艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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お久振りです

長い間待たせて申し訳ありませんでした

実は途中まで書いていたマスターデータを紛失致しまして、また一つ一つ書いていました

梅雨の季節に入り、古傷も痛む中、少々痛手でした




何かのチケットを受け取ったヴィンセント

そこで待っていたのは…


309話 憧れの恋、ため息一つ(1)

数日後、香取先生は待ち合わせ場所である広場で待っていた

 

あの券の裏には日にちが書かれており、その日は御丁寧に俺の非番の日

 

しかしその日、非番なのはもう一人いた…

 

「遅いわね…あ、いえ。私が早く来過ぎたのね…」

 

集合時間の一時間前には香取先生は到着していた

 

そこにある男が近付き、横から香取先生の前にあの券を出す

 

「来ましたね大尉‼︎待っていましっ…」

 

「このチケットは私でも使用出来ますか⁇」

 

現れたのはコートを着こなし、ズボンも丁寧にアイロン掛けされてピシッと上下黒で決めたヴィンセント

 

「えぇ⁉︎えぇぇえ⁉︎」

 

「私では使えませんか⁇」

 

「い、いいんです中将‼︎その…ご迷惑でなければ…」

 

「ではカトリ、参りましょう」

 

ヴィンセントが左手を差し出す

 

「はわ…」

 

俺が来ると思って、多少おちょくる準備をしていたであろう香取先生

 

まさかの自分の憧れの男性が来て、エスコートされる

 

「今日は一日、貴方の物です、カトリ」

 

「どどどどうしましょう…」

 

カトリはとりあえず手を取り、二人は繁華街へ向かう

 

 

 

「お腹、空きましたか⁇」

 

「は、はい‼︎ヴィンセント中将の好きっ…」

 

カトリの口元ギリギリに、ヴィンセントの人差し指が来る

 

「ヴィンセント、です」

 

「ヴィ、ヴィンセントのオススメは…」

 

「貴女の行きたい所に行きます。私がワガママを言うのは、最後だけにします」

 

「わかっ、り、ましっ、た‼︎」

 

ガチガチになったカトリは、とりあえず間宮にヴィンセントをエスコートする

 

「オメェまたこれ脱脂粉乳じゃねぇか‼︎おい‼︎カウンターから出て来るんダズル‼︎」

 

「間違えました‼︎すぐにお持ちしますので‼︎」

 

「ならん‼︎何回間違えたら分かるんダズル‼︎今日こそブン殴ってやるダズル‼︎」

 

「あーっ‼︎」

 

間宮の中では、脱脂粉乳を出されて遂にブチギレた榛名がいた

 

物を投げたり殴ったりはしていないが、今にも榛名はしそうである

 

間宮は必死に宥めるが、榛名は数回目の事なので遂に堪忍袋の緒が切れた

 

何故間宮はこれだけ言われても脱脂粉乳を置くのか…

 

「…余所にしましょうか」

 

「…そ、そうですね」

 

間宮を後にし、ケーキバイキング伊勢に来た

 

「いらっしゃいませ〜‼︎」

 

「二名です」

 

「お好きな席にどうぞ‼︎」

 

二人は先にケーキを取り、空いている店内の真ん中辺りに腰を降ろす

 

「ヴィ、ヴィンセントは、甘い物は、好き、ですか⁇」

 

「えぇ。朝はいつも少しばかりアイスクリームを食べる位です」

 

「何か願掛けですか⁇」

 

カトリはチーズケーキを食べつつ、ヴィンセントの事を知りたくて堪らない

 

そんなヴィンセントはバニラのアイスクリームをクロワッサンに乗せて食べている

 

「この仕事は、いつ命を落とすか分かりません。なので、朝に自分の一番好きなアイスクリームを少し食べて後悔をしない様にしているのです」

 

「なるほど…それ、美味しいですか⁇」

 

「失礼、嫌でしたか⁇」

 

「ち、違います‼︎ホントに美味しそうなので‼︎」

 

カトリの焦った顔を見て、ヴィンセントは立ち上がってバイキングに向かう

 

すぐに戻り、皿の上には同じバニラのアイスクリームとクロワッサンが乗っている

 

「頂きますね」

 

ヴィンセントと同じ様に、スプーンで掬って、千切ったクロワッサンに乗せて口に運ぶ

 

「あら…美味しい‼︎」

 

「それは良かった」

 

ヴィンセントはブルーベリーチーズケーキを食べながら、カトリの顔を眺める

 

「貴方は歴戦の空母乗りとお伺いしました」

 

「運が良かっただけです。優秀な部下、優秀な同僚、信頼出来る友人がいたから、ここまで来れました。カトリは様々なパイロットの教官と聞きましたよ⁇」

 

「私は基本を教えただけです。後はあの子達が如何に生き残るか…それだけです」

 

「その基本を教えたと言うパイロットはエースばかり…ふふ、カトリも鼻が高いはずです」

 

「後は二人ほど昇進してくれれば、私は隠居出来るのですがね…理由があるのでしょう。あの二人は特に…」

 

そう言うと、カトリは微笑む

 

昇進して欲しい二人の内一人は、今目の前にいる憧れの彼の息子

 

昇進しない理由は、当の本人達にしか分からない…

 

「行きましょうか」

 

「はいっ」

 

緊張も解れた所で、二人は繁華街に戻る…

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