艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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43話 プロゲーマー鹿島(2)

「やりましょう‼︎負けませんよ⁇」

 

ゲームがセットされ、まずは卓球を楽しむ

 

「えい‼︎」

 

「とおっ‼︎」

 

しばらくラリーが続き、たいほうがスマッシュを決めた

 

「たいほうのかち‼︎」

 

息を切らしながら、鹿島は思った

 

ダメだ…強い…

 

その後も色々な種目をするが、鹿島は一度も勝てなかった

 

最初は勿論手を抜いて居たが、最終的には本気になっていた

 

「た…たいほうちゃん‼︎これをしましょうか⁉︎」

 

「かくげー」

 

”路上格闘者”と書かれた格ゲーは、鹿島の得意分野であった

 

「本気で行きますよ⁉︎」

 

「これにする」

 

鹿島は赤い服を着た男のキャラ

 

たいほうはピチピチのハイレグを着た女キャラに決めた

 

”ファイッ‼︎”

 

互いに無言のまま、ボタン操作の音だけが響く

 

”K.O‼︎”

 

「ああああああああ」

 

「たいほうのかち‼︎」

 

鹿島は色々なコマンドや技を出していたが、たいほうは弱いパンチで画面端に追いやり、連続で当てていた

 

連戦連敗の鹿島は思った

 

こうなれば、本気で行くしかない‼︎

 

子供が相手でも、もう容赦しない‼︎

 

「次で決めますよ‼︎」

 

鹿島が選んだのは隠しキャラ

 

たいほうは同じキャラ

 

”ファイッ‼︎”

 

また無言が続く

 

ボタン操作の音とBGMと効果音だけが聞こえる

 

”K.O‼︎”

 

鹿島はコントローラーを後ろに投げた

 

「フーッ‼︎フーッ‼︎」

 

「たいほうのかち‼︎」

 

弱いパンチだけでは無く、チマチマと下蹴りを食らわせられ、隠しキャラは撃沈した

 

「何で勝てないのです‼︎」

 

「はやいぱんちつよい」

 

「ぐ…ぐぬぬ…」

 

何かたいほうを負かすゲームは無いのか…

 

はっ‼︎そうだ‼︎

 

これは無理だろう‼︎

 

鹿島はゲーム機を片付け、パソコンの前に座った

 

遅れてたいほうが膝の上に座る

 

「このゲームは勝ち負けはありません‼︎ふふふふふ…」

 

「おんなのこいっぱい」

 

たいほうに勝てない事が分かったのか、鹿島は最終手段に出た

 

ギャルゲーだ‼︎

 

”鹿島さん…貴方が好きです”

 

「たいほうはきらい」

 

「あら」

 

基本肯定的だったたいほうが、珍しく否定し始めた

 

「だめだよ、かしま。このこはきらい」

 

「え…えぇ」

 

鹿島はその女の子からの告白を断った

 

「たいほうはどの子が良いですか⁇」

 

「このこ」

 

たいほうが指差したのは、明らかにワルそうな女の子

 

外見は金髪のコギャルで、好きな物はお金と書いてある

 

恐らく、どんなプレイヤーでも初見は嫌いであろう

 

「ほかのこはだめだよ。たいほうこのこがいい」

 

「じゃあ、やってみますか‼︎」

 

嫌々やり始めた女の子の攻略をしながら、鹿島は思った

 

たいほうはもしかして褐色フェチなのでは、と

 

幾度目かの選択肢を選んだ後、告白のシーンが来た

 

”あのさ…あたし、鹿島の事が…その、好き…”

 

「おぉぉぉぉお‼︎」

 

「ほら‼︎」

 

目の前には色白になり、髪の毛も黒色に戻した、如何にもヒロインという様なキャラがいた

 

”お金は少しでいい。その分、あたしのそばにいてくれれば…いい”

 

「可愛いですねぇ…」

 

「このこがいちばんかわいかった‼︎」

 

そして迎える、超が付くほどのハッピーエンド

 

「おもしろかったね‼︎」

 

「そ、そうですね‼︎」

 

鹿島は困惑していた

 

実はこのゲーム、ハッピーエンドは一人しか居ない

 

それを探すのを楽しむゲームなのだ

 

鹿島は一人やってみたが、超が付くほどのバッドエンド

 

浮気されて、借金まみれにされた

 

たいほうはそれを一発で見抜いた

 

「ただいま〜」

 

「パパだ‼︎かしま、またやろうね‼︎」

 

「えぇ‼︎いつでも‼︎」

 

たいほうは帰って来た隊長の所に行った

 

久し振りにゲームをした

 

そして、まさかたいほうがあれだけ強いと思っていなかった…

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