「おはよう、フィリップ」
昼前に格納庫の扉が開き、レイが現れる
《おはよう、レイ。今日は何するの⁉︎》
「ライター探し」
《ら、ライター⁉︎》
「そっ。昨日どっかに落としちまってなぁ…たいほう辺りが遊んで火傷したら大変だ」
《あの高そうなアメリカのライター⁇》
「そう。買ったばっかなんだ…てか、よく知ってるな」
《僕のダッシュボードを見て》
「んな所に置いてない」
《一応見てよ‼︎ね⁇》
「…お、おぅ」
渋々フィリップのダッシュボードを開けると、ポツンとライターが置いてあった
「何でこんな所に…」
《昨日、きそと会った⁇》
「あぁ。一緒に海岸に居た」
《届けてくれたんだ。もう落とすなって言われたよ》
「そ、そっか。また借りが出来たな」
《きそはレイの前ではどんな子なの⁇》
「いい子だ。外見と違って、猫みたいな甘えん坊さ」
《可愛い⁇》
「可愛いな。たいほうとかの可愛さとまた違う」
《そっか…へへへ》
「何でお前が照れるんだよ‼︎」
《いやぁ、レイの口から可愛いなんて言葉が出るとはね》
「こう見えて教養はあるんだぞ⁇俺を見くびったなフィリップ君‼︎」
モニターににやけ顏を見せるレイ
フィリップは嬉しかった
きそである自分
フィリップである自分
そのどちらも、彼は愛してくれる…
「そうそう。今日はミハイルが来るんだ」
《ドイツの子達の様子を見に⁇》
「らしいな。まっ、とにかく挨拶して来るよ」
《行ってらっしゃい‼︎》
フィリップは後で気付いた
レイが何気無しに、ミハイルさんの事を呼び捨てにしていたのを…
基地に帰ると、プリンツがソワソワしていた
「あわわわ…怒られちゃうのかなぁ…」
「怒られる様な事したのか⁇」
「してないよ‼︎」
「なら、胸張って待ってろ」
「分かった‼︎」
プリンツから目を外すと、グラーフはグラーフでアタフタしている
「おめかししちゃって…」
「おめかしした方が良いでしょ⁇」
「まぁな」
こう、ちょっと大人しい感じを保ってくれりゃ、本当可愛いのにな…
椅子に座ってお菓子を口に入れた時、汽笛が鳴った
「来たか」
数分すると、船からミハイルと女の子が降りて来た
隊長は今風呂に入っているので、俺が出迎える事になった
「皆様、ご無沙汰です‼︎」
「お疲れ様です、ミハイルさん」
「ほら、挨拶しなさい」
「こ…こんにちは…」
その少女は、ミハイルの足元にしがみ付きながら、俺の目を見つめる
「この前はありがとうな、Uちゃん‼︎」
「うん…U、お役に立てた⁇」
「立ったとも‼︎Uちゃんが居なきゃ、みんなを助けられなかったんだぞ⁇」
「…嬉しい」
「スティングレイ、三人は元気ですか⁇」
「えぇ、奥に居ます。どうぞ」
ミハイルとUちゃんを食堂へと案内する
ミハイルは脇に封筒を挟み
Uちゃんはジュラルミンケースを持って、ミハイルの横を歩いている