記憶の片隅で   作:to110

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アフターストーリー
第一話 人知れず時間は流れる。


サイゼに行くということで付いてきたわけだが………

 

 

結衣「勉強教えて〜」

 

 

なんてアホの子が言い出したから勉強タイム。といっても学年一位の雪乃がいるから俺の出番が訪れることなどないのだ。誘われたのに居てはいけない雰囲気が出るとかもうほんと、嫌。

んー、でも、なんか懐かしい。3人の空間で2人と1人(独り?)に分かれるというのも。

………あの頃はこんな関係になるなんて思ってもみなかったわけだが。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

結衣「んー」

 

 

っと勉強にきりがついたらしく、由比ヶ浜は背筋を反らす。ぜひともやめていただきたい。雪乃にはない二つのあれの主張がやばいです。

 

 

八幡「つっ………!」

 

 

痛い!痛い!ちょっと雪乃さん?すねを蹴るとかどういうことだよ。めっさ痛いんだが。しかも本人知らんぷり。どういう神経してんだよ。ちくしょう雪乃め。雪乃にはないものに目をやることがそんなに悪いことか?なんて思ったがどう考えてもこの発言は浮気である。………でも仕方ないよね。うん、善良なる男子高校生なら。

 

 

結衣「あっ‼︎もうこんな時間⁉︎」

 

 

とアホヶーーーーーじゃなくて由比ヶ浜がそんなこと言ったから俺も時計を見る。

7時。なかなかに遅い。健全な男子高校生の俺は6時には家にいるものだ。べべ別に遊ぶ相手がいないとかそういうわけじゃねーし?

 

 

雪乃「はぁ………」

 

 

なんてこめかみに指を当てて呟く始末。本当に回想させる気がないんだな。主人公の特権は俺にはないようだ。

 

 

雪乃「………」

 

 

雪乃がこちらを、あなたのどこに主人公のスペックがあるというの?、という目で見ている。

あるわ!一つ二つあるわ!んで、こんだけしかないんですよね。こないだ小町とやったから覚えてる。

 

 

結衣「ゆきのん‼︎ヒッキー‼︎これからどうする?」

 

 

雪乃「帰るわね」

 

 

八幡「帰るだろ」

 

 

結衣「即答だ⁉︎ご飯食べていこ〜よ〜」ダキッ

 

 

雪乃「は、離れてちょうだい………」

 

 

………なんか、彼女が目の前で百合るのを見ると非常に複雑である。

 

 

結衣「え〜」

 

 

雪乃「わ、わかったわ。食べていくわ」

 

 

結衣「ゆきのん‼︎」ダキッ

 

 

雪乃「………暑い」

 

 

結衣「ヒッキーは?」

 

 

八幡「いや、俺これから家でやることあるから」

 

 

結衣「なにするの?」

 

 

八幡「兄離れする小町を愛でる」

 

 

結衣「出た‼︎シスコンだ⁉︎マジキモい‼︎」

 

 

雪乃「あなた、いい加減妹離れしなさい………」

 

 

雪乃がひどい。だって、そのセリフ言いながら目からすごい憐れみの視線が送られてくるんだもん。てか、妹離れとかする必要あるか?

 

 

雪乃「あるから言っているのよ」

 

 

八幡「………」

 

 

結衣「ふぇ?」

 

 

やはり由比ヶ浜に読心術はないようだ。ない、んだよな?読心術ってオンオフあるからよくわからん。

 

 

結衣「そんなことより食べようよ〜ヒッキ〜」

 

 

甘い声だすんじゃねーよ、ったく。はぁ………

 

 

八幡「わかったわかった。食べていきますよ」

 

 

人と付き合うにあたり必要なことその一、嫌々のときは敬語を使う。その二以降はそのうち紹介しよう。

 

 

雪乃「あなたにもそんなことが必要になるだなんてね」

 

 

そうだった!俺ぼっちだ!どうりで今まで使ったことがないわけだ。なにそれ悲しい。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

八幡「ごちそうさま」

 

 

雪乃「ごちそうさま」

 

 

結衣「おいしかった〜」

 

 

どうやら由比ヶ浜はごちそうさまという単語を知らないようだ。

 

 

結衣「それじゃっ、帰ろっか」

 

 

雪乃「ええ、そうね」

 

 

八幡「そうだな」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

結衣「じゃあね‼︎ゆきのん‼︎ヒッキー‼︎」フリフリ

 

 

雪乃「ええ、さようなら」

 

 

八幡「じゃあなー」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

雪乃「」

 

 

八幡「」

 

 

雪乃「」

 

 

八幡「」

 

 

うん、別に無音が寂しいだなんてのは全く思っていない。むしろ、この静かさも気持ちいものである。

 

 

雪乃「それじゃあ、私この駅だから」

 

 

八幡「ああ。じゃあな、雪乃」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

八幡「てでーまー」

 

 

小町「あっ、おかえりお兄ちゃん」

 

 

八幡「風呂は?」

 

 

小町「できてるから入っていいよ〜」

 

 

八幡「はいよー」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

世の中にはテスト週間たるものがあり、普通、定期テストの一週間から二週間前から始まるものである。そして、それに関して青春を謳歌せしもの達は自分の勉強の進行具合を大声で語らうのだ。語る必要とかマジ皆無。てか、戸部うるさい。

テスト週間なら基本部活も休みになるのだが、もとから活動してるか怪しい部活である奉仕部に入っているため、大して変わらない。てかテスト週間ってんのに教室に残って喋ってるやつとかどういうこと?

っと、ここまで言えばわかるだろう。テスト週間である。が、特に勉強する気にもなれない。さて、今日の目的地へと向かうとしますか。

というところで、

 

 

「ヒッキー待って‼︎」

 

 

という声がかかる。だが、そもそもヒッキーなんていう名前ではないので特に振り返る必要はない。足早にその場を立ち去る。

 

 

「おい待てー‼︎なんで先行くし‼︎」

 

 

おいまてー‼︎なんでかばんをぶつけるし‼︎だめだ、真似できん。つーか背中痛え………

 

 

八幡「んだよ………」

 

 

結衣「行くんでしょ?」

 

 

八幡「どこにだよ………」

 

 

結衣「………」

 

 

八幡「はぁ………わかった。行くぞ」

 

 

結衣「うん‼︎」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

目前にはインターホン(というのだろう多分)、返答を待つ。

 

 

「………はい」

 

 

結衣「あ、わ、私結衣。開けてほしいんだけどいい?」

 

 

「………なにしに来たの?」

 

 

結衣「お、お見舞いだ、よ」

 

 

ふむ、由比ヶ浜は見えない相手との会話は不得意のようだな。俺はむしろ見えない相手との方が会話しやすい。なんならバカには見えないものとだって会話できるまである。

 

 

「………ええ、わかったわ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

結衣「ゆきのん大丈夫………?」

 

 

雪乃「問題ないわ。メールでもそう返信したのだけれど………」

 

 

八幡「いや、熱って聞いたからなんか、条件反射てきに」

 

 

雪乃「そう………ありがとう」

 

 

熱といえば文実だろう。そんなことではないとは思ったが、なんというか、心配だっただけだ。

 

 

八幡「んま、心配なさそうだし俺は帰るな」

 

 

結衣「えっ、じゃあ私も」

 

 

雪乃「………お見舞い、ありがとね」

 

 

八幡「あぁ………」

 

 

熱も大したこともなさそうだし、心配なさそうだな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー熱、だけなら、だが。ーーーーーーーーーーーーーーー

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