艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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59話 ゴールデンウィーク特別企画③ 新世界より愛を込めて(3)

タバコに火を点け、適当な台に座る

 

「…」

 

しばらく無言のまま、球を打ち続ける

 

「くそっ‼︎何故だ‼︎」

 

隣の男は俺と同い年位だが、メチャクチャ下手だ

 

打つ加減が強過ぎて、全部右端に向かっている

 

そんな時、俺の台がボーナスタイムに入った

 

《パンパカパーン‼︎ボーナスタイム‼︎》

 

「ぱんぱ〜か‼︎」

 

一瞬どこかで聞き覚えがある声がしたが、今はボーナスタイムに集中しよう

 

「隣の人上手ね〜‼︎アレンももうチョット上手になろうね〜」

 

背筋に悪寒が走る

 

アレン…だと⁇

 

それにさっきの”ぱんぱ〜か”あれは…

 

「おま‼︎何でここにいる‼︎」

 

「レイ⁉︎」

 

やっぱりアレンだ‼︎

 

「旅行だよ‼︎レイは⁉︎」

 

「俺も旅行さ。今は子供達連れて来てるだけだ」

 

「うはは‼︎やったやったぁ‼︎」

 

後ろできそが何やら喜んでいる

 

「お前の娘がいっぱいプラモデル抱えてるぞ⁇」

 

アレンに言われて振り返ると、きそは嬉しそうに小さなプラモデルの箱を沢山抱えていた

 

「きそはアニヲタなんだ」

 

「ははは‼︎可愛いじゃないか‼︎」

 

「レイ‼︎いっぱい取れたよ‼︎」

 

目を輝かせたきそが此方に来た

 

「やるな‼︎もう一つ取れたから、好きな奴と替えて良いぞ」

 

「わぁ‼︎レイありがとう‼︎」

 

「いい父親してるじゃないか」

 

「初めましてじゃないね、アレンさん‼︎」

 

「俺の事知ってるのか⁇」

 

アレンはきその頭を撫でた

 

「知ってる‼︎レイと鹿島を助けに行った時、フォーメーションに入れてくれたもん‼︎」

 

「ははは。フィリップみたいな子だな」

 

「フィリップだよ」

 

「ははは。嘘言え‼︎」

 

「あのなぁ…俺が嘘と隠し事しないの知ってるだろ⁉︎」

 

アレンは少し考えて、きそを見た

 

「…マジか」

 

「マジだ」

 

きそは箱の一つを見ている

 

戦闘機のプラモデルだ

 

「これ凄いんだよ‼︎歌歌うとパワーアップするんだ‼︎」

 

「歌…そうだ‼︎カラオケ行こう‼︎アレン、お前も来い‼︎」

 

「いいのか⁇」

 

「当たり前だ‼︎よし‼︎決定‼︎」

 

このチョイスは我ながら良い感じだ

 

数十分すると、子供達はそれぞれ景品を手にしていた

 

食いっぱぐれは無いようだ

 

「へへへ…しばらくはコレ組み立てて遊べるね‼︎」

 

「ちゃんと最後までやるんだぞ⁉︎」

 

スマートボールの店を出て数分歩くと、カラオケ店が見えた

 

もう一度全員いるか確認した後、中に入った

 

「カラオケって何⁉︎」

 

「歌歌う所だ。まずは俺とアレンを見てろ‼︎アレン、行くぞ‼︎」

 

「えぇい仕方無い‼︎」

 

「「俺の歌を…聴けーーーい‼︎」」

 

「おぉぉぉお‼︎」

 

きそが先程持っていたプラモデルのアニメの歌を、男二人が本気で歌う

 

二人汗だくになり、二、三曲歌い、カラオケの楽しみ方を理解した上で、順番に歌う事になった

 

「アーホアーホ‼︎アーホアーホ‼︎」

 

「アホって言う方がアホなのよ‼︎」

 

しおいと霞が楽しそうに歌っている

 

…なんちゅう歌だ…全く

 

次は鹿島だ

 

ちょっと昔の歌だが、俺は知っている

 

昔、隊長の車でこの歌手の歌が入ったカセットテープがよく流れていたからだ

 

「はいっ、愛宕さんっ‼︎」

 

「え〜と…どうしようかな〜」

 

愛宕はしばらく曲を選んだ後、ソファーから立ち上がった

 

「セ○ントセイヤァ‼︎」

 

アレンと共に、グレープソーダを吹いた

 

「え〜…」

 

「時々愛宕は壊れるんだ…」

 

アレンが頭を抱えている

 

愛宕の曲が終わり、霞の番になった

 

正直、どんな曲を歌うのか楽しみだ

 

「みんなで逢えたら〜」

 

一昔前のアニメの主題歌だ

 

確か、女の子がサーカスに入って色々するアニメだったと思う

 

歌が終わった後、霞の横に座って聞いてみた

 

「懐かしいの知ってるな」

 

「うん。たいほうが好きなの。武蔵が時々DVDをかけてくれるの」

 

「そっか」

 

「レイも何処であの歌覚えたの⁇」

 

「アニメであれ、戦闘機の挙動は勉強になるからな」

 

「なるほどね」

 

残りはきそだ

 

箔がつく程アニヲタのきそがチョイスする歌は一体…

 

その場にいた全員が息をのんだ

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