「やっぱあいつ、空に上がるとおっかねぇなぁ…」
「トリガーハッピーみたいなもんだろ⁇」
「まぁ…」
しばらく話した後、ようやく足を動かした時だった
「お二人さん‼︎」
「何だ⁇サインならお断りだ…」
振り返ったスティングレイが固まっている
「ん⁇」
私も振り返ってみると、そこにはちょっとギャルっぽい銀髪の女の子がいた
「いいか、1、2の3で、間宮まで一気に走れ」
「よ、よし…」
「⁇」
銀髪の女の子は不思議そうな顔をしている
「1、2、3‼︎」
二人して一気に駆ける
「何で”あの人”がいんだよ‼︎」
「俺に聞くな‼︎」
猛ダッシュで間宮に着き、たいほう達を探す
「いたいた。よいしょホットコーヒーと…お前は⁇」
「ハチミツミルク一つ」
たいほうの横に座ると、彼女は頬に何かクリームみたいなのを付けていたが、気にしなかった
「どうにかなったな…」
「あのギャルに掴まったら、何される事やら…」
「美味しいですか⁇」
「うんっ‼︎まみやのぱふぇすき‼︎」
「うふふっ‼︎可愛いわねっ‼︎」
「「だあぁぁぁぁっっっ‼︎‼︎‼︎」」
二人の悲鳴が間宮に響く
まいたハズの銀髪の女の子が、たいほうの横に座ってパフェを食べさせている
「に、逃げるぞ…」
「あぁ」
「お・ふ・た・り・さんっ‼︎」
二人して肩を掴まれ、背筋が凍る
「は…はひ…」
「な、何でしか…”鹿島教官”…」
「いい飛びっぷりでしたね‼︎はなまるですっ‼︎」
「あはは…ど、どうも…」
「でも…」
「「あ」」
スティングレイの肩に置かれた手に力がこもる
「ギャルは無いですよね〜」
「あ…あべし‼︎」
「鹿島…⁇」
「お…おねぇさま‼︎」
「はいっ、宜しい‼︎」
ようやく手を離され、呼吸を整えた
彼女の名は鹿島
私達の元飛行教官だ
「あら、スティングレイ。ちょっと男前になりましたか⁇」
スティングレイの顎を持ち、顔を近付けた
自分の部下だから言うのも何だが、スティングレイは黙っていれば本当にイケメンだ
子供にも優しいし、パイロットとしての腕もピカイチ
傭兵時代に至っては士気を高めるために、志願兵を募るポスターになった事もある
「よく見るとタイプね…うふふっ、食べちゃおうかしら⁇」
鹿島は舌をペロッと出し、スティングレイをその気にさせようとしている
「ん〜…ダメ」
「おっ…」
ふと現れたグラーフが二人を引き剥がした
「スティングレイ…私の」
「おほっ…」
「たいほうの‼︎」
「‼︎」
突然キレたたいほうに一同驚いた
「ああああ‼︎分かった分かった‼︎俺ぁたいほうの専属パイロットだっ‼︎」
スティングレイはたいほうを膝の上に座らし、一緒にパフェを食べ始めた
「ふぅん…グラーフさん、でしたね⁇」
鹿島の目の色が変わった
「そう」
「私に彼を下さい」
「ヤダ…」
「そう…なら、貴女はライバルね」
「…」
「ま、いいわ。私は彼が必要なの。恋もそうだし、何せ、彼の腕が必要なの」
「あげない」
「今日の夜、お邪魔するわね⁇ダーリンっ」
グラーフに散々喧嘩を売り、鹿島は間宮から出て行った
「くっ…」
「…」
グラーフは鹿島が出て行ってしばらくは出口を見つめ、完全に去ったのを確信した後、スティングレイに寄った
「怒って…んむっ‼︎」
「おっ」
何を思ったのか、グラーフはスティングレイの顔を掴み、思いっきりキスをした
「鹿島に食べられる前に…私が食べとく…じゃあね」
「…」
グラーフが去った後も、スティングレイはしばらく放心状態
膝の上でたいほうは何が起こったのか分からず、パフェを食べ続けていた
「はっ‼︎」
ようやく気が付いた
「良かったな」
「あ…お、おぅ‼︎やっとだぜ‼︎」
「すてぃんぐれい…たいほうのぱいろっとやめるの⁇」
たいほうの目が潤んでいる
今にも泣き出しそうだ
「大丈夫、心配すんな。俺ぁずっと、たいほうの専属さ」
「よかった‼︎」
笑顔を見せた後、残りのパフェを掻き込み、そのままたいほうも去った
「俺達もそろそろ出よう」
「ん」
間宮を出てしばらく歩くと、工廠に武蔵がいた