「じゃあ、今はP-40に⁇」
「あれが呉の工廠の限界らしいです。あれで充分満足してますよ」
「あらっ。謙虚になりましたねっ‼︎ふふふっ‼︎」
「鹿島、帰るぞ」
「はいっ‼︎」
レイはいつも見ていて分からないみたいだが、鹿島はレイを見ると顔が変わる
物凄く嬉しそうな顔になる
「ター坊、帰り道は分かるな⁇」
「あぁ見えてレーダーは付いてる。心配ありがとう」
「ふっ…じゃ、帰るとするか‼︎ル級さん、ありがとうな‼︎」
「マタキテネ‼︎」
喫茶ルームを後にし、フィリップ達の所に向かった
《おかえり、レイ‼︎鹿島も一緒だね‼︎》
「一緒に帰るぞ。てか、お前何も食わなくていいのか⁉︎」
《一応燃料は補給したよ⁇》
「…ならいいけど」
「フィリップちゃん、きそちゃんに言ってるんですよ⁇」
鹿島が言いたい事を代弁してくれた
《ありがとう。でも大丈夫‼︎鹿島がご飯作ってくれるでしょ⁉︎》
「ふふふっ。誰かと一緒ね‼︎」
「バカ言ってないでフィリップに乗ってろ‼︎ちょっと隊長の所に行って来るから、ジッとしてろよ‼︎」
レイはル級さんから貰った装置を手に、私とクイーンの所に来た
「隊長、これはインストール式のデータだ」
「AIに組み込むのか⁇」
「そっ。フィリップにも同じ物が入ってる。心配は無い」
「任せた。機械は弱くてな」
「任せな‼︎」
レイは操縦席に座り、インカムを付けた
私はその横で様子を見ていた
「ご機嫌よう、クイーン」
《ご機嫌よう、マーカスさん》
クイーンはレイの声に反応し、スリープモードになっていたモニターを起動した
「深海のみんなと会話出来るデータが手に入ったんだ。インストールして良いか⁇」
《お願いします‼︎》
専用のプラグを挿すと、画面に”Download Now 0%”と表示され、進行具合が分かるバーが出た
「よし、後はちょっと待つだけだ」
「レイは凄いな。さっぱり分からん‼︎」
「趣味の延長線でこうなった‼︎」
此方を見ながら口を動かしていても、レイは手を休めない
いつ見ても、レイ技術は凄いと思う
《マーカスさん、パパさん》
みんなが言っているから移ったのだろうか
クイーンは初めて私をパパと呼んだ
「どうした⁇不安か⁇」
《私にも、平和の意味を知る時が来るのでしょうか…》
驚きの質問だった
AIとは言え、平和の意味を考えるとは…
「賢いなぁ、クイーンは」
レイも驚いている
《私は知りたいです。何が平和で、何が自由なのかを…この戦いが終われば分かるでしょうか⁇》
「隊長といれば分かる。絶対に」
《パパさんは素晴らしい方です》
「そうだ。もし横須賀みたいな銭ゲバがパイロットだったらどうする⁇」
《嫌です‼︎パパさんが良いです‼︎》
「そう思うのも、平和の一つさ。さっ‼︎インストールが終わった‼︎どうだ⁉︎みんなの言葉が分かるか⁉︎」
《えと…どうお話すれば…》
クイーンは意外にシャイだ
初対面の相手には、警戒心をたてる
「じゃあ、前にいる黒い戦闘機に挨拶してみようか⁇」
クイーンは恐る恐る話し掛けてみた
《は、はろ〜…》
《ハロー‼︎お名前は⁉︎》
男性の声ですぐに返答が来た
音声もクリアで聞き取りやすい
《く、クイーンです‼︎F-15 SQのスノークイーンと言います‼︎》
《私はイェーガー‼︎よろしく、クイーン‼︎》
《あ、貴方は味方ですか⁉︎》
「「おい‼︎」」
突拍子も無く、とんでもない質問をしたクイーンに対し、二人でツッコミを入れてしまった
《私は戦争に疲れた…だから、今はここで昼寝をしてるんだ》
明らかに深海側の航空機のイェーガーは、どうやら味方の様だ
《な、なら、クイーンがここに来た時、お話して頂けますか⁉︎》
《勿論さ‼︎此方こそ宜しくね‼︎》
「良かったな、友達が出来て」
《はいっ‼︎ありがとうございます‼︎》
《…そこのお二方》
「んあ⁇どうした⁇」
《このなりで依頼をするのは忍びないですが、貴方がたにしかお願い出来ません》
「言うだけ言ってみな。それから決める」
《ありがとうございます。実は最近、深海側から暗号化されたデータをキャッチしたのですが…送ります》
イェーガーからデータが送られて来た
「これは…」
クイーンのモニターには、大型の機体が映されていた
《新型の長距離爆撃機の様です。もし、この爆撃機が本土へ向かえば、恐らく都市部は一瞬で火の海です》
「俺達に破壊しろ、と⁇」
《これは平和利用出来ません。クイーンが確かめたい平和とは程遠い結果しかもたらしません》
「完成してるのか⁇」
《分かりません。データのみなので…ですが、発見次第破壊して下さい‼︎》
「分かった‼︎有力な情報をありがとう‼︎」
《これで、少しは恩を返せましたか⁇》
「恩を返す⁇借りを作ったのはこっちだぞ⁇」
《ここを造ったのは貴方がたです。私には、これ位しか…》
「充分すぎるよ。それに、何も恩を感じる事は無い。私達は戦争が嫌いなだけだ」
《ありがとうございます》
「じゃあ、私達は帰るよ」
《お気をつけて》
レイはクイーンから降り、フィリップに乗り込み、空に上がった
「さっ、帰ろう。クイーン」
クイーンも上がり、私達は帰路に着いた