艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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58話 ゴールデンウィーク特別企画② パパと武蔵を繋ぐ物(2)

「これは猿の一種か⁇」

 

「そっ、チンパンジーだ」

 

ガラスの向こうで、数頭のチンパンジーがいる

 

「たいほうのオモチャの奴か⁇」

 

「そう。シンバル持ってる奴な」

 

朝方、私達があまりにも起きないと、たいほうは私達の枕元に座り、チンパンジーのオモチャの電源を入れ、頭の近くに置いて来る

 

これが中々うるさい

 

 

 

「ははは‼︎中々面白いな‼︎」

 

武蔵はチンパンジーが気に入ったみたいで、仕草を見ては笑っている

 

「猛獣見に行くか⁇」

 

「猛獣⁇」

 

「ま、行ったら分かるさ」

 

ライオンやトラが飼育されているエリアに行くと、武蔵は興奮し始めた

 

「これだ‼︎私が見たかった動物は、こういう強い連中だ‼︎」

 

「怖い…」

 

「はははっ‼︎天下御免の提督様がビビってんじゃね〜よ‼︎」

 

少し離れた場所で、アベックがいた

 

彼氏の方は猛獣にビビり、彼女の方は缶ビール片手に、彼氏の行動を見て笑っている

 

「呉さん⁉︎」

 

「はっ‼︎」

 

相変わらず呉さんは恐怖を気迫でねじ伏せ、ピシッとした状態に直る

 

「おっ‼︎隊長さんじゃん‼︎デートかい⁇」

 

「そう。ゴールデンウィークでみんなで来てるんだ」

 

「申し訳ないね〜。ウチの旦那はこんな調子だよ…」

 

隼鷹が呉さんの目の前で手をヒラヒラさせる

 

「気絶してるのか⁉︎」

 

呉さんは目を開けたまま、直立不動で気絶している‼︎

 

「ホラッ‼︎」

 

隼鷹が呉さんの背中を叩くと、呉さんは戻って来た

 

「はっ‼︎すまない…」

 

「全く…頼むよ⁉︎」

 

「ご、ゴホン‼︎ライオンなんざ怖くない‼︎睨みだけでひれ伏せ…」

 

その時、運悪く一匹のライオンが吠えた

 

呉さんは一瞬で隼鷹の背後に隠れ、ガタガタ震えている

 

「大丈夫だよ‼︎檻に入ってるって‼︎」

 

「出て来るかも知れないだろ⁉︎」

 

「出ないよ⁉︎え⁉︎出ると思ってんの⁉︎」

 

「…本当に出ない⁇」

 

「出ない‼︎絶対大丈夫‼︎」

 

「じゃあ…せめて手、繋いで欲しい…」

 

「分かった分かった‼︎ほらっ‼︎」

 

ようやく落ち着いた呉さんと隼鷹を横目に、私達はその場を後にした

 

「男は皆、夜は猛獣なのにな」

 

「うっ…」

 

武蔵の高笑いが響く

 

しかしまぁ、呉さんのビビりはグラーフ以上かも知れない

 

だが、恐怖を気迫でねじ伏せるのは見習わなければならない

 

「これは何だ⁇」

 

「アシカだ。海に住んでる」

 

「魚が売っているぞ‼︎」

 

「アシカにあげる餌だ。やってみるか⁇」

 

「うぬ」

 

百円玉を台に置き、四匹程魚が盛られた皿を手に取った

 

「アシカに投げるんだ。上手にな⁇」

 

「む…」

 

武蔵は魚を一匹掴み、アシカに向かって投げた

 

…野球の投球法で

 

魚は見事にアシカに”当たった”

 

アシカは一瞬何が起こったか分からず、左右を見回した後、プールに落ちた魚に気付き、口に入れた

 

「当たったぞ‼︎」

 

「違う違う‼︎アシカに食べさせるんだ‼︎こうやって…」

 

丁度泳いで来たアシカの前に魚を投げた

 

「ほら‼︎」

 

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