今回のお話では、パパが“一度乗った事がある”と、言った機体が登場します
ヒントを出すとすれば…
“零と対なす機体”
と、でも言っておきましょうか
このお話以前にも、一度だけ会話に登場しています
”でけたで︎えらい待たせたな︎!!”
「ん⁇何がだ⁇」
それは、唐突だった
”はよ来てみぃ︎”
「仕方無い…」
妖精に着いて行くと、工廠に辿り着いた
中央にカバーを被せた、大きな何かが置いてある
”これや︎”
カバーが外され、中の物が露わになった
「おぉぉぉぉ︎!!」
”好きやろ、これ!?”
目の前に現れたのは、私がこの世で一番好きな、憧れの機体
あの時一度だけ乗った、蒼い鳥…
「コルセアだ︎!!」
”提督専用やさかいな。艦娘には発着でけへんけど、空母にも滑走路にも着地できるで︎!!武装も今風にはしたけど、十二分に深海凄艦と戦えるで︎!!”
「よし、これで…」
これで、ようやく…
ようやく、空に還れる
「テストフライトをしたい」
”ヘルメットと無線はこれや”
ゴーグル付きのヘルメットを渡され、私はコルセアに乗り込んだ
操縦席に座り、スロットルレバーに手を掛けた時、一度深呼吸をした
新品の機体だが、どこか嗅ぎ慣れた機械の匂いが、肺を満たして行く
あの日の感覚が、ゆっくりと甦って行く…
”TACネームは何にするんや⁇”
「イカロスだ。昔のネームをそのまま使う」
”よっしゃイカロス︎!!離陸を許可する︎”
格納庫から、ゆっくりと蒼い鳥が出てくる
滑走路に着き、計器を確認する
異常は…無いな
「イカロス機、出る︎」
蒼い鳥は、一直線に空へ還った
まるで、傷を癒し終えたかのように…
「いいね…やっぱり」
私にはこれが似合う
ここが居場所だ
”凄い挙動や…やっぱり凄いな”
「お、おい︎何だあの戦闘機は︎!!」
「あおいせんとうき︎!!」
武蔵はたいほうを抱えたまま、焦った様子で格納庫に入って来た
”あれは提督や”
「提督⁇」
”せや。凄い動きやな…”
「パパすご〜い︎!!」
「いーやっはー︎!!」
何度も宙返りや急加速を繰り返し、懐かしい感覚を取り戻していた
ジェット機では無いが、これでも十二分に楽しめた
「フィリップ︎俺が見えるか︎??」
”パパ⁇パパナノ︎!?”
「そうだ︎どうだ⁇編隊飛行でもするか⁇」
”ウンッ︎!!”
蒼い鳥の左側に、黒い機体が着き、同じ動きをする
下では、妖精達が二機の様子を眺めていた
ある妖精はメモを取り
ある妖精は双眼鏡で眺め
またある妖精は着陸後の整備の準備をしていた
「フィリップも見事なものだな」
”楽しそうやな、提督”
「あっはっはっは︎あのまま帰って来ないのではないか⁇」
「かえってきた︎!!」
二機が仲良く着陸する
フィリップはたいほうに仕舞われ、コルセアは滑走路の途中で止まった
「提督〜︎」
着陸した直後に、武蔵が駆け寄って来た
「どうだった⁇俺の飛行は⁇」
「素晴らしいの一言だな…流石だ」
「機体の調子も良い。エンジンの吹きが良かったんだ」
その時だった
”て、敵襲ー︎!!え、えらいこっちゃ︎単冠湾の基地がやられた︎!!”
「な、何︎!?」