艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

206 / 1101
単発短編三回目

今回のお話は、子供達が見ていたDVDからお話が始まります

すぐに何の映画か分かると思いますっ‼︎

そして、パパのモデルがようやく分かります


パパの夢

基地に雨が降る

 

パパもレイも、今日はお休み

 

食堂でビールを飲みながら、チェスをしている

 

今日は珍しく子供達が静かだ

 

その理由は、武蔵がかけたビデオのおかげだ

 

「きょーりゅー」

 

「そうだ。あれは”ラプトル”だ」

 

博士と女の人が恐竜のいる施設を探検する映画だ

 

「あのひと、パパににてるね‼︎」

 

たいほうが言っているのは、主人公の博士の事だ

 

「…確かに似てるな」

 

武蔵まで言い出した

 

「…そんなに似てるか⁇」

 

「うん」

 

「お前まで言うか⁉︎」

 

「今まで黙ってたけど、マジで似てる。特に性格」

 

この博士、最初は子供嫌いだが、後半になるに連れ、子供に好かれて行き、最後は子供好きと見られる一面を見せる

 

隊長は元々子供好きだが、ここに来てから更に拍車がかかった気がする

 

「…」

 

ローマが隊長をジーッと見ている

 

「兄さん、戦争が無かったら考古学者になりたかったんでしょ⁇」

 

「まぁな」

 

「俺で言う保育士みたいなものか⁇」

 

「そんな所だ」

 

「おわった‼︎おもしろかった‼︎」

 

大体こういうのを見た後、たいほうが言うのは一つ

 

「くわがたはらぷとるにはかてないね」

 

「そうだな。クワガタはパクッと食べらるぞ⁇」

 

「らぷとるそんなにつよい⁇」

 

「ラプトルはな、レイみたいな奴だ。頭が賢くて、常に最良の行動をするんだ」

 

隊長がそう言った瞬間、レイがチェスの駒を動かした

 

「チェックメイトっと‼︎」

 

「な⁇」

 

「すてぃんぐれいはらぷとる⁇」

 

「そうだぞ〜‼︎うりゃっ‼︎」

 

「きゃ〜‼︎」

 

レイはたいほうを抱き上げ、窓際に立った

 

「ホント、顔に似合わない性格ね」

 

「自分の事言ってんのか⁇」

 

「褒めたつもりなんだけど⁇」

 

「ありがたく受け取っておくよ」

 

チェスを片付け、執務室に戻る

 

たいほうがあんな事を言うから、チョット図鑑を見たくなった

 

棚から図鑑を出し、再び食堂に戻り、椅子に座って読む事にした

 

少し色褪せてはいるが、まだまだ読める

 

そして、自分が一番好きなページを開ける

 

「パパ‼︎すてぃんぐれいがおもちゃくれた‼︎」

 

たいほうの腕には、恐竜のオモチャが抱えられていた

 

たいほうは床に座って、それで遊び始める

 

「がうがう‼︎」

 

たいほうの手元で戦っているのは、大人しい草食恐竜の二匹

 

「たいほう。その二匹は戦わないぞ⁇戦うのはコッチだ」

 

私はオモチャの山から、肉食恐竜のオモチャを二匹取り出した

 

レイとローマがニヤついているが、ここは無視しよう

 

「なんで⁉︎つのすごいよ⁉︎」

 

たいほうの手に握られているのは、トリケラトプスだ

 

「それは子供を守る為に付いてるんだ」

 

「パパみたいなきょーりゅー⁇」

 

「そうだ。トリケラトプスは、怒らせたら怖いんだぞ⁇」

 

「パパはとりけらとぷすで…むさしはこれだね‼︎」

 

取り出したのは、ティラノサウルスのオモチャ

 

合っているだけに、反論が出来ない

 

「これはなんてなまえ⁇」

 

「ティラノサウルスだ。大きくて、とっても強いんだ‼︎」

 

「むさしもおっきくてつよいね‼︎」

 

「武蔵はティラノサウルスだな」

 

その後しばらく、アレはコレの問答が続いた

 

「たいほうはどれが好きだ⁇」

 

「たいほうこれすき」

 

取り出したのは、プテラノドンのオモチャだ

 

たいほうからそれを受け取り、手元でひっくり返したりする

 

「きょーりゅーなのにとりさん」

 

「プテラノドンは翼竜だ。空から獲物を取るんだ。こんな風に…パクッと‼︎」

 

たいほうの頭にプテラノドンのオモチャを乗せる

 

「つよそう‼︎パパぷてらのどんにかてる⁉︎」

 

「む…無理かな⁇プテラノドンは速いしな…」

 

「ぷてらのどん、みさいるうつ⁉︎」

 

「ミサイルは撃たないな⁉︎ほら、みんなと遊んでおいで」

 

「うん‼︎」

 

たいほうは他の子供達の所にオモチャを持って行き、楽しそうに遊び始めた

 

「隊長…」

 

「ん⁇」

 

「教え方が完全に映画の博士だ」

 

レイは必死に笑いを堪えている

 

「そこまで言うなら、横須賀に頼んで、シリーズ持って来て貰う。えと…3までだったか⁇」

 

「いや、去年4が封切りになった」

 

「よし」

 

そのまま横須賀に電話を繋げる

 

《はい、大佐。どうされましたか⁇》

 

「この前くれた恐竜のDVD、あれ、シリーズ全部寄越してくれないか⁇」

 

《畏まりました。久し振りに見て興奮しましたか⁇》

 

「いや…主人公の博士が俺ソックリだってみんな言ってな。確認の為に見ようかと」

 

そう言うと、電話の向こうで横須賀がクスクス笑い始めた

 

「お前まで思ってたのか‼︎」

 

《失礼しました‼︎確かに似てます。ハハハ‼︎》

 

「全く…頼んだぞ‼︎」

 

怒ってはいないが、取り敢えず電話を切った

 

「横須賀も一緒の事言ってたろ⁇」

 

「まぁな…とにかく、全部見てから判断する‼︎」

 

 

 

 

数時間後…

 

「大佐。言われた品です」

 

横須賀から、DVD三枚を貰う

 

「もう入手したのか⁉︎」

 

「えぇ。基地にありましたからね」

 

急いで執務室に入り、鍵を閉めてDVDをつけた

 

 

 

 

 

 

結局、一晩テレビの前で体育座りをしながら見てしまった…

 

3にその博士はもう一度出て来た

 

…確かに、少し自分に似ていた

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。