その日の昼食の後、食堂でスティングレイと煙草を吸っていた時、彼は何気無しに言った
「霞は上手くやってるかな…」
「どうだろうな…ちょっくら様子を聞いてみるか」
私は電話を取り、霞のいる基地に繋いだ
「どうも、横須賀航空隊です」
しばらく会話をしていると、隊長の顔が険しくなった
「後ろにいるのは誰だ…おい‼︎」
一方的に切られたみたいだ
「どうした⁉︎」
「霞が危ない」
「場所は」
「パラオ泊地だ」
「ちっ…手間のかかるアホだ‼︎」
口ではそう言うが、いの一番にスティングレイが格納庫に走って行った
「提督」
「雲龍か。どうした⁇」
「パラオは飛行部隊が強い。私が護衛を…」
「戦いじゃないよ」
戦闘の準備をしている雲龍の頭を撫でた
「え⁇」
「人を迎えに行くだけだ。雲龍はお風呂を沸かしておいてくれ。恐らく必要になる」
「分かった。気を付けてね」
表に出ると、フィリップが滑走路に出ていた
コックピットが開き、中からライフルを持ったスティングレイが顔を見せた
「隊長、一応念の為に持っててくれ‼︎」
ライフルを投げられ、それを受け止める
「あとこれも」
次は袋を投げる
「ライフルはフルチューンしてある。袋の中身は銃弾だ。赤いのが散弾、通常弾は金、それと、硬質のゴム弾が青だ‼︎」
「助かる‼︎」
「先に上がるぞ‼︎」
スティングレイから少し遅れて、私も上がった
《隊長、やっぱ霞になんかあったのか⁇》
「電話の後ろで泣き声が聞こえた」
《ったく…手間のかかる奴ほど可愛いって、こういう事だろうな…》
「ははは‼︎全部お前に返してやるよ‼︎」
《言われなくても分かってらぁ‼︎》
しばらくスティングレイと話していると、パラオ泊地が見えて来た
「こちら、横須賀航空隊。着陸許可を求む」
《拒否する》
《だと。やるか⁇》
「こちら横須賀航空隊。着陸を許可しない場合は、滑走路破壊の後、格納庫群を爆撃する」
《わ〜お…》
予想外の答えが返って来たのか、スティングレイは驚いている
《…》
パラオ泊地からの返信は無い
仕方ない…こちらも本気と言う事を見せてやろう
「スティングレイ、爆弾倉を開け」
《了解》
《着陸を許可する》
フィリップの爆弾倉が開いたのを確認し、こちらが本気だと伝わったのか、ようやく許可が下りた
「降りるぞ」
《はっはっは‼︎やるねぇ〜‼︎》
着陸して機体を降りると、中々スティングレイが降りて来ない
「スティングレイ、どうした⁇」
《横須賀直々の命令だ。霞を助けろ、だと。二式大艇を寄越してくれるらしい》
「もっと前に言えって返信しとけ」
《分かった‼︎》
スティングレイも降り、いよいよ基地に入る
「なんかよ…異様じゃねぇか⁇」
「あぁ…」
あちらこちらに艦娘がいるが、常に臨戦態勢であり、殺気立っている
「いつも通りだ」
「お、おぅ…」
執務室のドアの前に着いた
異様な雰囲気を前にし、スティングレイが腰のピストルに手を置いた
「隊長、殺られる前に殺るだけだ」
「行くぞ」
互いに武器を構え、勢い良くドアを開けた