今日はクリスマスイヴという事で、番外編を書きました
このお話では、パ…サンタクロースが艦娘の所にプレゼントを配りにやって来ます
※途中、知ってる歌の歌詞が流れるとは思いますが、お金は貰っていないので、セーフでお願いします
感想、コメント、お待ちしております
「何⁉︎提督がいないだと⁉︎」
それは、武蔵の一言で始まった
12月24日午前、パパが行方不明になる
コルセアも無い
「どこ探してもいないのよ」
「横須賀と単冠湾はどうだ⁉︎」
「ちょっと連絡してみるわ」
戦艦二人が焦る中、スティングレイは落ち着いていた
「横須賀さんですか⁇うちの者が訪ねていませんか⁇はい、そうですか。分かりました」
ローマが電話を切ると、即座に武蔵が反応した
「どうだって⁇」
「機体は横須賀にあるみたいよ。でも、当の本人が行方不明だから、向こうもパニックになってるみたい」
「何をしているのだ‼︎提督よ‼︎」
その頃、横須賀鎮守府では…
「大佐も忙しい人です…」
「口止めされてますからねぇ」
電話を切った後、横須賀と明石が愚痴っていた
理由は、数時間前に遡る
「あれ⁇大佐⁉︎」
横須賀鎮守府に、コルセアが着陸する
連絡無しに訪れるのは珍しい
降りて来た大佐に近寄ると、燃料を満タンにして欲しいと言い、俺が来た事は口外するなと言った
そして基地のジープを勝手にパクり、何処かに行ってしまった
様子が可笑しいとは思ったが、部屋に戻ってカレンダーを見て、事態を飲み込んだ
「夢を壊さない人…ホント」
「あ、それも‼︎これも追加だ‼︎」
皆が必死に私を探し回っている最中、私は一人、大型デパートにいた
「これとこれとこれ‼︎キャッシュだ‼︎」
側から見れば、今話題の爆買いだろう
「あ〜…それはそっちの袋だ‼︎そう‼︎」
パンパンになった袋が三つと、小さな袋が一つ出来上がった
「やっと終わっ…はっ‼︎」
ふと何かを思い出し、もう一度デパートを駆け巡る
「あれとそれとこれ‼︎これもそれも‼︎そうだ、それは箱で全部だ‼︎」
あっと言う間に袋がもう一つ出来上がった
「ま、これで充分だろ」
カート2台分を引き、フードコートに向かう
「アイスコーヒー二つ」
広めの席を取り、コーヒーを飲みながらそこで何かを書き始め、買った物一つ一つに付け始めた
………
……
…
「ま、こんな感じかな⁇」
全ての物に書いた物を付けたのを確認した後、私はようやくデパートを出た
ジープの荷台にそれら全てを乗せ、まず走らせたのは、自分の生まれた街
「あ‼︎大佐だ‼︎」
「やっぴ〜‼︎」
すれ違う人達に挨拶をし、最初に着いたのは、引退した艦娘住んでいる区域
「大佐⁇何してるの⁇」
最初はビスマルクか…
「えっと…ビスマルクのは…あった」
「⁇」
「いい女になるんだ。メリークリスマス‼︎」
ビスマルクにプレゼント箱を渡し、次に向かう
「え⁉︎あ、ちょっと‼︎」
次は瑞鳳だ
「あれ⁉︎提督さん⁉︎」
「これで、美味しい卵焼きを作るんだ。メリークリスマス‼︎」
何が起こったか分からないまま、瑞鳳の手元には、柄の部分リボンが付いた、焦げ付かないと有名なフライパンが残る
「…え⁇」
次はみほだ
おっ、丁度いい
伊勢も日向一緒だ
「あら、大佐‼︎」
「みほ、君にはこれだ。君には感謝仕切れない…メリークリスマス‼︎」
みほに小さな箱を渡した
「あらあら‼︎ありがとう‼︎」
「日向‼︎伊勢‼︎君らにはこれだ‼︎」
二人には、箱では無くリボンの着いた紙袋を渡した
「いいのか⁇」
「わぁ‼︎ありがとう‼︎」
「よし、この辺りはおしまいだ‼︎じゃあな‼︎」
私はそのままその区域を出た
街に戻り、街の中心部でジープを停め、箱で買ったお菓子を開いた
「メリークリスマス‼︎」
行く子供行く子供にお菓子を配る
「わぁ‼︎大佐だ‼︎メリークリスマス‼︎」
「よしよし」
子供達の頭を撫で、しばらくそこでお菓子を配り続けた
「じゃあな‼︎」
「ばいば〜い‼︎」
「ありがと〜‼︎」
ようやく横須賀に戻って来た
「帰って来ましたよ‼︎」
「やっとか…」
帰って来た大佐は、コルセアの近くにジープを停め、機体の爆弾倉に何か詰めている
「大佐‼︎何してたんですか‼︎」
「買い物。今流行りの爆買いだ、爆買い」
「早く帰ってあげて下さい。みんな心配してますよ」
「もう帰る。あぁ、今日の夜中、滑走路を空けといてくれ。ワンコにもそれを伝えといてくれ」
「…了解です」
「じゃあな‼︎ありがとう‼︎」
大佐はそのまま帰って行った
「全く…感謝するのはこっちです」
「ただいま‼︎」
「提督よ‼︎何処に行っていた⁉︎」
「あれだ。爆買いだ」
「心配かけさせるな‼︎」
「…ごめんなさい」
「さぁ‼︎今日は豪勢な食事だ‼︎外国では”くりすます”と言うらしい‼︎」
「食べよう‼︎」
少し早めの夕食だが、返って良かった
深夜には、また飛ばねばならない
たいほうは嬉しそうにチキンを食べ
れーべとまっくすが作ったシュトーレンを、はまかぜとグラーフがかじっている
武蔵とローマは、巨大な七面鳥に食らいついている
ほっぽとコウワン=サンも、楽しそうだ
「コレ、ミンナニプレゼント‼︎」
ほっぽがみんなに金平糖みたいな物が入った袋を配っている
「コンペイトウジャナイヨ。ホウセキノカケラダヨ」
「きらきらだね‼︎」
「オイシカッタ‼︎」
「アリガトウ、パパ」
「外まで送るよ。みんなは食べてて」
二人が海に立った時、私は買って来たプレゼントを出した
「はい‼︎」
「イイノ⁉︎」
「はい、貴方も」
「…ウレシイ」
「気にいるかどうか分からないけど…メリークリスマス‼︎」
「メリークリスマス‼︎」
「メリークリスマス‼︎」
プレゼント箱を大切そうに抱いたまま、二人は海に帰って行った
その後、武蔵とローマが酔っ払い、私が布団まで持って行き、チビ達がようやく寝息を立てたのを見計らい、格納庫に足を運んだ
「片方だけでも行こうか⁇」
壁にもたれていたのは、スティングレイだ
「お前が居るから、安心して離れられるんだ」
「ふっ…任せろ‼︎」
「メリークリスマス‼︎」
スティングレイにもプレゼントの袋を渡した
「い、いいのか⁇」
「恐らく欲しがってた奴だ」
袋を開けると、革ジャンが出て来た
「新調しようとしてたんだ‼︎ありがとう‼︎」
「じゃあな。しばらくみんなを頼む‼︎」
「任された‼︎」
よし、まずは単冠湾だ
「ワンコ、聞こえるか‼︎サンタクロースだよっ‼︎」
「たい…サンタクロースさん‼︎お聞きしております‼︎二番滑走路をお使い下さい‼︎」
言われた通り、二番滑走路に機体を停めた
”単冠湾”と書かれた袋を持ち、一気にワンコの部屋に走った
「はぁ…はぁ…サンタクロースだっ‼︎」
「サンタクロースさん⁇」
中ではワンコと香取が居た
「えと、えと…さ、サンタクロースさん‼︎とりあえず一服して下さい‼︎」
「ん」
単冠湾と共に、タバコに火を点けた
「これ、みんなにプレゼントだ」
「いいんですか⁉︎」
「子供の夢を壊す訳にはいかん。これをみんなの枕元に置いてやってくれ。大きい連中にバレたら、お前が買って来た事にしろ」
「それでは大佐の面子が…」
「大佐⁇私はサンタクロースだ。サンタクロースは面子を気にしない。じゃあな‼︎」
タバコの火を消し、再びコルセアに乗る
「星空にダイブだ‼︎はっはっはー‼︎」
「行ってしまった…」
「嵐の様な人ね…」
「とりあえず、開けてみようか」
香取と二人で、袋を開けてみた
艦隊全員のプレゼントがあり、香取の分もあった
「あっ…」
そして勿論、ワンコの分も
「わぁ‼︎欲しかったアンティークライターだ‼︎」
「私はイヤリングね…分かってるわ、サンタクロースさんは」
単冠湾にも、聖なる夜が訪れた
「ラジオでも聴くか」
「クリスマスの日私に〜」
一昔前に流行った、クリスマスソングが流れて来た
どうやら特集の様だ
「ラースクリスマス…」
《大佐…久々の美声ですね》
横須賀だ
「クリスマスソング特集だっ‼︎」
《午前中、街にいる艦娘達にプレゼントを配っていたそうで》
「まぁな。クリスマスは平等に幸せになる権利がある」
《ふふふっ…貴方らしい。一番滑走路をお使い下さい》
「サンキュー」
機体を停め、再び走る
「サンタクロースだっ‼︎」
「私しか起きてません」
「うっ…」
「一緒に配って頂けませんか⁇」
「分かった」
時間をかけ、みんなの所にプレゼントを置いて行く
島風には、あったかい腹巻き
長門には、連装砲シリーズのぬいぐるみ
明石には、多機能レンチ
他にも沢山いるが、ほとんど横須賀が配ってくれた
「終わったな…」
「サンタクロースさん、ありがとうございます」
「どういたしまして」
「じゃあ、サンタクロースさんにもプレゼントをあげます。目を閉じて下さい」
「うほっ」
期待して待っていると、頬に柔らかい物が当たった
「サンタクロースさんは、私の好きな人に瓜二つです。だから、普段彼に出来ない事を…」
「あ、ありがとう。もう行く」
「ありがとう、サンタクロースさん。また来年ね⁇」
「おぅ」
ようやく横須賀の基地を去る
後は自分の基地だけだ
基地に帰ると、みんな寝静まっていた
「よしよし…」
工廠の妖精達のプレゼントは、ポップコーン製造機と、その種だ
まず最初はチビ達の所だ
れーべとまっくす、たいほうには、ケンカしないように新しいリュックをそれぞれ置いた
はまかぜとしおいには、化粧品のセットを置いた
次は大人達だ
グラーフには、ネックレス
ローマには、新しいメガネのフレーム
武蔵には、高級なセーターを置いた
鹿島は、スティングレイにプレゼントを渡して置いた
彼から渡した方がいいだろう
「おやすみ〜…」
みんなのいる部屋の扉を閉めた
次の日の朝…
「わぁ‼︎プレゼントだ‼︎」
「プレゼントだ」
「おそろいのりゅっくさっくだね‼︎」
「私はメイク道具です」
「しおいもです‼︎」
「グラーフは、ネックレス」
「頑丈なフレームね…これは良いフレームよ」
「温かいセーターだな‼︎さんたくろーすとやらに感謝せねば‼︎」
こうして、パパのクリスマスは幕を閉じる
単冠湾と横須賀では、こんな噂が立った
最近のサンタクロースは、戦闘機でプレゼントを配るのだ…と