《アソコアソコ‼︎》
《オンナノコ‼︎》
現場付近に着き、双眼鏡を覗くと、重巡洋艦二隻と空母一隻が、一人の艦娘を囲んでいるのが見えた
「ありゃあ…ポーラか⁉︎」
しかも重巡洋艦は砲撃している‼︎
「よし、ありがとう。後は俺に任せ…」
《タテグライニハナルヨ‼︎》
「お前、何言って…」
《アソコマデ、サンニンデカコンデイク‼︎》
《ソノアイダニ、アノコヲタスケテ‼︎》
「バカ野郎‼︎全員で生きて帰る‼︎俺はお前等の上官じゃねぇが、これは命令だ‼︎その後、補給でも修理でも何でもしてやらぁ‼︎」
《ワカッタ‼︎》
《イキル‼︎》
《イコウ‼︎》
こいつらの無邪気さに、腹が立つ
今から死ぬかもしれないなんて、まるで分かっていない
「よし…行くぞ‼︎」
《シュッパーツ‼︎》
イ級達に囲まれながら、艦娘の所に向かう
「痛い痛い痛い痛〜い〜‼︎や〜だぁ〜‼︎」
撃たれている、間の抜けた声の艦娘は、何とか耐えている印象だった
砲撃の最中、イ級達と共に割って入った
「テメェ等何やってんだ‼︎ポーラ‼︎しっかりしろ‼︎」
「あえ⁇お兄さんだえ〜⁇」
ポーラはワインの瓶を持ち、海上をフラフラしている
「ダメだこりゃ…」
「深海棲艦だ‼︎」
重巡洋艦に乗っていた一人が俺達を指差した
イ級達は砲撃はしないが、咆哮して威嚇している
「撃つな‼︎此方からも撃たなければならない‼︎」
そう言うと、白い軍服の男性が話し掛けて来た
「貴様‼︎何処の回し者だ‼︎所属を名乗れ‼︎」
「横須賀分遣隊所属‼︎マーカス・スティングレイだ‼︎俺は終わったぞ‼︎次はあんただ‼︎」
「大湊警備府、水上打撃部隊だ‼︎そこを退け‼︎深海共を吹き飛ばす‼︎」
その言葉に、不信感を覚えた
「ちょちょ、ちょ〜っと待ってくれ‼︎この子が深海棲艦だと⁉︎」
「そうだ‼︎我々に敵対する深海棲艦の端くれだ‼︎」
「バカ野郎‼︎艦娘だぞ‼︎」
「…なんだと⁉︎」
〜大湊警備府の空母の中〜
「大変申し訳ありませんでした‼︎」
艦長含め、そこに居た全員が頭を下げた
「ポーラ‼︎お前もお前だ‼︎酒飲んで素っ裸でフラフラしてっから撃たれるんだ‼︎」
髪の毛が前に垂れ下がり、これだけフラフラしていれば、確かに深海棲艦に見えなくもない
「あはははは〜い〜」
助けたは良いが、酔っ払っていて話にならない
さっきからずっとフラフラしていて、革ジャンを羽織らせてもすぐに脱ぎたがる
「真面目にしないと、本気で沈めっぞ‼︎」
「それはいけませ〜んね〜‼︎あ〜あははははは♪♪」
怒鳴っても揺さぶっても抱き締めても酔いは覚めず、挙げ句の果てには床で眠り始めた
「基地までお送りします」
「ありがとう。それと、外の駆逐艦達は撃たないでくれ。あいつらは正義の心を持ってる」
「了解しました‼︎」
それから、空母の中を散策する事にした
やはり見たいのは格納スペースだ
「ライトニングⅡだ‼︎」
格納されていた機体を見て、自然と格納スペースに足が向いた
「立ち入り禁止です」
入口にいた兵に止められ、廊下に戻された
「な…何だと…」
腕を組み、しばらく考えた後、一つ思い付いた
「必殺‼︎顔パス‼︎」
「立ち入り禁止です」
「な…何だと…顔パスが効かないだと⁉︎」
「…何処の飛行隊だ⁇ん⁇」
半笑いで言って来た兵に対し、腹が立った
「サンダーバード隊所属‼︎マーカス・スティングレイであります‼︎」
「も、申し訳ありません‼︎ど、どうぞ‼︎」
兵の顔は青ざめていた
「俺も有名になったもんだなぁ」
「貴方がたには、我々も助けられています‼︎」
「次は助けてやらねぇからな〜」
手をヒラヒラさせながら、機体に近付く
「ステルスか…時代は最先端を行くねぇ〜」