアウター界のバファリンですね。
「ローック!そっちはたのんだぞー!」
「あっちはよろしくねー!」
14年くらい培った兄妹阿吽スキルによって言いたいことは大体伝わった。ロックは市庁舎に張り付いて防衛するからおれは警察署とかの市庁舎以外の場所で暴れてるロボをはっ倒せという事だ。
よーしいくぞー!と振り向いた瞬間黄色くてデカい顔と至近距離で目が合う。
「バブー!」
「あぶねっ!」
ボン・ボーン、ボーン兄弟末っ子のパワー系赤ちゃんのブーメランフックをその場で伏せることで辛うじて回避。ロックがすぐさま援護射撃してくれたのでそのまま浮いてるボンの下を通り抜けて追撃を回避する。振り返って撃ち込んでみるものの装甲が厚くてなんか効いてる気がしないぞ…。
「ロック!なんか強い武器あったらくれ!」
「地雷しかないよ!」
「それでいい!」
バスターを格納しながらロックの方に向けて走り、投げられた地雷をキャッチ。後ろからハガーのようなポーズで接近してきているボンを確認しながらロックの肩に乗る。
「ファイトー!」
「いっぱーつ!」
そのままロックを踏み台に月面宙返り。おれを掴もうと思っていたボンは腕を大きく空振りさせて固まっていた。その背中に地雷をペタリと貼り付けて地面に着地。そのまま地面を転がって頭を両手で庇う。
そして大爆発。ロックの持つ廃棄用自爆スイッチによって地雷は起爆しボンを弾き飛ばした。……おや?そういやロックが居たのは市庁舎側でおれはロックに向かって走ってて、ボンはおれを追いかけてたんだよな。だから背中に爆発なんか受けたら…。
「やっべ…」
爆発の煙が晴れた所で振り返ってみると市庁舎に刺さったボンの姿が。ポロッとボンが落ちると市庁舎の穴からバレル博士が「年寄りはもっと優しく助けんか!」と叫んでた。そう思うんならお姫さまになって出直してこい。
落っこちたボンはというとそのまま近くにあった噴水あたりまで転がって行ったあとU字磁石くっつけたドラッヘによって速やかに回収されてった。辺りを見回してもロボの一機すら居なくなっていてその手際の良さと逃げ足の速さは特A級プロである。
「だいぶ壊しちゃったけどだいじょうぶかな……」
「まあとりあえずミッションコンプリートってことで」
苦笑いのロックと拳をぶつけ合ってお互いの勝利を分かち合う。とりあえず市庁舎は半壊してるけどバレル博士も無事だったし、お互い怪我はしたけど生きてるしな。
そう思うと結構血を流したことを思い出してロックの胸にダイブする。
「いて」
「わ!どうしたのハード」
普段フラッター号の中で甘えるみたいに飛び込んだがそういや今はフルアーマーロックだったわ。お蔭で頭を強打した。
「いやー。実はさっき血を流し過ぎたみたいで、ほらおれって怪我人じゃん?優しくしてほしいなーって」
「怪我人があんなジャンプするのはおかしいよ」
そして何だかんだ言いながらおれの口にEボトルを突っ込んできた。違うから!求めているのは優しい介抱だから!ヤメロー!ヤメロー!