またその内、短編も書こうと思います
今回のお話は、横須賀で開かれた演習で、なんやかんやで解決していなかった因縁の対決が繰り広げられます
最近、やたらと演習が多い
それもそのはず
好戦派の軍人が、反対派を抑え付ける動きがやたら激しい
ここの所、深海側の攻撃は少し緩やかになって来た
スカイラグーンの影響がデカい様だ
まだ一件だけだが、遭難した漁船を、深海棲艦がスカイラグーンに運んだとの記録がある
彼等はまた自分の居場所に帰って行った様だが、これは大きな進歩だ
それでも、深海棲艦が敵である認識は人間からは離れない
好戦派、そして変わらず深海棲艦に対抗する為、自艦隊を強化する
その為の演習だ
だが、今回は各基地から珠玉の一隻のみが出場する
私の基地からは二隻
レイは”一応”提督らしき行動をしている為、毎回特別に許可される
私の基地からは
武蔵
そしてプリンツが出場する
横須賀の埠頭で、プリンツが最終整備にあたる
「よし、コレで大丈夫だ‼︎」
艤装に弾を装填し終わり、レイは眼鏡を外した
「絶対勝ちます‼︎」
「精一杯やって来い‼︎」
プリンツが張り切るのも無理は無い
今回の賞品が豪華だからだ
上位三基地が賞品を貰えるのだが、相変わらず数が多い
しかし、そこは流石の”4連撃の魔女”
戦艦にも引けを取らない圧倒的な高火力で、他基地をどんどん負かして行く
「やった‼︎レイ、勝ったよ‼︎」
「よし‼︎次は呉さんの所だ‼︎」
「相手はジュン=ヨーか…」
「熟練のパイロットが多い。厄介なのは間違いない」
「私、対空があんまり…」
「…よし。隼鷹戦の時だけ、主砲を一機取り除いて、代わりの対空兵装を付ける」
隼鷹戦まで、まだ時間がある
その前に、武蔵の試合がある
「さて、私の出番だな‼︎」
「待て、武蔵」
「どうした⁇臆したのか⁇」
「相手の艦を見ろ‼︎」
武蔵は書かれた表を見た
大奏警備府
旗艦…伊58
「潜水艦は無理だ」
「提督よ…諦めるのは終わってからだ‼︎」
武蔵は全ての艤装を外し、指を鳴らし始めた
「無理と思ったら、すぐに棄権するんだぞ⁉︎」
「心配するな」
《大奏警備府、旗艦伊58。横須賀分遣基地、旗艦武蔵。演習開始‼︎》
正直、武蔵に勝ち目はない
ましてや艤装を外している
ここに来て初めて、武蔵の気持ちが分からなくなった
試合が始まった直後、伊58の姿が海中に消えた
「潜水艦相手に戦艦とは…」
「提督は一体何を考えて…」
「やはり、空の連中に海は…」
周りが罵声で喚いている
何故武蔵は敢えて恥を晒す様な事をしたんだ…⁇
その答えはすぐに出た
武蔵は海上で足と腕を広げ、髪を少し逆立てて下をジッと見詰めていた
あの体勢自体は、攻撃を受け止める体勢だ
だが、髪を逆立てているという事は、電探で何かを探っているに違いない
そう考えていた時、開幕雷撃が武蔵に飛んで来た
「むっ…」
かすりはしたが、武蔵はまだ動けそうだ
だが、変わらず体勢を崩さない
そして、少しした後、武蔵は勢い良く海中に右腕を突き入れた
すると、手には伊58の頭が掴まれていた
会場がどよめく
「いだだだだ‼︎離すでち‼︎」
「降参か⁇」
「こーさんするでち‼︎いでででで‼︎」
伊58から白旗が上がる
《演習終了‼︎勝者、武蔵‼︎》
私は帰って来た武蔵を思い切り抱き締めた
「て‼︎提督よ‼︎」
「良くやった‼︎凄いぞ‼︎」
「ふっ…やりもしないで諦めるのは嫌いでな」
「凄いです‼︎でもどうやって⁇」
プリンツも驚いている
「たいほうがな、よく魚を獲っているだろ⁇あれを見ていたら、自分も出来る気がしてな」
「あれは…まぁ…」
たいほうの魚獲りと、潜水艦を海中から引き摺り出すのは訳が違うと言おうと思ったが、出来た事に違いは無い為、言うのをやめた
「次はぷりんつか。張り切って行くのだぞ‼︎」
「うん‼︎頑張って来る‼︎」
「おいおいおい‼︎ワンコが相手だぞ‼︎」
単冠湾泊地
旗艦…榛名
「…いいかプリンツ」
「は、はい‼︎」
レイは深刻な顔でプリンツの肩を掴んだ
「あいつはヤバい…負けると思った瞬間、俺はすぐに止めさせる。いいな⁇」
「やるだけの事はやります‼︎」
《単冠湾泊地、旗艦榛名。横須賀分遣基地、旗艦プリンツ・オイゲン。演習開始‼︎》
この試合を勝った方が、武蔵と決勝戦を行う
武蔵はどちらとも戦いたそうだ
「貴様が4連撃の魔女ダズルな‼︎」
榛名はハンマーをプリンツに向けた
「そ、そうです‼︎負けませんよ‼︎」
「はっ‼︎その減らず口がいつまで続くか楽しみダズル‼︎”アホパイロット”の艦娘なんて一撃ダズル‼︎」
「…」