リミットラバーズ   作:ホワイト・ラム

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過去編も終わり今回から第3部へ戻ってきました。
さぁて、今部のヒロインは?


Emotion liar~ツンデレが優遇される理由がわからない~
何でこんなの企画通ったんだ!?


「ラッシャーセ……サークルXへようこそ……」

まるでゾンビの様な顔をした店員の横を抜け、天峰がスイーツコーナーに足を運ぶ。

ゆっくりと欲しい商品を吟味する。

その表情には切実な物が有り、とても真剣そうだった。

 

「……ここもダメかぁ……」

がっかりという表情をし、コンビ二から出ようとする。

 

「もうダメだぁ……意識が……」

眼の下にヤバイレベルのクマを作っていた店員が遂に倒れる!!

天峰の知る限りでは3日以上、連続勤務していたハズだ無理もない。

 

「マジかよ……」

仕方なく救急車を呼んでおく。

最近職務怠慢で逮捕された警官が出たせいか、病院消防警察が最近張り切っているのだ。

話を聞かれると面倒なので手早く天峰はコンビニを出る。

 

「えーっとこの辺に他のコンビニはあったかな?」

頭の中に有る地図を参考に再び自転車を漕ぎ始める。

時刻はすでに深夜12時をまわっている!!

そんな中!!天峰が買い物に出ているのには理由が有った!!

それは約3時間ほど前に巻き戻る!!

 

 

 

 

 

「ふぅ~いい湯だった」

入浴を終えた天峰が頭を拭きながら冷凍庫の蓋を開ける。

7月も半ばに入り少しずつ熱さを感じる様になり始めた今日この頃。

風呂で火照った体には冷えた氷菓が欲しくなる。

 

「あれ?俺のガリガリ暴君は?」

買って来たハズのアイスが無く、思わずその場でつぶやいてしまった。

がっかり感が天峰を襲う!!!

 

「……アイスなら……ハイネが……食べた……」

 

「うぉぅ!?」

いつの間にか後ろにいた夕日に声を掛けられ、天峰が飛び上がる!!

この少女は坂宮 夕日。天峰の家に訳あって居候している義理の妹である!!

 

「いつから居たの?割と心臓に負担が掛かるからもう少し、普通に出て来てくれない?」

 

「……普通に話しかけただけ……天峰が勝手に驚いた……」

天峰の言葉に不満げに夕日が抗議する。

影が薄いのだろうか?本人は『周波数が合っていない』との事、電波なのだろうか?

 

「まぁいいや、ってか天音が食べちゃったのかよ……仕方ないな、買ってこようかな?夕日ちゃんも何か要る?」

 

「……うーん……私も……アイス欲しい……ヨーグルトのヤツ……」

 

「わかった!じゃあちょっと行ってくるよ」

そう話すと手早く自身の部屋に戻り財布をポケットに押し込む。

頭の中でコンビニを探し、最短のルートを検索する。

 

「ん?アニキ深夜徘徊か?」

扉を開くとそこには、天峰の実妹天音が立っていた。

メタな表現で読者様には悪いのだがこの口調で『妹』で有る。

 

「違う、お前が俺のアイス食ったから買いに行くんだよ!!今度買って返せよ?」

 

「アイス?知らんな!!」

 

「この野郎!!」

とぼけた態度を取る天音に天峰が切れ、頭を押さえに掛かる!!

腕を天音の頭に巻きつける!!

 

「は、はなせ!!おま、乙女に手を出すとか……恥ずかしくないのか!!」

 

「うるせぇ!!乙女はお兄様のアイスの手を出したり、風呂上りに下着だけで家の中をウロウロしないんだよ!!」

 

「個人の自由だろ!!馬鹿アニキ!!」

そう言い放ち天峰の鳩尾を殴る!!殴る!!

 

「はぁはぁ……疲れた……じゃあ俺はもう行くからな?」

 

「待てよアニキ……どうせなら、俺の分も買ってきてくれ……コレのシリーズが欲しいんだ」

そう言いながら、手に持っていたシュークリームの包を渡す。

 

「なんだコレ?」

 

「イイだろ?コレ新発売の『カレーシュー』ってんだよ!シュークリームの生地の中にカレーが入ってんだ!学校の帰りに買ったら美味かったんだよ、4種類とも買ってきてくれ、じゃあな」

手早く自身の要求を伝えると、部屋に入って行ってしまった。

残された天峰の手の中には、包み紙(ゴミ)が残されていた。

 

「なんか……負けた気がする……」

癪然としないが他ならぬ妹の為だ、仕方なしに天峰はコンビニに向かったのだが……

 

 

 

「カレーシュー?ポーク、チキン、シーフードは有るんだけど、他のはね?」

 

「ああ、それかい?実は最後の味は売り切れなんだよ、ごめんね?」

 

「もともと最後のは入荷させていないんだよねー」

 

「カレーシュー?何それ?」

 

「強盗だ!!金を――「カラーボールバァアアアン!!」ぐはぁ!?」

 

行く先々のコンビニで売り切れを言い渡される。

場合によっては仕入れてすらいない様だ。

 

「あーくっそ!!なんで無いんだよ!!ったく、溶けちまうから先にアイスも買えないし」

そう言いながら、天音に渡された紙を再び確認する。

 

『カレーシュー全4種同時発売!!優しさのポーク味!!スパイシーなチキン味!!贅沢シーフード味!!激苦のダンディズム!!オヤジ味!!』

 

(……カレーシューオヤジ味?……何でこんなの企画通ったんだ!?)

何ともいえない気持ちで次のコンビニへと向かって行く!!

 

「馬鹿らしくなってきたから、次なかったら帰るか……」

気が付けばコンビニからコンビニへと、ずいぶん長い距離を走ってきた。

周囲に建物も少なく田んぼ、ばかりでガラスに大量の虫がくっ付いている。

殆どヤケになりスイーツコーナーを目指す。

 

「あった……あったぞ!!」

その場で天峰が小さく声を漏らす!!

スイーツコーナーの端に肩身狭げに鎮座しているのは!!

 

「オヤジ味だ!!」

謎の感動が天峰の中で沸き起こり手を伸ばす!!

しかし!!現実は非道である!!

 

パシッ

 

「ゲット~♪」

横から来た、少女に先にカゴに入れられてしまった!!

更に不幸は続く!!何と!!それはラストワンのカレーシュー!!

この瞬間天峰の努力は水泡と化した!!

 

「ああ……俺のカレーシュー……」

天峰は無力感に苛まれその子が買って行くのをただ見送った!!

 

「カレーシュー……」

何とも言えない気持ちで他の買い物を済ませる。

時計を見るともう深夜過ぎ!!

ずいぶんと長い間探していた様だった。

 

「帰るか……」

そう呟き自身の自転車に跨ろうとする。

その時!!

 

「はぁ~いこんばんは、君今何歳?お父さんかお母さん居る?こんな時間に出歩いちゃいけないって分かってる?」

夜遊びする子供の天敵!!補導警官だ!!

天峰がビクッと反応する!!だが、その警官のターゲットは天峰ではなかった!!

 

「あ、あの……私?」

 

「あーそう、キミキミ。家族のひと一緒じゃないよね?」

 

 

 

ターゲットは先ほどのカレーシューの少女だった!!

確かによくよく考えてみれば、こんな時間に天峰より年下が居るのは褒められることではない!!

哀れにもこの少女は補導警官のノルマの餌食に成ってしまったのだ!!

 

少女の方は補導されるのは初めてなのか、おろおろびくびくとして要領を得ていない!!

その姿に天峰の被護欲求が掻きたてれる!!

 

(仕方ないな、今回だけ助けてやるか)

深呼吸して、天峰はその警官たちの方へと向かって行った。

 

 

 

「いやーごめん、おまたせー!」

まるで警官に気が付いていないとばかりに天峰がその少女に話しかける。

警官と少女が同時に天峰の方を見る!!

 

「にーちゃん、アイス選ぶのに迷ってさ~、さて帰ろうか?」

優しく微笑み、その少女に話しかける。

あまりの事に少女が目を白黒させる!!

 

「君、この子のお兄さん?」

警官が天峰に話しかける。

 

(よし来た!!)

天峰はこの時自身の心の中で小さくガッツポーズした。

何とか警官の注意をそらすことに成功したのだ。

 

「そうですよ?思った以上に悩んじゃって……な!!」

合図の様に、見ず知らずの少女に同意を求める!!

 

「うん……お兄ちゃん遅かったね」

 

(乗ってきた!!)

心の中でそう呟くと、天峰は少女を自身の近くに呼ぶ。

 

「あ!君たち……この辺は物騒だからあんまり夜遅く外出しない様にね!」

 

「はぁ~い解りましたー、ほら、行くぞ!」

そう言って警官の見えない場所、近くに有った公園まで歩いてその子を連れていく。

 

 

 

「さて、ここ等辺で良いかな?」

警官が居ない事を確認して、天峰がその子を離す。

 

「補導には次から気を付けるんだよ?」

尚も黙ったままの少女に天峰は声を掛ける

大体中学生位だろうか?意志弱げに下を向いている。

 

「あ……あの……」

 

「ん?」

消え入りそうな声をその子がゆっくりと顔を上げる。

ポケットから黒ブチの眼鏡を取り出し、掛ける。

 

「おにーさんは変態の人ですよね!?」

 

「はい?」

突然の言葉に天峰の頭脳がフリーズする!!

 

(変態の人?ヘンタイ?変体?編隊……どれだ?)

 

「真夜中の……公園に連れ込んで!!私に乱暴するんでしょ!?エロ同人みたいに!!」

 

(あ、コレ……アカン奴や……)

天峰はさっそくこの子を助けた事を後悔し始めた。

 




色々ヤバめな子登場!!

申し訳ありませんが……
少しこれからは更新の頻度が落ちると思います。
ゆっくり待っていてください。
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