【『にじファン』より移転】希望郷の白き魔女【テンプレに喧嘩売ってみた】 作:ひろっさん
ちょっとしたホラーですね。
「『
表情のない、ピュアと同じ輪郭をした黒髪黒目の少女が、背中に
この少女が『闇の書』のバグ部分、防衛プログラムの暴走体である。
今現在、『無限再生』と『無限転生』の機能が破損しており、往時ほどの厄介な再生能力は無い。
「来るぞ!」
まず狙われたのは、白い
直接殴りかかってきたのを、防御魔法で防ぐ。
威力的にはなんとか弾き返すことができそうだったが、黒い魔力光が防御魔法を侵蝕していくのが見えた。
「――!?」
一瞬、なのはの顔に恐怖が表れる。
「なのは!」
そこへフェイトが愛用デバイス『バルディッシュ』で殴りかかった。
斧の部分で頭を一撃され、暴走体は弾き飛ばされる。
“
「えっ!?」
フェイトは一瞬、何が起こったのか理解できなかった。
そして『バルディッシュ』と暴走体を見比べて、愕然とする。
『バルディッシュ』の斧部分が切り離され、攻撃を防いだらしき暴走体の少女の腕に、徐々に取り込まれつつあったのだ。
あの一瞬、おそらく『バルディッシュ』は異常な力のかかり方から危険を判断して、咄嗟に致命的にはならない斧部分を切り離し、フェイトの態勢が崩れるのを防いだのだろう。
『“物体侵蝕だと!?離れろ!”』
管制人格であった『リインフォース』も念話で驚きの声を上げていた。
“
『バルディッシュ』は斧部分を応急修復する。
しかし、接触すれば取り込まれるのは同じだろう。
となれば、攻撃方法を魔力弾などに切り替えるしかない。
そして人体に触れれば、そこを切り離すしかなくなるかもしれない。
「破壊破戒羽飼はかいハカイ破壊破壊破壊は買い破壊破壊破壊は買い破壊破壊破戒羽飼はかいハカイ破壊破壊破壊破壊は買い破戒破戒破戒破戒破戒破壊破戒羽飼はかいハカイ破壊破壊破壊は買い破戒破戒破壊破戒羽飼はかいハカイ破壊破壊破壊破壊破壊は買い破壊破壊破壊は買い破壊壊破戒羽飼はかいハカイ破壊破壊破壊は買い破戒破戒羽飼はかいハカイ破壊破壊破壊破壊破壊は買い破戒」
血走った目でブツブツ呟きながら、周囲に視線を巡らせるその姿に、フェイトは背筋が寒くなるのを感じた。
「下がれ!我々なら修復は簡単だ!」
“
シグナムが
なのはとフェイトは素直に下がる。
シグナム達守護騎士は魔道プログラム体であり、人間ではない。
だから、人間よりも四肢切り離しによるダメージは少ないし、修復も人間に較べれば容易なのだ。
ならば、接近戦は守護騎士達に任せた方がいいだろう。
都合よく、暴走体もシグナム達を狙い始める。
「術式を切り替えるさ」
“まさかあの破損状況で物体侵蝕を使うとは予想外だった。すまない”
「仕方あるまい。隕石まで取り込まれては、爆撃の意味が無い」
そこは武装結界から少し外れた場所。
シェオール式大魔法の準備が進んでいた。
召喚爆撃は比較的負担の少ない魔法でもあるのだが、物体侵蝕で相手に糧を与える結果になるのは避けたいところだ。
“『神の光』は使えるか?”
「わたしだと30分かかるさ」
「今のところ、暴走体は脊椎反射的に突進襲撃を繰り返しているだけだ。
物体侵蝕は確かに厄介だが、あれならなんとか持たせることができるだろう」
手早く方針を決め、術式の準備に取り掛かる。
まずはエイミィに連絡を入れ、恒星とこの惑星の正確な公転周期と自転周期を割り出してもらう。
恒星と惑星、敵の各位置の精密計測はグレアム。
次は屈折率の演算。
これはリインフォースが担当することになった。
さらに必要な魔力をはやてが放出。
これをリーゼロッテとリーゼアリアが制御、出力を調整しつつピュアの術式に流し込む。
ピュアは送り込まれる計測データと演算結果に基き、組み上げた術式と魔力素の配置を調整していく。
『神の光』とは。
太陽光レーザーのことである。
上空に魔法陣を展開、レンズのように光を収束し1点に集中させ、一瞬で暴走体を焼き尽くそうというのだ。
口で言うのは簡単だが、それを行なうには膨大な演算と魔力素の運用を同時に行なわなければならない。
今のピュアの身体では、その負担に耐え切れなかった。
しかし、これだけ多くのサポートがあれば話は別だ。
『熱量、規定値に到達しました。照射開始してください』
照射のための最後の詠唱が真っ白い少女の口から漏れる。
「“
「ひゃっ!?」
はやては思わず声を上げる。
何か、取り返しのつかない事態が発生したような、そんな気がしたのだ。
担当していた魔力の放出量がやや乱れたが、我に返り何とか持ち直す。
『武装隊は結界を解除、全員離脱してください。なのはちゃん達はこちらで回収します』
「やっとか」
クロノはエイミィからのその通信に安堵の溜息をついた。
途中での作戦変更に伴う、戦闘時間の30分延長はきつかったのだ。
「先に行け!」
「頼む!」
シグナム達の言葉に甘え、武装隊となのは達を先に転送させる。
だが、守護騎士に向かっていた暴走体が急に向きを変えた。
武装結界が解除されたことで、強大な魔力を持つ八神はやてとピュアを発見したのだ。
「なんだと!?」
クロノは焦る。
守護騎士達も、暴走体の予想外の動きに対応できていない。
大魔法儀式チームは、半数近くが戦闘力を持っていないのである。
『狙撃するさ』
そのとき、ピュアから念話が届く。
チカッと何かが光った。
それは火花を散らしながら飛んでくる、巨大な雷球だった。
馬鹿げた魔力を込められた、直射魔法弾である。
後で聞いた話によると、ピュアの使い魔クリアによる遠距離攻撃だそうだ。
使い魔特有の精神リンクによって、サーチャーから送られてくる敵の位置を確認しての精密射撃。
さすがに暴走体は脅威を感じたのか、それを回避した。
回避によって、僅かに動きが止まる。
その一瞬に起きたことを、クロノは生涯忘れないだろう。
凄まじい光が暴走体の黒髪と肌に反射したかと思うと、数秒もしないうちに皮膚が焼け爛れ、頭から蒸発していったのである。
クロノの
最後に機能停止した『闇の書』本体が出現したが、それも目の前で燃え上がり、最後に灰が風に吹き散らされ、砂に紛れて消えていく。
忌まわしき
実にあっけない、永久の終焉であった。
「終わった……か」
『クロノくーん、回収するよー?』
「……ああ、頼む」
感傷に浸る雰囲気をぶち壊す長年の連れ合い、エイミィの言葉に苦笑しながら、クロノは転送魔法に身を任せた。
後で調べて解ったことだが、このときに照射された集束光の熱量により、砂地だった地面が融けて固まっていたそうだ。
水分が含まれていなかったため、水蒸気爆発は起きなかったようだが、もう少し照射時間が長ければ、融けた砂が一気に蒸発し、蒸気爆発を起こしていたかもしれないという。
第24話でした。
『レベルを上げて物理で殴れ』が通用しないボスを考えてみました。
そうでもしないと、機動力はあれども結局、原作より弱いですからね。
黒いピュアは、いわゆるマテリアル版のピュアです。
ピュアしか蒐集されてませんから、1人だけです。
ピュアの人格を元に作られているわけですが、ご覧の通り人格が成立していません。
動物的な破壊本能だけで動くため、コミュニケーションが取れません。
なので、今後マテリアルとして出る余地がありません。
何よりひろっさんは、なのはポータブルシリーズは持ってません。
『神の光』ですが、魔法の名前ではなく通称です。
まあ、こんな通称が付くくらい、戦術的戦略的にぶっ壊れた性能ってことではありますが。
ちなみに、召喚爆撃もそうですが、シェオール魔法の中でも術式がなければ使えない種類の大魔法です。
だからといってそのものをミッド式で再現できるわけではありません。
術式が必要でも魔力素操作が前提ですからね。
管理局の法律は変なところがあり、質量兵器の使用は不可でも、ヴィータのハンマーや鉄球、シグナムの剣の殺傷力が高そうな鞭形態はOKみたいです。
アウトなのは銃火器ってことなんでしょうか?
今回使用する予定だった召喚爆撃は、被害が大きすぎるため許可が必要ですが、『神の光』については高い威力を出そうとすると、今回のように大掛かりなサポートが必要になります。
なのでピュア1人で使える低い威力のものに限っては、許可が要らないという設定です。
それでも殺傷力は高いですが。
それでは。