「そうだよ‼︎ミハイルは僕達の事を本当の子供みたいに接してくれるんだ‼︎」
「お菓子もくれる」
「そんな人なら、尚更大事にしないと…」
「ぐらーふもかいて‼︎」
「ん」
たいほうからぬり絵を渡され、グラーフもやり始める
グラーフの横には、左に霞、右にUちゃんがいた
ジュラルミンケースが開けられており、中にはぬり絵や色鉛筆、後、小さなぬいぐるみが入っている
どうやらUちゃんが出したぬり絵の様だ
「このジュラルミンケース、ミハイルさんがくれたの。ミハイルさんのおさがりなんだよ⁇」
「宝物なんだね」
「うん。Uの宝物。ぬり絵とか、おままごとのセットを入れてるの」
「大切にね」
「うん」
しかし、Uちゃんは色鉛筆を変な持ち方をしている
色鉛筆を右手の握り拳に刺し、それを拳ごと動かして色を塗っているが、中々綺麗だ
見た所、まだ幼いのでこれでいいのかも知れない
上手だし、大丈夫だ
俺は工廠で、とある艤装の最終仕上げをしていた
「スティングレイ‼︎」
「来ましたか‼︎どうでしたか⁇」
手を止めて、ミハイルの所に寄る
「心配ご無用ですよ。本当に感謝します」
「それは良かった‼︎」
ミハイルの目線が、俺の造っている艤装に目が行く
「これは⁇」
「新しい魚雷です。威力と命中精度を高めた新型の艦首魚雷です」
「マーカス」
ミハイルの顔付きが急に変わり、俺の胸に封筒と勲章の入った箱を置いた
「頼まれてたものだ。それと、勲章だ」
「…すまんな」
ミハイルの顔を見て、俺は口調を変えた
俺は封筒を開け、中に入っていた書類を確認した
「…それでいいか⁇」
「あぁ、本当に助かる。”お前”に頼んで良かったよ」
「ふっ…お互い様だろ⁇」
「注文の品はこれだ。5本用意出来た」
俺は先程の魚雷を指差した
魚雷が5本、床に並んでいる
「注文したのは3本だ」
「2本はオマケだ。お互い様なんだろ⁇」
「全く…有難く頂戴するよ」
「そっちはどうなんだ⁇上手くやってんのか⁇」
「まぁまぁさ。今はU-511と二人暮らしで、仕事もそこそこ忙しい」
「あの子は秘書艦か⁇」
「そんな感じだな。レイは鹿島だろ⁇」
「良い嫁だよ、あいつは」
「レイは所帯を持つのが夢だったからな‼︎」
そう言って、ミハイルは高笑いする
俺は冗談交じりでミハイルに拳を向ける
「うるせぇ‼︎鹿島に言うなよ⁉︎あいつ怒らせたらとんでもねぇんだよ‼︎」
「分かった分かった‼︎あ、そうだ‼︎今度グラーフとデートするんだ‼︎」
「頼むぞ、あいつの事」
「任せろ‼︎」
そう言って、俺とミハイルは拳を合わせた
「じゃ、もう行くよ」
「気を付けて下さいね」
一瞬で口調が変える
二人を見送った後、俺はいの一番にフィリップに乗り、パワーウィンドウを上げた
《ど、どうしたの⁉︎》
「俺とミハイルの会話、聞いてたろ⁇」
《ま、まぁ…》
「今から話すのは、ミハイルが隠せって言ってるから、誰にも言うなよ⁇」
《う、うん》
俺は封筒を開け、中の書類を出した
書類は合計8枚
内半分以上はドイツから取り寄せた設計図だ
「読むぞ。一瞬だからよく聞けよ⁇」
《うん》