艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

213 / 1101
56話 きそを護り隊(2)

「あ、あら⁇」

 

よく見ると、フィリップの下腹部に何かを取り付けているだけだった

 

「あ、あはは…勘違いでした…驚かしてすみません‼︎」

 

「ビックリした…あはは‼︎」

 

きそは驚いていたが、何処か楽しそうだ

 

「オヤツですよっ‼︎」

 

「サンキュー」

 

「いただきます‼︎」

 

鹿島の前でも、きそは変わらず俺の膝に座ってオヤツを食べる

 

鹿島はそれを許容してくれている

 

ただ、今みたいな如何わしい言動や行動を少しでもすると、鹿島は飛んでくる

 

オヤツを食べた後、今日は工廠を出た

 

きそと遊ぶ約束をしたからだ

 

ここにいれば、時間は嫌と言う程ある

 

無人機の量産だって、急いでやる必要もない

 

現在の時刻は、昼の3時を少し過ぎた所

 

日が暮れるまでなら、基地の周辺で泳げる

 

「着替えた‼︎」

 

きそはスクール水着に着替えて来た

 

胸の所に”きそ”と書かれている

 

横須賀指定のスクール水着だ

 

たいほうや子供達のスクール水着を見ているが、みんな真っ平らだ

 

だが、きそはほんのりと隆起がある

 

軽く準備運動を済ませ、きその前でも屈んだ

 

「ほら、背中に乗れ」

 

きそに背を向けると、背中に乗って来た

 

「…」

 

二つの隆起が背中に当たる

 

とても柔らかい

 

左側から、トクン、トクンと鼓動が聞こえて来る

 

生きている証拠だ

 

「よいしょ…オッケー、乗った‼︎」

 

「よし、絶対俺から離れるなよ⁇」

 

「うんっ‼︎」

 

いざ、海に浸かる

 

きそは必死に俺の首に回した手に力を込める

 

「大丈夫だ。ゆっくり行くからな」

 

「うん‼︎」

 

ある程度まで行くと、ギリギリ足が届かなくなった

 

「きそ、抱っこしてやる」

 

きそを胸に抱くと、変わらずに首に手を回してくる

 

「ちょっと潜ってみるか⁇」

 

「怖くない⁇」

 

「ちょっとだけだ」

 

「うんっ、分かった‼︎」

 

「じゃあ、目をつむって。俺が肩を叩いたら目を開けるんだ」

 

きそは頷き、目を閉じた

 

「息吸って…止めて‼︎」

 

きそを抱いたまま、海に潜る

 

潜ってから数秒後、きその肩を叩いた

 

きそが目を開けると、色とりどりの魚がいた

 

右手は俺の首に手を回したまま、左手で魚を取ろうとする

 

数十秒した後、海面に出た

 

「ぷは〜‼︎」

 

「ぷは〜‼︎」

 

互いに頭を震わせる

 

「綺麗なもんだろ⁉︎」

 

「うん‼︎全部がキラキラしてた‼︎」

 

「今日はこんなもんだな。また教えてやるよ」

 

「うん‼︎」

 

再びきそを背負い、基地に戻って来た

 

二人共シャワーを浴びて、きそは子供達と共に遊び、俺は執務室で隊長にあの無人機の話をしていた

 

「今は機銃しか付けてないが、自動標準機能で命中率を格段に上げてる。それに、背後にも撃てる」

 

「ついに無人機に落とされる時代が来たか…」

 

「そう悲観的にならないでくれ。Flak 1は、三人と一人の言う事しか聞かない」

 

「それは⁇」

 

「Flak 1はハッキング出来ない音声認識システムだ。隊長、俺、フィリップ、んで鹿島の言う事しか聞かない」

 

「俺が命令したら、その通りに動くのか⁇」

 

「そっ。んで、鹿島は”帰投命令”だけ出来る」

 

「試させてくれないか⁇どんな機動をするか見てみたい」

 

「分かった。明日、もう一度テストフライトをする。その時にでも」

 

 

 

 

 

次の日、朝から隊長の機体に音声認識システムを取り付けた

 

取り付けるだけなら超☆簡単‼︎だった

 

何せ、モニターにこのシステムをインストールするだけだ

 

「終わり‼︎Flak 1‼︎調子はどうだ⁉︎」

 

《良好です。マーカス様》

 

「よ〜し、隊長に代わるからちゃんと言う事きくんだぞ⁇」

 

《ウィルコ》

 

「隊長、後は任せる。ある程度の機動を確認したら、もう一度攻撃実験を行う」

 

「了解した。行くぞ、Flak 1」

 

《ウィルコ》

 

コルセアとFlak 1が飛び立つ

 

 

 

「よし、Flak 1。君の機動を見せてくれ」

 

《ウィルコ》

 

Flak 1は編隊から離れ、コルセアの周りを高速で飛び始めた

 

《隊長、Flak 1は空中で緊急停止が出来る。試してみてくれ》

 

「了解。Flak 1、緊急停止だ‼︎」

 

すると、Flak 1は空中でプカプカ浮かび始めた

 

「おぉ…凄いな‼︎どうやってしたんだ⁇」

 

《逆噴射装置とか、内部ローターとかその他諸々だ。人間がすると死ぬ‼︎やるなよ‼︎》

 

「…やらないさ‼︎」

 

正直、やってみようと思ったが死ぬと言われてはやる気を無くす

 

《…まぁいいさ。攻撃実験に移行する。バルーンを3個浮かべた。Flak 1に命令して破壊してくれ》

 

「了解した」

 

バルーンの色は、赤、青、黒の3つ

 

「Flak 1、黒、赤、青の順でバルーンを落とせ」

 

《ウィルコ》

 

Flak 1は言った通り、黒、赤、青の順でバルーンを落としていった

 

「流石だな、Flak 1‼︎」

 

《…ありがとうございます》

 

「何だ、照れてるのか⁇」

 

《…いえ‼︎そんな訳では‼︎》

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。