次の日…
「おはよう‼︎」
「おはよう‼︎いつもより元気ね⁇」
「快調快調‼︎ははは‼︎」
何て快調なんだろうか‼︎
朝ご飯を少しのコーンフレークで済ませ、横須賀に行く準備をする
今日は非番だ。ゴーヤに礼を言わなきゃな‼︎
「行って来ます‼︎」
「行ってらっしゃい‼︎気を付けてね‼︎」
横須賀に着き、停泊しているタナトスの前に来た
「開けてくれ」
タナトスのハッチが開き、艦内に入る
メインルームに行くと、ゴーヤがモニターの前にいた
「ゴーヤ、昨日はありがとうな‼︎」
「どーでち‼︎ゴーヤはあぁ言うのも出来るんでち‼︎」
「素晴らしいな‼︎それで、これはお礼だ‼︎」
中心の机の上に大量のお菓子が入ったビニール袋を置く
「ゴーヤにくれるんでち⁉︎」
「全部やる‼︎」
「わぁー‼︎ヨナと一緒に食べるでち‼︎創造主、ありがとでち‼︎」
ゴーヤは嬉しそうにお菓子を手に取っては表紙を見ている
「一人で食べてもいいんだぞ⁇」
「ならこっち半分はゴーヤ、こっち半分はヨナと食べるでち‼︎」
楽しそうにお菓子を分けるゴーヤを見て、大淀博士の言葉を思い出した
レイ君といると、AIの子達が母性に目覚めるのが早いんだ
破壊と殺戮の為に産んだ、皆から死神と呼ばれ喜ぶこの子が今、ヨナに対して愛情を見せている
愛情自体は少し前から見せているのかも知れないが、これだけ如実に目の当たりにしたのは初めてだ
「これが母性、でちか⁇」
「そうだ。本来お前は優しい子だ」
思考を読まれた…
ゴーヤは何が母性かまだ分かっていない様子
「きっと創造主はこうすると思ったでち」
「俺なら一人で食うな。横須賀に食われる前にな⁇」
「それは一理あるでち…」
そう言いつつ、ゴーヤは“ヨナ”と書かれた箱にお菓子を入れている
「そういや、朝から香取先生がうっさいでち。一発かましても…」
「あの人は年がら年中うるさい。どれっ、様子を見に行くか…位置は分かるか⁇」
「少々待つでち…」
ゴーヤが目を閉じるとモニターが動く
「現在間宮で朝食をとっています」
「ちょっとやかりに行くか‼︎」
「体温が上昇状態にあります。お気を付けて下さい」
香取先生なら何か食べさせてくれるので、ちょっと顔を見せに行こうとしたが、今のタナトスの言葉で足が止まる
「体温が上昇状態…」
「発情してんじゃねーでち⁇」
「…」
「ははははは‼︎行きたくねー‼︎って顔してるでち‼︎」
いつものゴーヤに戻り、腹を抱えて笑われる
「うぬぐぐ…見てろ‼︎このマーカス・スティングレイの勇姿を‼︎」
「はいはい、死にゃしないでちよ」
ゴーヤに見送られ、タナトスを出て間宮に向かう…
「いらっしゃいませ〜‼︎」
「一名だ」
間宮に入るといつも通り伊良湖が案内してくれる
いつもの席は…そこにいんのかよ…
「大尉⁇どうぞ此方へ‼︎」
眼鏡を外した香取に手招きされ、いつもの入ってすぐのテーブル席に座る
「どうもっ。コーヒーをくれるか⁇」
「畏まりました‼︎」
伊良湖が厨房に戻り、香取先生に目線を合わせる
「大尉、秋雲さんの検査、ありがとうございました」
「これ位ならいつでも言ってくれ」
「つまらない物ですが、これはお礼です…」
またもや茶封筒を渡される
あまり好きではないデカさだ…
恐らく紙幣が入っている
「俺がそんなシケた金で動くと思うか⁇」
「思いませんよ⁇貴方はそんな子じゃないと先生は知ってます」
それでも茶封筒を机の上に滑らせて来ると言う事は、中身はお金じゃない
「信じるからな…ありがたく頂戴する」
茶封筒を受け取って中を見ようとした
「ダメです‼︎後で開けて下さい‼︎」
「わ、分かった…」
止められたので、茶封筒を内ポケットに仕舞う
「コーヒーお待たせしました‼︎」
「ありがとう」
ミルクと砂糖を二つ入れ、香取先生がモグモグしている姿を見ながらコーヒーを飲む
こうして見ると童顔なんだな…
大人しくしてりゃ、美人でウケも良いんだが…
いかんせん、口がうるさくてかなわん
「香取先生」
「何です⁇」
香取先生の額に手を置く
「あっ…」
「熱は無いみたいだな。口開けて」
「あ〜…」
「扁桃腺も大丈夫だ。何か嬉しい事でもあったか⁇」
「今ありましたよ…」
「うぐ…」
ダメだ、話を変えよう…
「香取先生は誰がタイプだ⁇」
「そうですねぇ…最近男性は増えましたからね…やはりヴィンセント中将が固いですね⁇」
「やっぱ年上好みか…」
「大尉も好きですよ⁇頑張り屋さんで、皆のお兄さんの様な大尉が」
「しかし若過ぎると⁇」
「はいっ‼︎青二才です‼︎」
「ふっ…酷い言われ様だ…」
そう言うと、香取先生も笑う
「俺は用があるから行くよ。ありがとな」
「此方こそ、楽しかったです」
一応デートらしき事をしたので伝票を取ろうとした
「何してるの。置いて行きなさい」
香取先生に腕を掴まれ、止められた
「モーニングプレートだろ⁇それ位なら…」
「あら、普段ババアババア言っているのに、こう言う時だけ女性扱いですか、大尉⁇」
「ダメか‼︎」
「一生私の事をババアと言わないなら、喜んで奢られますが⁇」
それを聞いてすぐに手を離す
それはそれはもう速かった
自分でもビックリする位のスピードで伝票から手を離した
「それでこそ大尉です」
「まっ…あれだ。またパスタでも食いに行こう」
「喜んで‼︎」
今日はババアと言うのは控えてやろう…