艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

184 / 1101
50話 ブロンド少女と凶鳥と(4)

「おおいのトイレ間違えて開けて、追いかけ回されてた⁇」

 

私達は隊長に言われるがまま、スカイラグーンに来ていた

 

「すまん‼︎本当にすまん‼︎」

 

隊長は土下座までして謝っている

 

 

 

「しかも、総員集合のサイレンは、暁が鳴らした…と」

 

「すまん‼︎この通りだ‼︎」

 

二人は呆れた視線を送っていた

 

「ま、まぁ…あれです。生きて帰れますしね…うん」

 

「バッカスがそんな事言うとか、珍しい」

 

しまった、口が滑った‼︎

 

「分かった。愛宕にプロポーズするんだ」

 

ギュゲスには見透かされてるみたいだ

 

「あぁもう‼︎そうだよ‼︎」

 

後頭部を掻きながら渋々答えた

 

「今日帰ったら、渡そうかなって…」

 

呆れた視線を、今度は送られる

 

「バッカス…君はすぐ死亡フラグを立てますね…」

 

「今まで何回立てて来たやら…」

 

「⁇」

 

「気付かないのもまた凄い…」

 

「俗にいうフラグブレイカー、か…」

 

「二人共何言ってるんだ⁇」

 

「ま、まぁ‼︎帰りましょう‼︎ねっ⁉︎」

 

「は、はい…」

 

スカイラグーンを発ち、基地に戻って来た

 

「頑張って下さいね‼︎」

 

「ファイトだ」

 

二人に見送られ、愛宕の部屋に向かう

 

「愛宕〜帰ったぞ〜」

 

「…」

 

部屋に入ると、机の上に頭を置いている愛宕が居た

 

どうやら眠っている様だ

 

「ん⁇」

 

机の上には、何枚かの資料が乱雑に置いてあった

 

その一枚を手に取り、内容を見た

 

「空中艦隊計画…」

 

随分昔に、レイと立てた計画だ

 

艦載機を大型の機体に載せ、交戦空域の近場で発艦する母艦とその護衛艦の建造計画だ

 

効率は中々良かったハズだが、燃費が悪く、機体の開発費もバカにならなかった為、破棄されたのを覚えている

 

後にレイが開発した無人潜水艦”ロンギヌス”は、効率も燃費も良かった

 

当初はレイに嫉妬したが、レイは何故か報酬を半分私にもくれた

 

何故かと聞くと”射出式の無人戦闘機、あれはお前の計画からパクった‼︎だから、二人の結果だ‼︎”と、言われた

 

レイらしいと言えばレイらしい

 

思い起こせば、マヌケでどうしようもない思い出の方が多いが、その倍、レイは優しかった

 

「アレン⁉︎帰ったのなら言ってよ〜‼︎」

 

いつの間にか愛宕が目を覚ましていた

 

「今帰った所さ。これ…」

 

資料を見せると、愛宕はアタフタし始めた

 

「あ、あの、その、あれよ‼︎何かな〜⁇なんて…あはは」

 

「空中艦隊計画…これは、旗艦の重巡航管制機の設計図さ」

 

椅子に座っている愛宕の背後から手を通し、資料の説明始める

 

「私と一緒⁇」

 

「そうだな…此奴の主な目的は艦載機の発着艦なんだ」

 

「空母なの⁇」

 

「空母に近いかな⁇でも、攻撃だって出来るんだ。近接防衛の対空兵器がいっぱいあって、長距離ミサイルも撃てる」

 

「他にはあるの⁇」

 

「あるよ。次はこれ」

 

三枚ある一枚を取り、説明を再開

 

「これは、航空火力プラットフォーム。この重巡航管制機を護るために、常に傍を飛ぶ」

 

「私とアレンみたいね‼︎」

 

「そんな感じだ。重巡航管制機が高火力を出せない分、こいつが援護してくれる」

 

「次は⁇」

 

「これは、電子支援プラットフォーム。こいつが艦隊の頭脳だ」

 

「あら〜⁇兵装が…」

 

「そう。こいつには兵装が無い。その代わり、高性能な電探や便利なシステムが沢山乗ってるんだ」

 

「アレンは凄い物を造ろうとしていたのね‼︎」

 

「ま、計画は頓挫したんだけどな…未完成の兵器さ…」

 

「もっとあたしにお話して⁇ねっ⁇」

 

「分かった」

 

愛宕は時々こうして子供に戻る

 

普段はのんびり屋で何処か抜けている

 

それでも、頼れるお姉さんの様な存在だった

 

そんな彼女が、興味深々で私の話に食い付く

 

「あっ‼︎アレンって、特技ある⁇」

 

「あるちゃあるけど…言わない」

 

「どうして〜⁇教えてよ〜‼︎」

 

駄々をこねる愛宕を見て、どうせ長い付き合いになるんだと思い、言う事にした

 

「…後悔しない⁇」

 

「え…なに⁇そんなにブラックな趣味⁇」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。