艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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60話 二人の死神(8)

「そうね…彼女達の返答次第だけどね」

 

そう言って、横須賀は俺達にウインクをした

 

「なるほど…」

 

「秋月、そして照月。貴女達二人に選択を与えるわ。横須賀鎮守府に着任して、私に仕えるか…それとも、横須賀分遣隊の二人と共に行くか…二つに一つよ⁇」

 

二人の答えはすぐに出た

 

「秋月、横須賀分遣隊所属を希望します‼︎」

 

「照月は…」

 

照月は少し迷っていた

 

そんな彼女を見て、横須賀は切り出した

 

「じゃ、次。大佐、そしてレイ。貴方達二人に、どちらか一人を着任させる権利を与えるわ。選んで⁇」

 

二人がこちらに振り返った

 

「私と共に来るか⁇」

 

「はい‼︎隊長‼︎」

 

秋月は潔く隊長の差し出した手を取った

 

隊長、かっこいいな…

 

惚れ直したよ…

 

今度は俺の番か

 

俺は照月と目線を合わす為、膝を曲げた

 

「辛い経験をしたな…」

 

「…」

 

相変わらず照月は長10cm砲ちゃんで口元を隠していたが、目線はこちらを見つめている

 

「もし楽園があるなら、行ってみたくないか⁇そこには沢山の仲間が待ってる」

 

「レイさん…」

 

「来い。俺が楽園に連れて行ってやる‼︎」

 

「…はいっ‼︎」

 

長10cm砲ちゃんを抱いたまま、照月が抱き着く体勢に入った

 

その0.5秒後、顔面に長10cm砲ちゃんが直撃したが、何とか照月を抱き留めた

 

感動のシーンは、何とか保たれた様だ

 

「ヤバ…何か今日レイが凄いカッコよく見える」

 

「いつもカッコいいだろうが‼︎」

 

「照月⁇レイはマヌケでバカな男だけど、貴方を命懸けで護ってくれるわ。私が保証する」

 

「はい‼︎横須賀さん‼︎私”お兄ちゃん”に着いて行きます‼︎」

 

「お兄…ちゃん⁇」

 

「お兄ちゃん、ですっ‼︎さっきフランクでいいって言ったじゃないですか‼︎」

 

「…こうだ」

 

「へっ⁇」

 

「…最高だ‼︎お兄ちゃん…何ていい響きだ‼︎照月‼︎もう一回言ってくれ‼︎」

 

「えっと…お兄ちゃんっ‼︎」

 

「横須賀様。照月は必ず護り通します‼︎」

 

「まずは鼻血拭きなさい。ホラっ‼︎」

 

長10cm砲ちゃんが顔面に直撃した為、両の鼻の穴から血が出ていた

 

横須賀から渡されたハンカチで鼻をかみ、そのまま返した

 

「要らないわよ‼︎あんたにあげる‼︎」

 

「じゃ、洗濯して額に飾っておくよ」

 

「やっぱ返して」

 

ポケットに仕舞おうとしたハンカチを奪い取られた

 

「とりあえず、大佐は二式大艇で送らせて頂きます。レイは大丈夫ね⁇」

 

「照月とフィリップで帰るよ」

 

「大佐。換えの機体はすぐに準備します。新型機がありますので、そちらを輸送しますね」

 

「頼んだ。機体無しでは何も出来ない」

 

話が終わり、五人は執務室を出た

 

俺は照月と共にフィリップに乗り、隊長は秋津洲の操縦する二式大艇で基地に送って貰う

 

《お疲れ様、レイ》

 

「ただいま。帰りは三人だぞ⁇」

 

《よろしくね‼︎照月ちゃん‼︎僕とはすぐに会えるよ‼︎》

 

「フィリップさんとはもう会ってますよ⁉︎」

 

「すぐ分かるさ。行くぞ‼︎」

 

こうして、俺達は横須賀基地を後にした

 

 

 

 

「お帰りなさい‼︎ご飯出来てますよ‼︎」

 

鹿島が出迎えてくれた

 

「サンキュー‼︎腹減ったぁ〜‼︎」

 

「貴女が照月ちゃんですね⁇私は鹿島です‼︎」

 

「照月です」

 

互いに頭を下げた

 

「行くぞ〜。お腹が限界だ‼︎」

 

「ここが…お兄ちゃん達の基地」

 

食堂に入る寸前で照月は足を止め、基地を見回した

 

「そっ‼︎僕達の基地‼︎」

 

「貴方は⁇」

 

照月の背後にきそが立っている

 

「僕の乗り心地はどうだった⁉︎」

 

「え⁉︎え⁉︎」

 

「僕はきそって言うんだ‼︎フィリップの本体なんだ‼︎」

 

「すぐ分かるって言ったろ⁇さっ、みんなに自己紹介しよう‼︎」

 

数分後に二式大艇も到着し、これで全員が揃った

 

全員が食卓に着いた後、隊長が切り出した

 

「食べる前に、新しい子が基地に来たから、紹介しよう‼︎秋月と照月だ‼︎」

 

「防空駆逐艦、秋月です‼︎」

 

「防空駆逐艦、照月です‼︎」

 

「ぼーくーくちくかん⁉︎」

 

たいほうがビクッと反応した

 

そうか‼︎

 

たいほうは空母だから、俺達みたいに初見は怖いかも知れな…

 

「大丈夫だたいほうよ。彼女達は私達の味方だ‼︎」

 

武蔵がたいほうに説明をする

 

「たいほうのおともだち⁇」

 

「そうだぞたいほう‼︎みんな仲間だ‼︎」

 

「あきづきもてるづきも、たいほうとあそんでくれる⁇」

 

「勿論です‼︎」

 

「照月とも遊ぼうね⁇」

 

「うんっ‼︎」

 

たいほうは嬉しそうな顔をした後、スプーンを持った

 

「じゃ、食おう。頂きます‼︎」

 

「「「いただきます‼︎」」」

 

 

 

 

 

 

防空駆逐艦、秋月が艦隊の指揮下に入ります‼︎

 

防空駆逐艦、照月が艦隊の指揮下に入ります‼︎




秋月…真面目系駆逐艦

パパのコルセアを誤射して撃墜してしまった為、パパには頭が上がらない

産まれ立ての為、普通の秋月より少し小さい

基地に来てから出撃を待ち侘びているが、緊急時以外は出撃しないのが鉄則なのを知り、少し落胆したが、徐々に慣れて来ている

簡素な料理は作る事ができ、最近はたいほうと共に食べられる野草を探すのが趣味になっている




照月…妹系駆逐艦

はまかぜとドッコイドッコイのプロポーションを持つ、秋月の妹

きそと同じ位の身長だが、出る所は出ている

襲われた事により男性恐怖症になっていたが、レイのお陰で、レイとパパには好意を向ける様になる

基地に来てから本を読むのが趣味になり、たいほう達に読み聞かせをしたりしている

襲われた後、傷やその他の処置は明石がしっかり行った為、これ以上の心配は無い

照月が持っている長10cm砲ちゃんは自立起動可能
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